君に謝りたくて俺は (講談社ラノベ文庫)

  • 講談社
4.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 26
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063816174

作品紹介・あらすじ

今井健人は息を呑む。入学式を終えて教室に入った健人が教室で見つけたのは、小学校で少しの間だけクラスメイトだった、そして健人がいじめてしまっていた少女、明日葉待夢だった。忘れられない苦い思い出に直面する健人だが、当時からちょっと不思議な――だから浮いてしまっていた待夢と、改めて仲良くなっていく健人。だが、彼女に対する罪悪感は募っていく。謝るということは、自分が昔いじめていたと知られてしまうこと。その気持ちを抱えたまま、待夢と過ごす日々は甘くて、でもほろ苦くて――。ピュアストーリー、開幕!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • かつていじめていた相手と再会,先方はいじめていた当人と気づかず親密になり,こちらは一方的な罪悪感に苛まれる…というテーマ.実は先方がいじめられる原因となった特質は病気に類するものなのだが,最終的にはその原因や解消といった部分にも踏み込んでいく.個人的には前半のテーマが中心と期待して読んでいたので後半はやや蛇足感もあったが,全体としては綺麗に収まった作品だと思う.普通,親密にしていた相手が実は過去のトラウマを植え付けた相手だったと知れたら,やはり以降はどうしても距離を置かれてしまうと思うが,過去に対する償いを未来の関係の中へ肯定的に昇華した待夢は,よく成熟しているなと思った.

  • 主人公の今井健人は高校の入学式が終わり教室に入ると、小学校時代に2ヶ月だけクラスメイトだった明日葉待夢がいることに気がつきます。健人はその小学校時代にクラスから浮いた存在だった待夢をいじめていました。しかし、待夢は健人のことを覚えていなくて、謎の記憶障害に悩まされていました。次第に仲良くなっていく健人と待夢ですが、健人は罪悪感から謝りたいと思いながら、なかなか謝ることができません。過去にいじめていたことを思い出されると、待夢との関係が終わってしまうから。過去の大きな事故がきっかけとなった秘密が、二人を結びつけます。
    健人と待夢のイチャイチャ描写は恥ずかしくなりますが、軽く、楽しく読めます。

  • 高校で今井健人が再会した明日葉待夢は、小学1年のとき健人がいじめた不思議な言動をする少女だった。再会して待夢が「記憶が途切れる病」に罹患していたことを知った健人は、いじめた罪悪感から彼女を気にかけるようになるが、いつしかそれが恋心に変化して…。「待夢の病」の真相がタイムリープであることを知るに至り、「悲惨な過去」は変えられないけど、「悲惨に至らぬように」未来は変えられると奔走する二人の姿がとても眩し映る青春小説でした。ご都合主義過ぎるだろとか、そんなのは気にしない。だってハッピーエンドって最高じゃない?

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

キャリア26年の小説家。ジュブナイルポルノ、ライトノベル、時代小説などを書くかたわら、専門学校で小説の書き方を教えたり、奈良で小説教室を開いたりしている。

「2023年 『「悪魔のささやき」で書く短編小説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

わかつきひかるの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×