少女不十分(1) (ヤンマガKCスペシャル)

  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063827835

作品紹介・あらすじ

作家志望の大学生だった僕が通学中に見た衝撃の光景。それは交通事故の瞬間だった。トラックにひかれた小学生。だが本当の衝撃はその後だった。一緒にいたもう一人の少女は、ゲームをセーブしてランドセルにしまい、それから友達の死体に駆け寄ったのだ。何かがおかしい‥!! これが僕とUという少女の不十分な無関係の始まりだった──。

これは物語ではない。事件であり出来事だ。小説家の主人公は10年前、小学4年生の少女に拉致監禁される。作家志望の平凡な大学生が過ごす奇妙な少女との1週間に及ぶ監禁生活の行方は――。西尾維新の異色文学作品を、「さんかれあ」のはっとりみつるが奇跡のコミカライズ!!

感想・レビュー・書評

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  •  西尾維新の同名小説のコミカライズである。私は西尾さんの著作には触れたことがないため、ここでは純粋に漫画として読んだ感想を残しておく。

     本作は作家である主人公が、まだ作家としてはどこかが欠けていた作家志望の大学生だった当時にある少女と出会い、拉致監禁されたその思い出を語る物語である。
     全体的にモノローグによって物語を展開しており、出会った少女をイニシャルで呼ぶところや、モノローグが多分に含まれているところなど、かつてあった「事件」への回想と言う世界観がよく表現されている。全体的に黒を多用した描き方、細い線なども回想のニュアンスを強めている。
     物語として見れば動きは少ない。出会い、監禁され、食事を提供され、その際に挨拶のことで激昂される。ただそれだけを、これだけ鮮やかに描いてくれるのだから、やはりはっとりみつるさんは上手いなと感心させられた。

     物語に惹き込まれた感触、手触りは非常に良かった。ここでは先々への期待感も含めて星五つで評価している。

  • 西尾維新の原作のカバーイラストに惚れかけた身としては、コミカライズ歓喜。
    ましてやさんかれあの作者だなんて。
    目の前で轢き殺された友達に、ゲームボーイをセーブしてから駆け寄った少女が、目撃者の語り手を、抜け道たっぷりに残しながら監禁。
    挨拶へのこだわり。
    これから一週間の関係が始まる。
    楽しみ。

  • "モンスターではない少女がモンスターになってしまう可能性は大いにある……
    実際ああいう子は作家にでもなるしかないのだ
    僕がこのとき 作家を志していたように"

  • 主人公のモノローグがとても多い。
    お友達が車にひかれてもゲームをセーブして、カバンにしまってから駆け寄る少女。
    少女自身もこの行動が不自然だということに気付いているのか目撃者の主人公を誘拐…。
    誘拐された場所からみえる少女の生活が不憫で虐待を匂わせることがなんだか切ない気持ちになった。
    続きが気になる。

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著者プロフィール

「さんかれあ」(全11巻 講談社刊)「綺麗にしてもらえますか。」(~5巻以下続刊 スクウェア・エニックス刊)

「2021年 『かいじゅう色の島 1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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