ルイズ 父に貰いし名は (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062901345

作品紹介・あらすじ

国家権力によって虐殺されたアナキスト大杉栄と伊藤野枝。父母の遺骨を前に無邪気にはしゃいでいた末娘のルイズは、父の名づけた革命家の名と"主義者の子"の十字架を背負い、戦前戦後を平凡に生きた。そして、やがて訪れた、一人の自立した人間としての目覚め。一年六ヵ月に亘る聞き取りと事実に肉迫する記録者の視線が、一女性の人生と昭和という時代を鮮やかに照射する。講談社ノンフィクション賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • ノンフィクション
    文学

  • 大杉栄の娘ということで、正直もっと過酷な迫害を露骨に受けているものだと思い込んでいました。周囲の人々は知ってはいるけど敢えて積極的には触れない、という雰囲気でしょうか。ただ世間のその語らぬ視線が恐ろしいのですが。

    爆弾三勇士の妹と大杉栄の娘がおなじ学校にいたというトリビアは、意外と戦前の教育社会の懐の深さのあらわれなのでは。

  • 甘粕大尉らに虐殺された大杉栄と伊藤野枝。2人の残した末娘ルイズの半生を描く優れたノンフィクション。平凡な感想ながら、感動しました。

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著者プロフィール

歌文集『豆腐屋の四季』でデビュー。豆腐屋を14年間続けた後、1970年、"模範青年"を脱皮して、作家宣言。生活(いのちき)の中の小さな詩を書き綴ったエッセイと、重厚な記録文学を書き続ける。「暗闇の思想」を提唱して豊前火力反対運動・環境権裁判を闘い、『草の根通信』を31年間発行、反戦・反核・反原発の闘いに邁進する。その闘いの原点は『豆腐屋の四季』にある。弱い人間の闘い方とは、局面負けたとしても、自分を信じ、仲間を信じ、未来を信じることである。3.11福島原発事故以後、若い世代にも「暗闇の思想」が読み直されている。「だれかの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるのならば、その文化生活をこそ問い直さねばならぬ」

「2012年 『暗闇に耐える思想 松下竜一講演録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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