仕事の技法 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883504

作品紹介・あらすじ

相手からの
「言葉以外のメッセージ」を感じ取る
この一つの技法を身につけるだけで
「仕事力」は、圧倒的に高まる。  

ビジネスにおける数多くの修羅場を
くぐり抜けてきた著者が到達した究極の「仕事の技法」、
コミュニケーションの真髄を語る23話。


第一話  すべての分野で役に立つ「仕事の技法」は「深層対話の技法」
第二話 「仕事のできる人」は必ず身につけている「相手の心を感じ取る技法」
第三話 「心配り」や「気配り」の本質は「言葉以外のメッセージ」を感じ取る力
第四話  相手の「真意」や「本音」を感じ取る「深層対話力」
第五話 「言葉以外のメッセージ」こそが相手に伝わってしまう
第六話  本を読んだだけでは掴めない「プロフェッショナルの技法」
第七話 「深層対話の技法」が身につく本の読み方
第八話  多忙な日々の中でも深層対話力を身につける「反省の習慣」
第九話  商談や交渉、会議や会合の直後に必ず行うべき「追体験」
第一〇話 「追体験」において求められる「視点の転換」
第一一話 相手の表情、仕草、動作から感じ取る「言葉以外のメッセージ」
第一二話 優れたプロフェッショナルから学ぶべき「深層対話の視点」
第一三話 「一人での反省」がしばしば陥る「解釈の誤り」
第一四話 究極の「深層対話力」を身につける「深夜の反省日誌」
第一五話 「深夜の反省日誌」において見つめるべきは「自分の心の動き」
第一六話 相手から必ず見抜かれる心の中の「操作主義」
第一七話 「直後の反省会」を効果的にする「場面想定」の技法
第一八話 「場面想定」の習慣で身につく最も実践的な「戦略思考」
第一九話 「無意識に相手に伝えているメッセージ」に気がつく高度な「深層対話の技法」
第二〇話 最も成熟した「深層対話力」は「聞き届け」の技法から
第二一話 すべての仕事において活用すべき「深層対話力」
第二二話 「心理学」を学ぶだけでは決して身につかない「深層対話の技法」
第二三話 「深層対話力」とは極めて切れ味の良い「諸刃の剣」

感想・レビュー・書評

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  • 『仕事の技法』著:田坂広志(講談社、2016/1/20)

    なぜ、「プロフェッショナルの書いた本」が溢れているのにも関わらず、「プロフェッショナルになる人間」は少ないのか?

    この疑問を解くために「知識」と「智恵」の違いを理解しなければなりません。
    「知識」とは言葉で表せるものであり、書物で学ぶことができるものであり、それに対して、「智恵」とは、言葉では表せないものであり、経験を通じてでしか掴めないものになります。

    そして、多くの読者が間違えてしまうことは何か。
    それは「知識」を学んだだけで、「智恵」をつかんだと思い込んでしまうことです。

    本を読む人の多くがこの現実離れした錯覚に陥ってしまいます。
    本に書いてある、「ポイント」、「心得」、「技術」にマーカーを引くだけで、読者は何かを掴んだと錯覚します。単に、その知識を記憶しているだけということにも関わらず、著者の智恵を掴んだと錯覚します。そして、マーカーだらけの、智恵の溢れすぎた本を読み返し、現在の自分にとって何が大切なのかを見失ってしまいます。

    書物を読み、今、現在の自分が掴むべきと感じたものを仕事で何度も何度も実践して、智恵として体得する。同じ本でも、読む人が抱く課題や問題意識によって線を引くポイントは異なるにも関わらず、現実感や問題意識の無い人のマーカーの線は多くなっていきます。

    気付かないといけません。簡単に手に入るものなど何もないと。時間をかけずに熟成するものなど何もないと。得やすいものは失いやすく、それらは代替可能であると。
    あなたの後生大事にしている「時間」を「経験」にかえてきたのが、プロフェッショナルなのです。

    元三冠王の落合選手のバッティング論を聞いて、頭で理解しても、誰も実践出来ないのです。「できそうだな」と、現実離れした錯覚に陥っているだけなのです。
    現実感が無く、浮遊していた私は本書を読み、大変反省することになりました。
    働く人に本書を贈ります。

  • 久しぶりに田坂広志氏の本を読んだ。
    本書は長らく本棚にあったが読んでいなかった。
    20代のとき、田坂氏の書物を何冊か読んだ。
    時代を見通すような慧眼に驚き、物事の本質を突く洞察力に嫉妬しながら読んだ。
    しかし本書から、そのような衝撃は受けなかった。それは、私が成長したためか、私がサラリーマンではないためかは分からないが、本書から得られるものがなかったわけではない。
    まず、本書は「対話」について書かれている。会話やコミュニケーションではなく、「対話」に注目しているところに田坂氏の鋭さがある。
    LINEゆTwitterなどのおしゃべりは会話である。対話は意見や思想の交流である。相手を尊重し、相手に敬意を持ち、非言語的な思いまで汲み取りながら、成立するのが対話である。
    本書はまさに非言語コミュニケーションとしての対話について書かれている。それを著者は「深層対話」と呼ぶ。
    言語コミュニケーションを表層対話、非言語コミュニケーションを深層対話と呼び、「深層対話の効用」について書かれているが、その矛先は最後に自分に向けなければならない。
    自分の深層との対話を通し、自分の人間性を深めること。その先に得られるのは「深い洞察力」や「鋭い洞察力」である。

