- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062935081
作品紹介・あらすじ
若き警察官の”正義”が、「軍艦島」内に波紋を広げる。わずかな土地に五千人以上が暮らす、通称「軍艦島」と呼ばれる炭鉱の島で、昭和三十四年少女の遺体が見つかった。島に赴任したばかりの警察官・荒巻は少女の事故死を疑い、独自に捜査を開始。島の掟を前に、捜査は難航するが、予期せぬ人物の協力によって、有力な証拠にたどりつくーー。吉川英治文学賞受賞作
感想・レビュー・書評
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一気読みした。
後半にいくほど面白くなって、嵐の中、犯人と対峙する所はハラハラした。
もちろん、事実とは異なるけど、軍艦島に生活した逞しい人たちを想像できて改めて軍艦島を調べてみたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
過去に実在した少し特殊な場所を作中世界の舞台とし、出来事の謎を解明すべく作中人物が行動する。そして如何なるのかということになる。
作中「H島」となっているのは「端島」をモデルとしている。長崎県の「軍艦島」という通称で知られている場所だ。本作は、過去のこの場所の様子を「舞台」として使っているが、作中での出来事等は、飽くまでもフィクションである。それはそれとして、独特なクールで美しい映像で綴られる映画でも観ているような感じで本作を読み進めた。
小さな連絡船で近くの別な島や本土との間を往来することが出来るのみの、周囲が1km余りの小さな炭鉱の島で、日本初という話しも在る高層アパートが建った経過が在る程に人口密度は高く、5千人以上の人口を擁している。こういう様子そのものが「創作」のようにさえ感じられるが、実在の「軍艦島」の様子なのだ。本作は飽くまでもフィクションであるが、島の様子、季節の催事というようなことに関しては、資料に基づいてリアルに描写されている。と同時に「他の場所と隔絶された感じの、狭い場所」での展開というのは、興味深い物語を産み出す装置となり得るであろう。
本作の物語は、街の料亭での宴席という場面から起こる。
県警の警察学校で校長を務める荒巻警視の退職が間近になっている。歓送会ということになり、多くの人達が集まった。県警の要職に就いているような人達から、一緒に仕事をして来た人達や、警察学校で荒巻警視の薫陶を受けた若手に至る迄が集まっていた。
宴が進む中、次第に退出する人達も多くなり、荒巻警視自身と、会の幹事役を買って出た永年の仲間である刑事部長、そして荒巻警視を慕う若手だけが残った。そんな状況下、刑事部長は「若い連中にあの話しを…」と言い出した。「あの話し」というのは、24歳の巡査だった荒巻が、「H島派出所」に勤務した日々の件である。
どのような日々なのか?少し夢中になる!! -
星4.5
吉川英治文学賞
一昔前のノベルスのような文体と内容だが、さすがに文章はこなれているし、飽きさせない。下巻へ -
軍艦島が好きなので思わず手にとってしまった作品。上下巻面白くて一気読みしました。フィクションとのことだけど、全部がノンフィクションかと思えるほど島の人たちの立場、心理等々真実味がありました。
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吉川英治文学賞作品ということで読んでみましたが、引き込まれるような展開に小説の面白さを実感しました。 本の面白さがわかってきた^_^
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軍艦島,1969年。小小的島上因為採煤住滿了五千人,世界密度第一。主角荒卷是24歲年輕的巡查剛到島上述職。島上分為職員、礦員和組夫,然而由於人口極度密集又互相認識,雞犬相聞,鮮少有警察派得上用場的時候,前輩岩本和不少人都勸他看到小事就睜一隻眼閉一隻眼,以免壞了島上的和平。此外組夫來來去去有特殊過去的人不少,由小宮山統合,然而礦員由於小宮山的強勢統合也對其力量有些顧忌。至於礦員的外勤在礦員、組夫糾紛產生時,例如片桐就會偏坦礦員,岩本也暗示主角,在這個島上公平並不一定是正確的事。
少女浜野失蹤後來在水裡打撈起來(土左衛門),醫師認為沒有可疑之處因此就火化,岩本也暗示主角不要再挖掘下去。然而組夫長谷川孝夫懷疑死因和死者的頭髮是否有問題,主角對他開始感到懷疑猜測他是否與兇殺案有關,假日在他回本土(長崎)時跟蹤他,經過調查才知道原來長谷川之前其實是東京的警察,只是因為腳受傷在戰後離職。此外主角並察知八年前亦有一個十三歲智能不足的女孩在水裡被打撈起來,並且已經懷有身孕。該案件與本件均為十三歲女孩,且頭髮均被剪了一小戳,而且均為滿月之日。主角因此懷疑此為他殺,然而詢問八年前已在此的外勤關根,明顯感受到其似乎在隱瞞什麼,然而一樣被恐嚇不要壞了島內和平。
第一次讀跟軍艦島相關的書,好難想像那樣的世界,一個狹長五百公尺的島上住滿了這麼多人加上礦坑,人口過度稠密加上雞犬相聞的世界,而且是異世界島嶼,想必有一種閉塞感,搭上本土的聯絡船前往本土,是大家喘口氣的唯一空間。描寫到颱風來了也很可怕,水是直接灌進建物物,衝上屋頂。作者的文章相當流暢好讀,期待下卷。難道少女被殺害是一種獻祭儀式? -
軍艦島という非常に特殊な環境の派出所勤務を命じられた巡査が、少女の溺死に疑問を持つ。
島に存在する労働者のヒエラルキーは、かつての士農工商や隣組、岡っ引といった社会制度との共通点が多く、ある意味では日本人気質なんだろうかと思いながら読んでいた。
当時の軍艦島の様子について全く知識がありませんが、本書の描写にはかなりリアリティを感じます。
先の展開が全く想像できないまま、物語は後半へ。 -
前半は軍艦島の状況、背景、設定などがメインで書かれている。読み手側としてはダラダラしてて読み進め辛いと感じた。しかし、読み進めるにつれて島内の登場人物設定や状況がどれだか重要かが理解できる。これから、この本を読もうとしてる方、前半で折れず読み進めてみてください。どんどんのめり込みますよ。
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うーむ、あまり面白い気がしないのだけど。賞を取るからにはイイ話なんだろうけど、こちらの問題か?
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軍艦島 特異な住環境の島に赴任した若い巡査。島で起きた事件が気にかかる。大先輩の巡査は島の社会に慣れきっていてそれ程気にしていない。
退職する警視が語る苦い事件はどこに向かっているのだろう