誰がそれを -田中相短篇集- (KCx)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 560
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063806021

作品紹介・あらすじ

この幸福感は、まぎれもなく本物。
「加古里・スズシロ」「風の吹く吹く」「あしたの今日子」「庭へゆく」に加え、同人誌で発表された「恋する太陽系第三惑星地球在住13歳」「THE WORLD」、そして描き下ろしとなる「その後の加古里・スズシロ」を収録。紡ぎ出される人間は、こんなにも愛おしく温かい。鮮烈なデビューを飾った著者の原点を知る一冊!

この幸福感は、まぎれもなく本物。「加古里・スズシロ」「風の吹く吹く」「あしたの今日子」「庭へゆく」に加え、同人誌で発表された「恋する太陽系第三惑星地球在住13歳」「THE WORLD」、そして描き下ろしとなる「その後の加古里・スズシロ」を収録。紡ぎ出される人間は、こんなにも愛おしく温かい。鮮烈なデビューを飾った著者の原点を知る一冊!

感想・レビュー・書評

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  • 全ての短編が私好みでした〜

    当たり前の日常が角度をかえて非日常になったり、ふとした瞬間にちがった世界になっていたりと頭の想像力をシャッフルしてくれます!

    「あしたの今日子」がよかったな〜

    「加古里・スズシロ」も好き〜


    ぜひ〜

  • 良質短編集。
    十数年ぶりに再会した同級生が女装でゲイになっていて二人でタイムカプセルを開ける話とか、夢に出てくる庭を探しに(歩いて)行く話とか、淡々として感情の起伏がないお話たちです。
    良い意味で大人向けだなーと思う。

    同人誌からの再録があるとのことですが、同人でコレ読んだら天才だ!と思ったろうな。

  • 「誰がそれを」というタイトルに惹かれ、初めて知る漫画家だったけど思い切って手に取ってみた。独特の世界観に即引き込まれました、今まで田中相という漫画家を知らなかったのが勿体なかった!と思うほどだ。
    それぞれにテイストの違う短編だけど、一貫して不思議な浮遊感に満ちている。寂しく切ない一方で、そんな感情をどこか面白がっているような。
    ありふれた日常でも、ちょっと視点を変えると知らない世界が広がっている。過去・現在・未来の境目が曖昧になるような、余韻にいつまでも浸っていたくなる一冊。
    他の作品も近いうちに読んでみるつもり。いい出会いをしたわ~。

  • どこで勧められたのか何の記事で読んだのか、一切忘れてしまったけれどショッピングリストにずっと残ってた本のひとつだった。こういう質感の短編集はざっくり言えば「いっぱいある」ので、本当はかなり飛び抜けたものがないと少し難しい。その意味ではインパクトに物足りなさがあったけれど、テーマの選び方も、作劇のテクニックだけでない所でキャラクターの心情を積み重ねてゆくところも丁寧で、やわらかなグラフィックも相まりとても良かった。個人的には「THE WORLD」がお気に入りです。

  • 少し躓いて、また歩きだす。人生の小さな岐路を描いた短編集。
    印象的な瞬間の魅せ方が本当に上手いです。間の取り方も絶妙。主人公たちの小さな変化、覚悟、決意を絵が伝えてきます。ドラマチックではないし、アクションもないけど、爽快です。

  • 初めて読んだ田中相さんのコミック。
    日常のことなのか非日常のことなのか分からないんだけど、なんかすーっと心に残る感じ。良い作者さんだな、って素直に感じた。

    幼馴染に10年ぶりに会ったら女になっていたり(インパクト大!)、日常への執着が凄くて非日常を嫌う女の話、中学生の可愛くて変わった恋愛?だったり。さまざまな表情や一面、感情があった。だけど全てにおいて言えるのは、これはみんなの成長物語だということ。色んなことがあるけれど、みんなが成長し前進していく模様が読み取れるから心に残るんだろうな。

    他の作品も是非とも読んでみたい!

