スッタニパータ [釈尊のことば] 全現代語訳 (講談社学術文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062922890

作品紹介・あらすじ

かくしてひとり離れて修行し歩くがよい、あたかも一角の犀そっくりになって――。『法句経(ダンマパダ)』とともに原始仏典の中でも最古層とされる『スッタニパータ』。最初期の仏教思想と展開を今に伝えるこの経典は、釈尊に直結する教説がまとめられ、師の教えに導かれた弟子たちが簡素な生活のなかで修行に励み、解脱への道を歩む姿が描き出される珠玉の詞華集である。2400年前の金口直説を平易な現代語で読む。

感想・レビュー・書評

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  • 読了。
    最古の仏典のひとつ。
    素直な感想としては、退屈。
    原始仏教についての討論や、ミャンマーなどの仏教行事を普段からyoutubeで見て、ある程度知っていたこともあって、新たに知る内容は特になかった。繰り返しが非常に多く、問答の際には同じような返答ばかりが返されるため、本書は300ページ程の厚さだが、5、6ページで済む内容だと言える。いくつかの章は、韻律を伴う詩と化しており、正確な記録ではない。人類の歴史は伝言ゲームだと昔書いたが、最古のなかでも最初期に当たる仏典が既にその様である。紀元前400年前のインドでは字を残す習慣がないのだからそれでもよくぞ伝えたと一方で褒め称えたい。スッタニパータの神髄は、本書を読まずともwiki派生各種だけで十全に掴める。釈迦の説いた教えは、最高究極のものであることに疑いはないが、だからといって本書を有難く拝む必要はない。村上龍の歌うクジラにおけるひどくくどいコピペ文はこれを参考にしたのではないかと思った。嘘偽りない真実を語ると豪語する釈迦が、内陸部にあって決して見たことのないであろう海と海の向こうの世界を平然と語るのにはおかしなものを感じた。無明という言葉の理解がもっとも難関だった(wikiを読んでよく分かった)。

  • 釈迦の上座部の教え。人としての正しい心構えを繰り返し説いている。正しい行いの先には解脱がありそれが最上の境涯だとしている。

  • 中村元や今枝由郎が「怒り」としている箇所を「むらむらとこみ上げてきたいらだち」と訳す。たぶん蛇が鎌首をもたげるように怒りの感情がさっと湧き起こった瞬間を表しているのだろう。つまり「瞬間的な怒り」である。ま、「馬鹿」と言われて「何を!」と思うような怒りだ。大事なことは「怨み」ではないということ。
    https://sessendo.blogspot.jp/2016/06/blog-post.html

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著者プロフィール

1936年生まれ。京都大学文学部哲学科卒業、同大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。専攻はインド哲学、仏教学。著書に『北朝隋唐中国仏教思想史』『ブッダのことばから浄土真宗へ』、翻訳に『宝積経』『十地経』『世親論集』などがある。

「2015年 『スッタニパータ [釈尊のことば] 全現代語訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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