占いと中世人―政治・学問・合戦 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880893

作品紹介・あらすじ

中世の日本人にとっては、占いは生活や政治に欠かせないものであった。本書では、なぜ中世社会では占いがこれほどまでに重視されたのか、占いの背景にある人物・時代の思想・文化はなにかなどを考える。

感想・レビュー・書評

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  • 占い好きが高じて、最近は手相以外にも自分で占えるように勉強を始めようと思っているところだ。そんな時に出会った本。占いの歴史が垣間見れる。がしかし、陰陽師のこととか足利学校のこととか、マニアックな内容で、読むのに結構時間を要した。

    天皇、貴族、武士など高貴な身分の人たちは、戦の結果はどうなるかということから犬を飼うかまで占いで決めていたらしい。犬くらいならどうでもいいが、戦の結果を先に占わせて「凶」と出てしまったら、それだけで士気がなくなりそうだ。

    占いを必要とする人は今も昔も変わらないと思った。不安を抱えている人、不安定な状態にいる人、そして話を聞いてもらいたい人。昔は科学が発展していなかったために、前者2つの要素が非常に大きかったと思う。現代では占いの主要客は30代以降の女性が多く、8割は恋愛相談だそうだ。

    結果が曖昧であるから、科学が発展した現在でも存在し続けている占い。人生をそして国の運命までも左右してしまう力を持つので、賢く付き合う必要があると改めて実感した一冊だった。

  • たくさんの占いがあって
    面白かったです◎

    中世の人たちにとって
    占いは心のささえであり
    不安の解消法だったのですね。

  • メモ

    朝廷・幕府の占い
    安倍晴明と陰陽師の家、土御門家
    天変地異と政治
    儒学と易占い、足利学校
    武田信玄、島津義久、算木と山科家

    未来をみる以外にも日本には古代から様々な占いがあった。中でも古代、中世は陰陽師が活躍し、戦国時代以降は儒学者や禅僧も占った。天文学の知識があったことに驚いた。

    占いが活用された理由
    ①天の意思(自然現象など)を占う
    ②科学が未発達のため、異常現象からの不安を鎮める
    ③道徳的・宗教的役割
    ④迷い・悩みの解消

    昔はテレビの占いを信じていたが、最近は観ていない。おみくじでお世話になっている程度か。いつの時代も人は不安である。乗り越えるための糧にしてもいいと思う。

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著者プロフィール

学習院大学非常勤講師

「2014年 『日本中世の学問と教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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