  • 大人向けだなぁ
    この人の作品を今まで読んできて常々、思っていたが、今回の短編集はそれが顕著に出ているのではないだろうか?
    大人向け、と言うと要らぬ誤解を招いてしまいそうなので言い換えるが、描き手が作品に籠めた思い、詰めた感情、伝えたい意図を半分以上は受け止められる読解力の高い玄人向き、か?
    全体的に、こう・・・熟成酒のような雰囲気が漂っていて、気を抜くと一気に持って行かれそうになる。ある意味、ゆっくりしたい時には読んじゃいけない漫画
    しかし、人生について、ちょっと真面目に考えたくなった時には手に取ってみるのもいいかもしれない
    『加古里・スズシロ』&『その後の加古里・スズシロ』・・・世の中、男と女の間に友情は成り立つのか、そのテーマで熱い論議が展開される事も少なくない。私としては、「成り立つ」派に賛成だが、この話を読んで「特殊な条件」が絡んだ場合に限るが、と付け加えたくなった。距離にも時間にも長いものを置いてしまったとしても、外見が大きく変わっても、二人の間に確かにある絆と呼ぶには気恥ずかしすぎる『何か』は変わらない、だから、そこに同性との間に芽生えるものと同じ、友情はしっかりと成り立つ、と私は思う(と言うよりかは信じたいし、成り立つ方が何かと面白いじゃない、と考えている性質です)
    『風の吹く吹く』・・・自分を取り巻く環境がわずかでも変わってしまうのを怖れて「変わりたくない」と願う強さ、自分を取り巻く環境を少しずつでも構わないから変えていきたいと想う強さ、どちらが勝っている訳でもないが、極端な結論を言うなら、無変化はよろしくない。“小さな”変化が齎す“大きな”変容に対する恐怖でそこに足を止めてしまってもイイ、ただ目だけは動かして周りを見ていれば、きっと、また歩み出す勇気を得られる
    『あしたの今日子』・・・今日びの純愛ロードを突っ走る女子高生は可愛くて、男なんて足元にも及ばないくらいに強いです、真っ直ぐに生きてます
    人間、下手に人生経験を半端に積んじゃうと、変なプライドが鎌首をもたげちゃうもんなんですかね? そんで、いざ手元から擦り落ちてしまってから、それが自分にとって大事だったのか、を痛みで思い知る
    「たのもォ!」は肚にズンッと響いてイイもんでした
    『THE WORLD』・・・少し手が出るのが早く、言葉が足りないにしても、大山さんが持ってるプロ意識は高潔なもので本物だと思う。どの仕事に就いてもそうだが、長続きさせるコツはその仕事だけの、他の職種にはない楽しみを見つけることなのかもな
    『恋する太陽系第3惑星地球在住13歳』・・・他の作品と違って、鳥肌が立つ怖さがあった・・・純すぎる「好き」は人を狂行に走らせるな
    『庭へゆく』・・・よく言われますが、忘れるってのは人間だけの特権だ、と。辛い事をずっと覚え続けていたら、前には進めないから記憶の海の底に沈めてしまうのだ、と。だけど、人間、単純に出来ているからこそ、忘れる事なんか簡単には出来ず、逆に何度も思い出してしまうショックな現実がある。そんな時は、どうすればいいのか? やり方は人それぞれだと思うが、作中のように『大切な場所』に足を運んでみるってのもイイかもしれない。ごくごく普通の代わり映えのしない風景を前にするからこそ、大きな悲しみはいとも簡単にスコーンと頭の中から抜ける時もあるのだろうから
    奇抜でなく、緻密な心理描写を描かせたら、この先生は本当に凄い。あと、個人的な感覚なので、引かないで欲しいが・・・手が凄いスキ

  •  雰囲気がめっちゃ好きです。庭に行くお話のちょっとした冒険と、なんにもないけど楽しかったみたいな雰囲気が特にええな〜思いました。

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  • 2012-12-7

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著者プロフィール

たなかあい/三重県生まれ。 漫画家。 『千年万年りんごの子』で第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞。 そのほかの作品に、 短編集『地上はポケットの中の庭』、 長編『LIMBO THE KING』『その娘、 武蔵』(すべて講談社)などがある。

「2021年 『怪奇漢方桃印 なかなかやばいの 違反解除湯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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