ウィトゲンシュタインの講義 ケンブリッジ1932-1935年 (講談社学術文庫)
- 講談社 (2013年10月11日発売)
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感想 : 1件
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- Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062921961
作品紹介・あらすじ
「言語ゲーム」という考えが熟していく中期から後期に到る変化とは。ウィトゲンシュタインの哲学の手ざわり、魅力にあふれた一冊!
感想・レビュー・書評
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ウィトゲンシュタイン後期の結実『哲学的探究』は抜粋でしかまだ読んでないので、私は甘いのだが、この本で後期の彼の考え方が大体理解することができたように思う。
「黄色本」と言われるものも、本書にその一部が収録されている。ちくま学芸文庫の『青色本』を読んだときはその中身がよくわからなかったのだが、本書を読んで、ウィトゲンシュタインのいう「言語ゲーム」という思想の面白さを体験できた。
ウィトゲンシュタインは何かというと恩師バートランド・ラッセルの思想を批判する。他に言及されているのは数学者たちであり、既存の哲学者に関しては何も語らない。いちいちラッセルを批判するというのは、この師匠と対立することで、ウィトゲンシュタインは自己の思想を確定できたということだろうか。
最後の方の数学の話(数式が出てくる)はやはり苦手だったが、やはり「言語ゲーム」の考えが魅力的で、彼はソシュール言語学を踏まえたわけではないような気がするものの(ソシュールの一般言語学講義が出版されたのは1928年だが、ぜんぜん言及されていない)、考え方の一部はソシュールに近いようにも思った。
本書が面白かったので、『哲学的探究』全文を読んでみたいと思っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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