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- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062882576
感想・レビュー・書評
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国際関係論でよく見られる、バランス・オブ・パワーというような現実主義的な観点を俯瞰し、批判している。そういう意味でリベラリズム論者と言えるのだろうか。なんか合点がゆかない。ただの理想主義者だろうか、コスモポリタンだろうか。
しかし、パックス・アメリカーナと言われるアメリカ覇権を肯定しているでもなく、国家の枠組みを超えた全人類の共通項を根拠に世界は繋がっていくことを、筆者は「トランスナショナル化」、「グローバル化」と呼び、一国の国益を重視するナショナリズムと対置した。なお、「インターナショナル」は国家間の交際と捉え、「トランスナショナル」と「ナショナル」の過渡期にあるという論調をとっていた。
筆者は、経済や軍事などのポリティカルな側面だけではなく、その元で絶えず流動的な文化的、社会的な動きに注目しなければ、現代世界を把握することは不可能と主張しているが、その流動性自体の抽象度が極めて高度な上、絶えず俯瞰的な視点を持ち続けていたために地に足がついた理論ではないように読み取れてしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示