- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062936309
作品紹介・あらすじ
「喫茶店を舞台にした作品でデビューした自分などは
居場所を追われてしまうのではないか、と慄きさえした」
--岡崎琢磨(「珈琲店タレーランの事件簿」著者)
衝撃のどんでん返し!
『謎解きはディナーのあとで』
本屋大賞受賞作家渾身の
ユーモア・カフェミステリ!
鎌倉にひっそりと佇む喫茶店「一服堂」の美人店主・ヨリ子は極度の人見知り。
だが未解決事件の話を聞けば、態度は豹変、客へ推理が甘いと毒舌のつるべ打ち。そして並外れた思考力で、密室内の「十字架」磔(はりつけ)死体など四つの殺人の謎に迫る。
愛すべきキャラクター、笑い、衝撃トリック満載の傑作短編集!
感想・レビュー・書評
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人見知りの美少女店長が、客が持ち込んできた春、夏、秋、冬の4つの殺人事件の謎を解いてしまうという連作ミステリー。その客たちは常連となって、最後に一堂に会する。最初の春の事件から30年後のことになる。4つのどの事件も強引過ぎて、ミステリーとしてはいまいちかな。ただ、最後の事件は、その特異さというか、臭さでちょっとおっと思う。
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鎌倉の何処か、古民家と見紛うレトロな純喫茶、その名は「一服堂」。そのオーナーこそ、名前どおりの安楽椅子探偵、「安楽椅子(あんらくよりこ)」さん、指折りのクセ強探偵です。探偵のキャラが濃いだけでなく、四つの猟奇的殺人のエグいトリック、事件の繋がりに仕掛けられた驚愕のトリックに唸らされました。
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東川さん、やっぱり好きです!四季、ということでそれぞれの季節に起こった事件なんだけど。ユーモアたっぷり、そしてほっこり。ゴリゴリのミステリーを読んで疲れたあとに、東川さんで癒されてます!
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貴族探偵の作者まで行かないものの、言葉のトリックというか...
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面白いなぁ。相変わらず面白いなぁ。
ユーモアに磨きがかかっている。
憎たらしい仕掛けまで用意してあって小憎たらしい。
すっかり短編専門作家になってしまった著者だが、こんな面白い話を4つで一冊なんてもったいない。まぁこれはそれありきの連作短編集なんだからそれはそれで良いのだけれど。
是非とも長編、長編の新作を、私は待ち望んでいるのです。 -
純喫茶「一服堂」を舞台にした連作短編集。
純喫茶というと日常の謎かと思いきや、
集まる事件は、猟奇的なものばかりという趣向がなかなか。
連作ならではのお楽しみもあり、サクッと楽しめるのでは。
「春の十字架」★★★
十字架の謎がなるほどと思う反面、ちょっと厳しいトリックに感じる。
「もっとも猟奇的な夏」★★★★
犯人は一発でわかるが、こういう田舎な感じの話は好き。
「切り取られた死体の秋」★★
トリックとして簡単すぎる。
ユーモアも少ない。
「バラバラ死体と密室の冬」★★★★
この話自体はそこまでの面白さはなく、むしろバカミスなのだが、連作短編としての仕掛けはまあまあ。 -
東川作品はこれがはじめてなので、他の著作との比較ができないのですが、どちらかといえばライトなものなんですかね。短編同士のつながりはなく(登場人物はつながっていますが)、人間関係やトリック自体も複雑なものではないのであっさりと読むことができました。
ただ、文字通りの安楽椅子探偵であること、また4つの事件はトリックこそなるほどと思わせるものではあるものの、犯罪にいたる動機や人の想い、あるいは事件に関係する人たちの人生的な背景、いってみれば”業”ですかね、そういったものは特に描写の対象にはなっておらず、ちょっと物足りないなと思いました。
単純に読みながらトリックはどうなっているんだろう、と考えるだけであれば楽しめる作品ということができるかもしれません。