銃とチョコレート (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.40
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本棚登録 : 1964
感想 : 104
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933964

作品紹介・あらすじ

少年の旅は、甘くてほろ苦い。
切なさの魔術師・乙一の快心ミステリ!
作家活動20周年、傑作ついに文庫化。

大富豪の家を狙い財宝を盗み続ける大悪党ゴディバと、国民的ヒーローの名探偵ロイズ対決は世間注目の的。健気で一途な少年リンツが偶然手に入れた地図は事件解決の鍵か!? リンツは憧れの存在・ロイズと冒険の旅にでる。王道の探偵小説の痛快さと、乙一が仕掛ける意外性の面白さを兼ねる傑作、待望の文庫化!

この作品を書くすこし前にポーランドへ行く機会があった。アウシュヴィッツ収容所には立ち寄れなかったが、この国の地面で、それがおこなわれたのだとおもいながら石畳をあるいた。旅で感じたことを少年の冒険活劇に重ねようと決めた。作中で詳しく書いてないが、主人公の少年はユダヤ系の移民という設定だ。冒険活劇を書くのは、はじめてのことだった。自分にそんなものが書けるのかどうかもわからなかった。頭の中に想定した読者像は、小学生のころの自分だ。漢字のテストができなくて居残りして、脳に欠陥があるんじゃないかと思い詰めてうなだれている少年の僕にむけてこの本を書いた。―乙一

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの乙一作品。
    子供向けレーベル『ミステリーランド』で連載されていた作品。そのため、文体は子供向けで、かつ難しい漢字はほとんど使われていないため、読みやすい作品となっている。しかし、それは雰囲気だけであり、作品の内容はブラックなものとなっている。情報操作、差別・偏見、殺人など暗い描写がこれでもかと出てくるので、どちらかというと中高生向けの本だと感じた。
    正義の味方だと持て囃されたロイズは国家のいいなりで、札付きの悪だと評されるドゥバイヨルはなんだかんだ言いながらリンツとともに行動を共にしていくという所は王道ながらの面白かった。
    そして様々な感情がごった返しになる中でのエピローグはとても爽やかで、温かい気持ちになりました。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    リンツ:内田真礼
    ロイズ:諏訪部順一
    ブラウニー:稲田徹
    マルコリーニ:松岡禎丞
    ディーン:田村睦美
    デルーガ:瀬戸麻沙美
    ドゥバイヨル:伊瀬茉莉也
    デメル:三宅健太
    メリー:園崎未恵
    ガナッシュ:堀内賢雄
    モロゾフ:チョー
    ジャンポール:矢尾一樹

  • 児童書のような雰囲気に軽んじることなかれ。
    とってもビターでハイカカオな、チョコレートたちの奮闘記だ。
    しっかりミステリーで、最後もかっこいい。

  • 世界観と設定。最後までリアルに引き戻しません。小説です。

  • 名探偵VS怪盗、という王道スタイル。
    児童向けの探偵小説なのかと思いきや、意外とダークな部分が多くて驚いた。
    登場人物がチョコレートにちなんだ名前で可愛らしいが、やってる事は結構えげつない笑

  • タイトル通り銃が出てくるので
    子供向けミステリーながらハードな面もある。

    チョコにまつわる名前が多く
    カタカナの名前達だけれど覚えやすい。

    ひらがなも多め。

    283ページ(文庫)

  • 少年リンツのハラハラする冒険のお話。読みやすかったです。たたみかけるようなラストは一気読みでした。
    あ!そういうこと?!という展開あり。とても楽しめました。
    ドゥバイヨルの口の悪さが個人的にツボでした。(^^)

  • お母さんのキャラクターがなんかいいなぁ
    普通に面白いとは思いながらもなかなかページをめくる手が進まなかった
    星の数はフィーリング

  • 子ども向けに書かれたミステリーだが、大人が読んでも十分面白いものになっている。
    探偵、怪盗、宝探し、冒険。子どもの頃、ワクワクして読んだ王道の物語。
    多少なりとも過激な部分があるが、思い返してみれば、自分なんかも子どもの頃はこれくらいの物語は読んでいたなって思う。
    ミステリーでいえば、子ども向けのホームズとかクイーンの国名シリーズ。ホラーではフランケンシュタインとか。
    もし、本作を子どもの頃に読んでいれば、いま以上に本好き、ミステリー好きになっていたかもしれない。
    そう思うと、これからこの作品を読める子どもたちは羨ましい気がする。

  • 読みやすいと定評の小説と聞いていたので購入。
    「大悪党ゴディバ」や「名探偵ロイズ」などの登場人物があらすじに記載されていたため、最初は子供たちが好みそうな推理小説だろうと考えていた。
    実際は、リンツ君という純粋な少年目線で描かれた冒険譚。
    漢字が少なくひらがなが多いので、たしかに読みやすいが、中身の方はそこまでふわふわしたものではない。むしろ、ハラハラという表現の方が似合うくらいで、私のように思わず声をあげてしまうだろう。
    エキセントリックな行動をとるロイズや、乱暴者のドゥバイヨル、そして絶対にブレないリンツの母など、それぞれの人物に明確な色があるのが特徴的で、私は好きだ。

  • ファンタジーとミステリーの中間といったような雰囲気の本。
    登場人物が全員チョコレートのブランドの名前なのは面白い。
    しかし特にすごい盛り上がりやどんでん返しがあるわけではなく終わった。

    ディーンとデルーカとのその後がすごく気になったが、会わずじまいなのが名残惜しかった。
    できれば仲直りして、仲良し3人組のままでいてほしかった。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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