大聖堂・製鉄・水車―中世ヨーロッパのテクノロジー (講談社学術文庫)
- 講談社 (2012年12月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062921466
作品紹介・あらすじ
西洋中世の新たな実像を描いて定評ある著者による、テクノロジーの中世史。軍事、建築、交通から、織機や農具など、あらゆる具体的なモノの変遷と、社会や暮らしの変化をたどる。「停滞の元凶」とされる教会や修道院が時に技術革新の推進力となり、また、東方の文化を吸収しつつ千年にわたって緩やかに進行した技術革新が、近代の「革命」を用意していく。
感想・レビュー・書評
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テクノロジーの発達から見た中世1000年史についての本。本書のスタンスとして,中世の技術進歩は地道な積み重ねによると,プラス方向に捉えている。
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中世ヨーロッパの技術史の解説本。表題からわかるように多分野の技術を扱っている。また単に技術の変遷を辿るだけではなく、そういった技術革新が起こった要因にまで触れている。専門家でなくとも読みやすい。原著に記載されていたであろう註や参考文献のリストが省略されているところは残念。
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中世はそれほど暗黒時代じゃなかったという話。
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ヨーロッパ中世の科学技術史。商業制度も扱っているので、社会史と大きく捉えてもいいかなと。
それにしても、初期は中国から取り入れたモノが、後期には逆に輸出できるように、西洋と東洋で技術の差が埋められ、遂に逆転まで起きてしまうとは。
社会の技術への受け止め方や、宗教思想が技術の発展を後押しするか堰き止めるか、で後世の社会がヨーロッパを規範として出来上がった。 -
[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
暗黒時代と知られる中世ヨーロッパのテクノロジーに関して書かれている。
しかし、この本では「中世=暗黒時代」という考えが古い考えであることがわかる。中世は後の産業革命のような劇的な進歩ではなく、多くの人々が試行錯誤を繰り返し、多くの経験からゆっくりと進歩していった時代だったようだ。
時代ごとに多くの技術を解説しているが印象的なのは中世前中期においては中国からの技術伝播が存在していたということで、シルクロードで直接的な伝播にインド・イスラムを経由した間接的な伝播と中世ヨーロッパのテクノロジーの進歩に大きく関わっている。
また、いつの時代でも技術は軍事に利用されているのを感じた。すぐに思いつく城や投石機、火薬などに加え、橋や道路、羅針盤なども間接的には関わっているのだろう。
また、新たな技術は教会で用いられることが多い印象も受けた。一般的な人々よりも資材や資金に余裕があるからだろうか。 -
そうか、中世が暗黒の時代ってのは古い迷信だったのか!確かに、奴隷が主な動力源の世界よりも水力(縦型水車)と火力(炭)が主な動力源の世界の方がマシだよなあ。そして、欧州がイスラム圏やアジアに対して技術的、経済的に劣っていた状態から逆にリードを奪ったのがまさに中世だったのか!中世があったからこそ、(良くも悪くも)今の世界情勢があるのかと再認識
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水
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読了せず。
最初の10ページくらいで「わー教科書」ってなった。
うーん。これを超えれば面白くなるのかなぁ。 -
あまり読ませるタイプの語り口ではない。興味深い内容なんだけど。中国の技術が進んでいたことが印象的。だけど覇権はヨーロッパにあった不思議。中国からヨーロッパへの海洋貿易が起きなかったのは謎。