- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062919203
作品紹介・あらすじ
短期間で近代国家を作り上げた新政府。それは何をめざし、どのような手法で、誰の手によってなされたのか。また、前時代の遺産の清算や、新たな政策・制度の伝達・徹底はどのように行われたのか。地方官や戸長の役割と活動に注目し、「上からの変革」と人々の自前の対応により形作られてゆく「明治」を、五箇条の御誓文から帝国憲法発布までを舞台に活写。
感想・レビュー・書評
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
五箇条の御誓文が示されてから憲法の発布までの明治政府が実施した政策や状況についてが書かれていた。明治維新といえば、江戸幕府を打倒した新政府が理路整然と近代化のための政策を実施していたイメージが強かったのだけど、この本を読む限りでは理想と現実の間で出来得る限りの政策を実施しているのだということが分かった。
特に一般民衆に明治政府の政策を実施するための手段が初期の段階では江戸幕府が実施していた方法を流用していたことや、武士という存在が明治維新でどのように変化していったのかが書かれていたのが面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短期間で近代国家を作り上げた新政府。それは何をめざし、どのような手法で、誰の手によってなされたのか。また、前時代の遺産の清算や、新たな政策・制度の伝達・徹底はどのように行われたのか。地方官や戸長の役割と活動に注目し、「上からの変革」と人々の自前の対応により形作られてゆく「明治」を、五箇条の御誓文から帝国憲法発布までを舞台に活写。
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このシリーズもいよいよ明治に突入
資料や研究者もこれまでより段違いに増えたはずだが、いまいち深みを感じられず
徴兵制のあたりのくだりはやや注目した -
五箇条の御誓文から帝国憲法発布までの新しい国家建設の通史を理解することができた。(このような通史を読むことで断片的な知識が整理される)
明治維新には私欲の権力闘争(没落する側の抵抗等)もあるのだが、大きな時代の流れの中では、西欧諸国に伍する近代国家を建設するため、「坂の上の雲」を目指す日本人の真摯な姿、情熱、智恵、工夫等を熱く感じる。
「内治を整え民産を殖す」では、維新初期の諸社会改革の果実を得る段階を記し、社会改革との連関性などが興味深い。
(何故、日本がアジア唯一の近代国家として大成できたかがよく理解できる)
例えば、華士族の金禄公債を元手に多くの銀行が設立された経緯など。西南戦争で没落する士族だけに焦点があたりがちであるが、士族を殖産興業の一環として救済する仕組みも用意していた。