震える舌 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062901086

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  • 小さな娘が破傷風になる。「もしかしたら・・・」と思いながらも、違う診断にほっとしながら、最終的には手遅れに近い状態で入院。そして主人公も感染? 全体的に暗い文体で、主人公の子供に対する距離感とか、妻が壊れていく感じとか怖い。

  • 許さんの授業課題作品。じっくり味わうほど名作なんだなあ、と納得。破傷風の恐ろしさ、家族の不安定な感じ。緊張感。不快な生活匂いが充満した文体。色んな意味で生臭い。詩人ならではの独特な言葉選びも凄い。

    病に冒されて舌を噛み、血だらけになりながら痛いよう痛いよう…と泣き叫ぶ娘。
    看病疲れで狂ってしまう妻。
    「あなたは私の夫ですね、そうですね」と電話口で呟く。触れたくない見たくない人間の怖さが全面に出てきちゃってるかんじ。怖い。ほんと怖い。

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著者プロフィール

詩人、小説家。1935年生まれ。早大露文科を卒業。詩人として詩集『東京午前三時』でH氏賞、『わがキディ・ランド』で高見順賞を受け、小説家としては「鶸(ひわ)」で芥川賞、『路地』で谷崎潤一郎賞、『K』で伊藤整文学賞を受賞する。児童文学作品や児童文学の翻訳も数多く、『ぽたぽた』で野間児童文芸賞、『イヌのヒロシ』で路傍の石文学賞を受賞するなど、詩、小説、児童文学の世界で受賞歴多数。2011年、旭日中綬章を受章。

「2018年 『ミッドワイフの家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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