- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062939126
作品紹介・あらすじ
維新とは、志士とは何だったのか。池田屋事件で死んでいった志士たちを注目の歴史作家が熱く描く。「乃美さん、わたしは卑怯な男だ」――明治十年、死の床についた明治の元勲・木戸孝允こと桂小五郎は、かつての同僚に、事件の真実を語り始めた。池田屋で新選組に斬られ、志半ばにして散っていった各藩の志士たち。福岡祐次郎、北添佶摩、宮部鼎蔵、吉田稔麿。松陰や龍馬の周囲で懸命に生き、日本を変えようとした男たちの志とは。
感想・レビュー・書評
-
日本を変えたあの一夜を注目作家が描ききった!
幕末京都の池田屋騒動。福岡祐次郎、北添佶摩、宮部鼎蔵、吉田稔麿……松陰や龍馬の周囲で懸命に生き、日本を変えようとした男たちの魂の叫び。そして生き延びた明治の元勲・木戸孝允こと桂小五郎が語る真実とは。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
池田屋事件を志士たち側から描いた、連作集。
この手法は池田屋事件を多角的にとらえ、とても奥深いものを感じた。
桂小五郎の描き方が好きでした。
伊東潤さんの書く「龍馬」がちょっと出てくる場面は個人的に感動しました。 -
率直に言って面白かった。
タイトルから池田屋事件を一本の物語で描いていると思ったが、関わった人物をそれぞれ短編で描いている作品であり、これにより、この事件を奥行き深く表すことが出来ていると思った。各短編も丁寧に書かれており、また、短編に登場する人物を微妙に重ねて、次の短編の主人公を登場させるなど、短編であり且つ続きの物語であるような、上手い演出も施してると感じた。 -
池田屋事件が多角的に語られています。立体感を感じながら読み進められて、最後は意外な結末で考えさせられる一冊でした(^^)
-
池田屋事件に関わった5人の男達の、それぞれの視点から事件を描いた短編集。
劇的な事件だが、それぞれの一日が流れてる。
事件自体があえて細かく描写されてないのが、他の池田屋事件を描いた作品と比較して異質だが、逆にそれが良い。
そしてそれぞれにドラマがある。 -
連作された短編を集めた長編。
尊攘派の男たち(福岡祐次郎、北添佶摩、宮部鼎蔵、吉田稔麿。桂小五郎。)の、池田屋事件までの短編集。
明治十年、死の床についた明治の元勲・木戸孝允こと桂小五郎は、かつての同僚に、事件の真実を語り始めた。
池田屋で新選組に斬られ、志半ばにして散っていった各藩の志士たち
目次
二心なし(福岡祐次郎)
士は死なり(北添佶摩)
及ばざる人(宮部鼎蔵)
凛として(吉田稔麿)
英雄児(桂小五郎) -
まだ伊東潤さんを知って間もない頃に単行本で読んで、ページをめくる手が止まらなかったのを覚えている。「すごい歴史小説家に出会った!」と。あれから多くの著作を読んできたし(まだ全部は読めてない)、Twitterもフォローしたりしている。読書会とかにも行ってみたいし、魅力溢れる作家さんの本である。
作品は、それぞれの「池田屋」。自ら進んで行った者、駆けつけた者、逃げた者……
確かに死ぬのは怖いけれど、貫き通したいものがあるのも魅力的である。逃げては駄目だと思いながらも、やはり死は怖い。
人の迷いを見て、我も迷う。