本物の名湯ベスト100 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884044

作品紹介・あらすじ

「名湯○○選」とか「名湯の宿ベスト○○」といった、名湯選びや広い意味での温泉ランキングをテーマにした書籍には、大きな問題点が三つあった。

 第一には、その多くが温泉地選びというよりは、温泉宿選びに偏っていたこと。
 温泉宿選びイコール温泉地選びではない。宿選びに終始する風潮をこれ以上蔓延させては、温泉地というもののトータルで奥深い魅力や歴史を重ねて培われた存在意義、ましてや〈名湯〉を理解するには決して至らない。

 二番目の問題は、温泉のセレクション本がいったい、どのような客観的な基準、説得力ある根拠をもって選んだのかわからないこと。名湯の宿選び本の類も、多くは選ぶ基準が明確ではない。著者の主観や嗜好、ときには当の宿とのつながりから選んでいるケースがある。

 三番目の問題は、選ばれた名湯(宿) と言うのに、それを裏付ける、肝心の温泉そのものにかかわる基本データすらきちんと記載されていないこと。説得力ある根拠、検証過程が示されていないのである。

 こうしたこれまでの問題点をふまえ、多くの読者、温泉ファンが納得して、温泉地選びの参考にしてもらえるような、温泉地を評価し、ランク付けするのに客観的な指標をまずきちんと明示した。

 そして同時に、温泉地全体にかかわる源泉数、すべての泉質、泉温、pH、総湧出量、湧出状況(自然湧出・掘削自噴・噴気造成・動力揚湯の各状況表示)の基本温泉データをできるだけ正確に調べた。

 具体的には、温泉地を評価する客観的な指標を、次のように五つ設定した。

 一 源泉そのものを評価する指標
 二 源泉の提供・利用状況を評価する指標
 三 温泉地の街並み景観・情緒を評価する指標
 四 温泉地の自然環境と周辺の観光・滞在ソフトを評価する指標
 五 温泉地の歴史・文化・もてなしを評価する指標

 本当の温泉ファンが納得するランキングを読み進めるうち、名湯はどこにあって、どんな効果・効能が見込まれ、どんな満足感が得られるかなどが、明確にわかってくるだろう。と同時に、「あの温泉にはこんな楽しみ方もあったのか」「次の休日には、この温泉に行って見ようかな」などと思いを巡らせられるだろう。

感想・レビュー・書評

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  • 石川 理夫
    一九四七年生まれ。温泉評論家。日本温泉地域学会会長。東京大学法学部卒業。温泉評論・執筆・メディア出演のかたわら、共同湯や温泉文化史等の研究に携わる。著書に、『温泉法則』(集英社新書)、『温泉巡礼』(PHP研究所)、『温泉で、なぜ人は気持ちよくなるのか』(講談社+α新書)、『温泉の平和と戦争』(彩流社)ほか多数。

  • いくつ行けるだろうか。

  • 温泉大国ニッポン。温泉を5つの指標で客観的に分析したベスト100。一位はもちろんあの温泉?

    1.源泉そのものを評価する指標
    2.源泉の提供・利用状況を評価する指標
    3.温泉地の街並み景観・情緒を評価する指標
    4.温泉地の自然環境と周辺の観光・滞在ソフトを評価する指標
    5.温泉地の歴史・文化・もてなしを評価する指標

    以上の5点の指標から温泉地を客観的にランク付けしたもの。全国各地、日本は本当に温泉に恵まれているものだと痛感する。
    時々目を通し、旅行の計画に活用したい一冊。

  • 自分はどんな温泉が好みなのか、この本を読んではっきりとわかった。今度から温泉に行った際には、泉質やpHもよく見るようにしたいと思う。

  • 2017/01/14

  • 温泉宿ではなく、温泉地としての評価をしようという点や、
    なるべく数値化して評価しようという姿勢は素晴らしいが、
    順位の理由が不明瞭な部分があるのが残念。
    また、観点ごとの順位が全体の順位にどう影響しているかも疑問が残った。

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著者プロフィール

温泉評論家。日本温泉地域学会会長。
1947年生まれ。東京大学法学部卒業。
温泉評論・執筆の傍ら、共同湯、温泉文化史等の研究に携わる。
著書は『温泉法則』(集英社新書)、
『温泉巡礼』(PHP研究所)、
『温泉で、なぜ人は気持ちよくなるのか』(講談社プラスα新書)、
『温泉とっておきの話』(海鳴社、共著)、『温泉の百科事典』
(阿岸 祐幸 編、丸善出版、共著)ほか多数。

「2015年 『温泉の平和と戦争 東西温泉文化の深層』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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