マスコミは、もはや政治を語れない 徹底検証:「民主党政権」で勃興する「ネット論壇」 (現代プレミアブック)
- 講談社 (2010年2月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062950572
作品紹介・あらすじ
総選挙分析、八ッ場ダム、記者クラブ開放、亀井徳政令、そして小沢一郎の政治資金問題-。新政権報道で、浅はかな論考しか流せないマスコミに対し、ロジカルでリアルな議論を展開するネットメディア。今後、ジャーナリズムの役割を担うのは、新聞やテレビではなくブログやtwitterだ!まもなく世界は変わる。
感想・レビュー・書評
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とりあえずの感想は、よくいろんなブログを読んでるなぁということ。ブログだけじゃないな、新聞など既存メディアも、ネット論壇もしっかり見ていて、それを冷静に比較する能力はすばらしい。
ただ、今後インターネットが大きな力を持ってくるのは明白ではあるが、その流れは急速ではないだろうと思う。やはり若い世代ほどインターネットに慣れ親しんでいるので、時代とともに移り変わっていくのだろう。
2ちゃんの議論などを引用するのは、おやじの居酒屋議論を彷彿させる。ブログでの冷静な分析はなるほどなと思うことも多いが。政権交代の流れを、建設業界や投票行動から分析するのは面白かった。また、記者クラブにいることでインナーサークルが世界のすべてになるというのも興味深い。それはどんな世界でも同じで、まさにインターネットの2ちゃんやSNSでも同じことが言えそうだ。
後段の「一般意志」の話は、読んでいて眠くなったがおもしろい考察ではある。ただ、どういうアルゴリズムをくんでも「一般意志」を決めるには恣意性があるのではないかと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2009年政権交代当時のブログ論説、ネット世論に関する考察、マスコミ批判など。積読している間に賞味期限が切れちゃいましたが、あぁあの頃はこうだったよなぁ的な懐かしさもあり。
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民主党政権誕生時のblogなどで発表された投稿群を、ちょっとしたコメントとともに紹介した本。
これが最近この界隈の人の言うキュレーションなのだとしたら、別に佐々木氏がしたものを僕は欲してないなと言う感じかな。
そいえば、氏がアメリカの新聞(引用元不記載)で引用していた「フェースブックは大家族制を復活させている」ていうのはちょっと良かった。 -
● 利益誘導が行われなくなった結果、支持基盤は消滅して有権者は浮遊化した。
● 「かっちょいい絶望」というのはとても素敵な表現で、評論家だけでなく、これまでのマスコミ言論の特徴を非常にするどく言い当てているように思える。
● 鈴木が天才的なのは、このイシューごとの投票にさらに「票の分割」「票の譲り渡し」というまったく新しい概念をまとめて持ち込んだことだ。
● 「検察のリークで紙面や番組を作っている新聞やテレビに検察批判ができるのか。」河野太郎 -
最近の政治ブログ上の論調とテレビの論調の比較がメイン。ただ民主党政権になって3ヶ月間くらいの間の出来事をまとめてあるので、すでに内容が古くなっている感じ。政治ものは書籍としての賞味期限が短い。6月、菅政権になってからの著者の考えを読みたい。
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引用が多くてまじめに読んでると疲れる。
でも最後の方に出て来たルソーの考え方が面白かった。一般意志、個別意志、全体意志の話。
「中途半端な知識を持つ人々による投票よりも、有能な独裁者の決断の方が一般意志をよく反映していることもある。」
特に現代においては、確かにそれも言えるかも。なるほどと思った。でもなんだかんだ投票は極端な思考への抑止力になるから必要。
「それぞれの結社の意志はその結社の成員にとっては一般意志だが、国家にとっては個別意志となる。一般意志のためには結社をつくるべきではない。」
これも確かにってかんじだけど、日本にはゆるやかな形での結社は不可欠だと思う。今までの体制を考えると。 -
この人の本は最初面白いのに尻すぼみだなー 残念
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ブログやSNS、ツイッターなど今の社会背景が生んだ現象が、メディアの存在意義を脅かしている。それはマスコミがなんの努力も行っていないようにも感じ、そして発行部数、視聴率を重視した結果なんだなって感じました。はっきり言って全ての情報はwebの方が早いのですからね!あと最近のマスコミはweb上の情報はまったくリリースしないのにやや腹立たしくなりましたね。一度は読むべき本かもしれません。