芭蕉の言葉 『去来抄』〈先師評〉を読む (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
4.33
  • (2)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062923552

作品紹介・あらすじ

「俳聖」と称される芭蕉ですが、不思議なことに彼自身の俳諧観を示した論は存在しません。藤原定家の『毎月抄』、心敬の『ささめごと』、世阿弥の『風姿花伝』のような著作はひとつも残されていないのです。あるのは紀行文や書簡、序跋のたぐいや評語だけです。それも片言隻句にすぎません。けだし芭蕉は論の構築、展開について考えるより句作の実際の行為に魅力を感ずるタイプだったのだと思いますが、後世のわれわれにとってはなんとも心もとない話ではあります。
 そうした「欠落」を補ってくれるのが支考、許六、其角、土芳らの弟子たちが書きとめておいてくれた「師のことば」ですが、なかでもっとも芭蕉の作句姿勢をヴィヴィッドに伝えてくれるのは、向井去来による『去来抄』です。
『去来抄』は〈先師評〉〈同門評〉〈故実〉〈修行〉の四つのセクションから構成されますが、本書はそのうち芭蕉本人のことばを記した〈先師評〉を読み解くものです。芭蕉が句作に求めていたものはなにかを問うことは、今日にあって俳句を実作する者にとってもきわめて有益な作業になるものと信じます。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 解釈に飛躍が目立つ。タイトルを降っているのは良好。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1943年愛媛県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。静岡大学人文学部教授、神奈川大学経営学部教授を経て、神奈川大学名誉教授。専門は、近世・近代俳論史。「鬼ヶ城」の俳号で実作も行い、俳句グループ「阿」の会の代表を務める。産経新聞「テーマ川柳」選者。

「2019年 『日本人なら知っておきたい美しい四季の言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

復本一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×