私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback? (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1318
感想 : 114
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940610

作品紹介・あらすじ

富の谷。「行ったが最後、誰も戻ってこない」と言われ、警察も立ち入らない閉ざされた場所。そこにフランスの博覧会から脱走したウォーカロンたちが、潜んでいるという情報を得たハギリは、ウグイ、アネバネと共にアフリカ南端にあるその地を訪問した。
 富の谷にある巨大な岩を穿って作られた地下都市で、ハギリらは新しい生のあり方を体験する。知性が提示する実存の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 今回はウォーカロンの新たな形態(?)が現れる。生物、知性、感情といったことへの考察はなかなか興味深いけど、シリーズ全体の謎解きからするとちょっと寄り道感あるかな。
    6年前の作品でVR空間が出してくる先見性は流石。
    ところで、デボラの無敵感が凄いんだが、今後どう展開させるんだろうね。

  • どこからが生きていて、生きていないのか、ここまで未来に存在していたら確かに考えてしまうかもしれない。でもじぶんが生きているのか考えるのは生きているものだけ。なるほど、と思わされました。

  • 後半はデボラの痛快電撃活劇!みたいな感じだったけど、あのスピード感は好き。
    エピローグのやり取りはSMシリーズのようだったなあ。「幻惑の死と使徒」を思い出した。

  • テルグに閉じ込められるところは想像できてしまって、その状況に陥るまでにドキドキしてしまった。普段隙のないチームワークなのに、あそこでアネバネも入ってきちゃうのはあまりに杜撰すぎる展開でびっくりした!!
    物語で展開される生命の定義に関するそれぞれの立場からの考察は興味深く、読みながらふわふわと考えたりして、楽しかったです。
    エピローグのデボラとハギリの掛け合いが素敵でした。お花、渡してみてほしいなぁ笑

  • Wシリーズ5冊目。
    生きているから「生きているのか?」という疑問が生まれる。脳だけでボディを捨てたウォーカロンの谷。夢の中で仕事をして、起きている間は自由に暮らす。管理してくれる人がいれば、ボディの病気を心配する必要もないし、物を食べてエネルギーを補給する必要もない。うらやましいかと言われると、否だね。そもそも長生きに興味はない。でもああいう世界は嫌じゃないかも。
    それにしてもデボラを呼び出すことを思いつくってやっぱり主人公はすごいね。

  • Wシリーズ第5作目
    タイトルの通り、生きているとは何なのか。
    感情を持つこと、生きているとは何かを自問すること。
    その答えはまだわからないのが生きているということなのかという禅問答のような葛藤が描かれていた。
    人工知能が発達した世界において、人が人の体を持って生きる意味とは何かを考えさせられた。
    喜怒哀楽や嫉妬などの感情がある限りは脳だけのバーチャル世界には居たくないなぁと思った。
    前作に登場したデボラが今作も大活躍し、ハギリ先生と仲を紡いでいるのが印象に残った。
    また、ウグイが初期とは違い、人っぽさをハギリ先生に前作の最後から見せ始めたのが好き。

  • 220617*読了
    今回の舞台はアフリカの秘境。
    洞窟で暮らすウォーカロン、そしてそこで行われていたのはウォーカロンの頭脳だけを取り出して、仮想世界を作ることだった。うー怖い。
    自分の肉体がなくなって、仮想の世界で生きられることになったら、何をするだろう。
    今の自分の夢がなくなってしまいそう。何もかもがコストをかけずに実現できるわけなので。
    そんな世界でも私は大好きな読書をしたいと望むのだろうか。むしろ、読書以外しないかもしれない。
    と思うと、やはり夢が叶えやすい環境と言える。
    自分がもう死んでしまう、という時に脳だけになって、仮想世界に飛び込むのなら、いいかなぁ。
    やっぱり怖いけれど。

    命とはなんなのか。ハギリ博士も考え続けているけれど、私も読みながら考えさせられました。

    デボラとのやりとりが段々と友情に変わってきていて、おもしろい。
    実態のないネットワーク上の存在なのに、生きているように感じられる。本当に生きているとは何なのでしょうね。

  • 読むのに時間がかかったけど、面白かった〜!生命工学がここまで発展した世界だと、こういう展開になるんだなぁ。純粋に面白い。
    デボラがとても心強いし、良い友達で嬉しい。ウグイも可愛らしい。デボラとの最後の掛け合い、とってもほっこりする。

  • f.2017/5/10
    p.2017/3/31

  • 脱走したウォーカロンたちが潜んでいるという情報を得て、アフリカ南端にやってきたハギリたち。「富の谷」と呼ばれる地下都市でハギリたちは新たな生のあり方を体験します。
    人間とは何か、生とは何かを問う、Wシリーズ5作目。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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