  • 「深層対話力」。言葉以外のメッセージによる対話であり仕事の技法の根幹、と著者は言う。
    じつはこの本に書かれていることは、自分でも自身の営業の仕事経験のなかで長年かけて会得し実践を心がけていることといってよい。
    したがって、本書にもあるように、「経験を積む」ということが、プロフェッショナルの「仕事の技法」を掴んでいくための大前提だとする主張は大いにうなずける。
    ということは、当然ながら自分で経験したことのない仕事にも、やった人にはわかるがそうでない人にはなかなか見えてこない‘暗黙知’ともいえるノウハウが必ずあるのだ。自分の経験などたかがしれてるのだから、ものごとを広く深く知るために本書にある「『深層対話の技法』が身につく本の読み方」をしっかりと実践していきたいと思った。

    • kiyotchanさん
      なるほど。「深層対話力」ですか。文字通り、奥が深いですね。顕在化していない顧客のニーズを引き出していく高度なコミュニケーションスキルとも言え...
      なるほど。「深層対話力」ですか。文字通り、奥が深いですね。顕在化していない顧客のニーズを引き出していく高度なコミュニケーションスキルとも言えましょうか。私もそういう力を付けたいと思いました。
      2016/02/17
  • ウェブ会議の技法もお聞きしたい。

  • ★★★
    今月13冊目
    うーん、ビジネスマンには向く。
    自由奔放な私にはさほど。
    振り返り、反省が大切てこと。表面の言葉よりも表情しぐさから内側を予想しろと

  • 仕事の時に気を付けたいと思う点が幾つかありました。

    ・傍が楽になるように動くことが働くということ
    ・終わった直後に反省会で相手の視点で追体験をする
    ・深夜に反省日誌を書いて複数の自分の視点で振り返る

  • 仕事だけでなく日常においても意識することで人間としての深みを出すトレーニングになると感じた。結局は実践を通して自身で体得するものであり、理論を学んだだけでは意味が無いことも再認識させられた。

  • プロフェッショナルな仕事人として、必要不可欠な技法と考えます。大きな気付きを得ました!感謝!

  • 言葉以外のメッセージ(深層対話)を感じ取ることが重要。
    なぜなら、コミュニケーションの8割は非言語メッセージ。非言語メッセージから読み取ることで、言語だけでは得られない多くの情報を得ることができる。

    実践方法は、相手の立場、性格、状況を把握し、あらゆる所作に注目することで心の動きを読み取る。
    例えば、上司に対しては単に作業をするのではなく、心を楽にしてあげられるように進捗状況などを早めに報告する。
    また、商談時お客様に対してはトーンや表情をみて言葉からは見えない本音を観察する。

    注意点として、心の動きを読み取れるようになっても相手を操作しようとしてはならない。一流にはバレる。誰しも悩みながら懸命に生きているので、すべての人に敬意をもって共感し支援し協調する。

    深層対話力を高めるには、事前準備と事後反省を行う。
    事前準備は、戦略的行動が必要。先読みして起こりうる場面に対して意図をもった準備、行動をする。準備しておくことで事後反省がしやすくなる。
    事後反省は、2つの方法。
    1つ目は事後直後に非言語から感じ取ったことを時間の流れに沿って複数メンバーで追体験を行う。
    2つ目はは深夜の反省日誌を使って自己と対話する。注意点としてあらゆる立場の人と自分を対話させ、自身のエゴで認識することを防ぐ。

  • さまざまな仕事に応用できる仕事の技法は深層対話力である。

    深層対話力とは相手の深層の心と対話する力であり、言葉以外のメッセージを受け取ることである。
    言葉以外のメッセージを受け取るためには、相手の発言、仕草、動作に注目する必要がある。なぜあのときあの表情だったのか、あの発言をしたのか、あの動作の意味は何か、振り返り反省を繰り返すことで深層対話ができるようになる。またこの反省会は多数の知見を得るために、上司や部下と一緒に行うことが大切である。1人で行うと無意識に自分のもつエゴに流さ、間違った解釈をしてしまうことに注意すべきである。一方で1人での反省にも意味がある。1人で振り返り、思ったことを書き出す中で、冷静さを取り戻し、他人のせいにせず自分自身の課題と向き合うことができるようになる。
    また事後の反省のみならず、事前の場面予測も重要である。これから起こることを予測し、戦略を考えておくことで臨機応変に対応できるだけでなく、その後の反省も深くなる。戦略は大きなものだけでなく、五分先の場面も想像し、戦略を練るべきである。
    言葉以外のメッセージは相手から受け取るだけでなく、自分の動作、仕草からも伝わることを意識しておかなければならない。そしてそのほとんどは自分では気づくことができないため、常に自らと向き合う必要がある。無意識に相手を操作しようとしてないか、自分にとって有利に解釈してないか、常に己の深層と向き合うことが大切である。
    そして相手に対しては常に敬意を持って接することが、その人の人間力につながり、その人間力は言葉からも姿からも伝わり、相手の心に残るものであるため、重要である。

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著者プロフィール

シンクタンク・ソフィアバンク代表

「2023年 『能力を磨く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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