へうげもの 十一服 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062935128

感想・レビュー・書評

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  • 石田三成は立派だった。本作で好感度が爆上がった理由は数あれど、数寄が「わからない」という設定が作者を加速させたであろうことは想像に難くない。
    なぜならば、本作における古田織部の流石と言われる数々の「数寄」はどう見てもセンスがない。すごくないものを本作ではがんばってすごいものにしていると言わざるを得ない。
    つまり、古田織部の数寄を「わからない」石田は作者の一部を投影していたのではないか。
    京都のいやらしい公家文化にどっぷりとハマれた古田に、作者の無意識のアンチテーゼが三成を通して行われたのではなかったか。
    妥当性は乏しいかもしれないが、読了後にそんなことを思い浮かべてしまった。

著者プロフィール

1968年、新潟市生まれ。大学在学中、「ちばてつや賞」に『大正野郎』で入賞。同作品でコミックモーニング(当時)よりデビュー。『デカスロン』『度胸星』『ジャイアント』など、斬新な着想、大胆な描写で、一歩先ゆく野心作を続々発表。第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作『へうげもの』では、実在の武将茶人・古田織部の生涯を描き、「日本人」の価値観を深く掘り下げる。そして興味の対象は「文化」から「文明」へ、五百年前から五百年後へ。『望郷太郎』のはてしない旅が始まった。

「2023年 『望郷太郎(9)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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