ただし少女はレベル99 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062990097

作品紹介・あらすじ

学校で出屋敷市子は「カッパー」と呼ばれている。彼女のまわりではありえないことばかりが起こるからだ。だからカッパー、デビッド・カッパー・フィールド。同級生の葛葉芹香が撮った写真に偶然写りこんだ市子は、その写真を消去するようにと芹香に迫る。消し忘れているうち、小さな幸運が次々と市子に舞い込むが、それは凶事を呼び込む幸運の無駄遣いだった……。博学天狗にもふもふ狐ほかも登場するオカルティックファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • こるものさん初読みです。
    タナトスが気になりながら、冊数が出ているのでとりあえずこちらを。

    妖怪モノは好物なので、まずまず楽しめたけれど、拾いきれないほどのアニメネタやらサブカルネタを、笑うべきか呆れるべきか。
    カッパーフィールドな美少女・出屋敷市子を取り巻く妖怪+α。
    なかでも、戦艦大和で終えるはずだった生に諦めがつかず天狗になった史郎坊さんが素敵。
    六道輪廻を外れて現世にいる理由が、世を呪うためでも世界平和を守るためでもなく「国会図書館で円城塔とバチガルビを読みながら、安部公房と埴谷雄高と伊藤計劃が輪廻転生して新作を著すのを待つためじゃ!」という(笑) 
    他にも、ちょっとおバカな双頭の白蛇兄妹、可愛いもふもふ要員その実態は黒すぎるお狐さま、ずれた親馬鹿の父親などなどが。

    ある意味、ループものだけど、1~4話が輪になっているというより、1・2・3話/4・1話~エンドレスな感じ。

  • 「本気で仏道を究めたりしてはいけません、逆効果ですから」って生れて初めての思想で最高だった

  •  毒舌が鈍いような? はてどうだろうか。
     とりあえず、油断してたら出屋敷先生かよ!ってなる。短編連作なんだけど、実は1話1話重い。そしてタナトスシリーズを読み返したくなる。作戦か。

  • 出屋敷市子シリーズ第1作で4編収録。
    先日5作目を最初に読んだので1から読むことに。変な順番で読んでしまったため、市子がだんだん人間らしく変化していくのだろうというのがよくわかったし、タイトルがレベル99から1ずつ下がっていくのも納得。
    天狗のおじさんがいい味をだしている。タナトスシリーズの湊さんが登場したのは驚いた。
    ラストの話のアニメ、サブカルネタはちょっとついていけなかった。

  • 汀さんのは初でしたが、次はないです。
    読みやすい文体だけど、内容がゴチャゴチャしてて頭に入りませんでした。

  • 図書館で棚を眺めてて当たりを引く確率は年に1回もないと思う。嬉しいなあ。道明寺は知ってたけど長命寺は知りませんでした。私も道明寺派。あっちこっちからいろんなワードが引っ張り込まれてて全てを理解するのは無理。久しぶりに若い人の小説だぁ、と思ったらそんなに若くなかった。
    ところで99はレベル上限?それとも1不足?

  • めちゃくちゃ面白かった。
    現代オカルト怪異譚。とはいってもホラーではなく、なんというかファンタジー?みたいな。分類に困るやつ。
    タナトスシリーズと世界観が繋がっている。
    チート少女の話であり、めちゃくちゃ近代のオカルト話といった趣。妖怪がぞろぞろ出てくるわりにみんななんかモダンなのでわりと普通に溶け込んでいる。いや全然普通じゃないのだけれども。
    そうして多分これはチート少女が少しずつ人間に近づいていってしまう話でもあるのだなあと思う。この続刊のタイトルで少しずつレベルが下がっていくように。
    一話では人外だったヒロインが、友達ができて、あんまん食べて、父親とモメて……と「普通」を感じる度に笑ったり必死になったり泣いたり拗ねたりと人間らしく振る舞うようになってきていて、それが読者であるわたしには少しだけ物悲しく、でもこれから人の世を生きねばならぬ少女には望ましい変化で、読んでいてちょっと切なさを感じた。
    とはいっても軽快ないっそドタバタ劇みたいな展開めちゃくちゃいい。最後の話が好き。ぶつんと終わって尻切れになるところが更にいい。

  • 「世界を守り終わった」少女が、フツーの学校にやってきたら……どうなる?力をまてあましている彼女は最初はいろいろ無茶したりしていましたが、落ち着いたのかな……?と思ったら、ラストそんな展開かよ(笑)。んもー、汀さんたら……。とちゅうまでの学園ものぽいところは面白かったです。いつもよりはダークは抑え気味で、ミステリもなしに近く。

  • 個々のキャラ設定は独特でキャラが凄く立っています。
    Lv99少女である市子が主人公では無いせいか、どうも物語が遠い感じ。
    キャラが濃すぎるくらいなのであれこれ勿体ない。

  • 妖怪モノかと思って読み始めたら
    現代を舞台にしていることもあり、リアルな
    時事系とか芸能系とか、はたまた年代問わず
    本の話やアニメの話とかまで組み込まれていて
    ファンタジーなのにファンタジーにならない
    違和感を感じてしまった。

    天狗がハッカー(クラッカー)的な能力持っていたり
    はたまた元SATだったりと今までにない
    新しい設定も面白かったけど、
    それ以外の所がノリ切れなかったかなぁ…という感じだった。

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著者プロフィール

1977年生まれ。大阪府出身。
追手門学院大学文学部卒。
『パラダイス・クローズド』で第37回メフィスト賞を受賞し、2008年にデビュー。
以来、「THANATOS」「完全犯罪研究部」「レベル99」シリーズ上梓のほか、ドラマCDのシナリオも数多く手がける。
2018年に上梓した『火の中の竜 ネットコンサルタント「さらまんどら」の炎上事件簿』 (メディアワークス文庫)が、新聞や小説誌の書評コーナーに取り上げられ、大きな話題に。
近著に『レベル95少女の試練と挫折』『五位鷺の姫君、うるはしき男どもに憂ひたまふ 平安ロマンチカ』『探偵は御簾の中 検非違使と奥様の平安事件簿』『探偵は御簾の中 鳴かぬ螢が身を焦がす』『FGOミステリー小説アンソロジー カルデアの事件簿 file.01 』(共著)などがある。

「2022年 『探偵は御簾の中 白桃殿さまご乱心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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