世界の果てのこどもたち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062939027

作品紹介・あらすじ

珠子、茉莉、美子――3人の少女は、戦時中の満州で出会った。何もかも違う3人は、とあることから確かな友情を築き上げる。やがて終戦が訪れ、3人はそれぞれの道を歩み始める。日本、中国で彼女たちはどう生きたのか。そして再び出会うことはあるのだろか――。2016年本屋大賞第3位に選ばれた、感涙の傑作、ついに文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 2016年本屋大賞第3位。
    戦時中の満州で出会った珠子、茉莉、美子、3人の少女の、ほんのひとときの間、一緒に遊んで過ごしただけの3人の友情。
    その後の壮絶な人生。
    「中国残留孤児」言葉だけは何となく耳にしていたが、こうゆうことなのか、、と深く知る事ができた。
    「死」が日常過ぎて、読んでいて辛く重く、悲壮な表情の読者タイムだった。
    ただ、ラストに珠子が日本の産みの母との、、そのシーンは号泣、、。
    北朝鮮拉致被害の横田さん夫妻を想起させた。
    なんとも重みのある小説だった。

  • 2016年本屋大賞三位。
    過酷なエピソードばかりだったが、ラスト、また3人で穏やかにお茶を飲める、奇跡の様なひとときが眩しかった。

    入念に取材し、丁寧に紡がれた素晴らしい作品でした。

  • 最後は良い話に終わったけど、なかなか重たい話が続いて、読みながら辛かった。
    いまもウクライナなどの戦地では、こういう話が実際あるんじゃないかと思ってしまったな。

  • 戦後の過酷な運命を描いた渾身の一作 中脇初枝『世界の果てのこどもたち』 | BOOKS INTERVIEW 本の本音(2015.8.31)
    https://crea.bunshun.jp/articles/-/8571

    中脇初枝「世界の果てのこどもたち」書評 人生を支える「優しさ」の記憶|好書好日(2018.06.08)
    https://book.asahi.com/article/11599596

    【作品紹介】中脇初枝著『世界の果てのこどもたち』 - 高知県立文学館(2020.11.21)
    https://www.kochi-bungaku.com/5817/

    『世界の果てのこどもたち』(中脇 初枝):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000212873

  • これは良かった。
    初めて行きの電車で読み耽って降りそびれたくらい。(暑い中走って疲れたけど…)
    珠ちゃんとお母さんの感動の再会シーンだったから仕方ないよね。
    言葉も名前も顔も忘れてしまっても、やっぱり分かるものなんだね、そりゃそうだよね。

    日本で差別されていたよっちゃんと、中国で差別されたたまちゃんと、お嬢様だったのに家族を失い、施設暮らしだった茉莉ちゃんと。
    もしかして戦争がなかったら出会っていなかった3人。でも、戦争のせいで大変すぎる目にあった3人。
    八重ちゃんや武や、周りのいい人もいっぱい。でも名もない心無い人たちもやっぱりいっぱい。

    たまちゃん、日本に帰って来ないほうが良かったのかもとも思ったけれど、みんなに会えて、それが一番だよね、きっと。

  • 「珠子、茉莉、美子――3人の少女は、戦時中の満州で出会った。何もかも違う3人は、とあることから確かな友情を築き上げる。やがて終戦が訪れ、3人はそれぞれの道を歩み始める。日本、中国で彼女たちはどう生きたのか。そして再び出会うことはあるのだろか――。2016年本屋大賞第3位」

    「作家はたくさんの証言や残された書物から、戦争をとらえ直し、物語の力で伝えようとしている。被害も加害も一人の人間の中にあり、国に翻弄されてもなお、自分の中に他者を持ち、強制することもできると。それが希望だと思う。」

  • 成長と共に描かれているが、序盤は幼い子供目線の為か戦争の描写も淡々と刺さる。

  • それぞれの場所で生まれ、
    それぞれの生き方をしてきた3人の少女の物語。

    読んでいてつらい場面もたくさんありましたが、
    今を生きる私たちだからこそ
    知っておかなければならないことも
    たくさんあると改めて感じました。
    私たちが生きている時代には、
    様々な人が築いてきた過去があるからこそ
    成り立っているということを忘れてはならないと
    感じました。

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著者プロフィール

徳島県に生まれ高知県で育つ。高校在学中に坊っちゃん文学賞を受賞。筑波大学で民俗学を学ぶ。創作、昔話を再話し語る。昔話集に『女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし』『ちゃあちゃんのむかしばなし』(産経児童出版文化賞JR賞)、絵本に「女の子の昔話えほん」シリーズ、『つるかめつるかめ』など。小説に『きみはいい子』(坪田譲治文学賞)『わたしをみつけて』『世界の果てのこどもたち』『神の島のこどもたち』などがある。

「2023年 『世界の女の子の昔話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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