スモーキング(3) (ヤンマガKCスペシャル)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 13
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063828610

作品紹介・あらすじ

佐辺ジィ、ゴロ、八丁、ヒフミンからなる4人の殺し屋集団『スモーキング』は、とある公園にてホームレス暮らしをしながら、この世にはびこる悪党どもを裁く、裁く、裁きまくる――。絶好調の今巻では、佐辺ジィ、15年来の因縁の男との対決や、入れ墨収集家のヤクザ親分との交渉劇に、八丁やゴロをめぐる悲しき女の物語など、悪鬼粉砕の6編を激収録――。曲者ばっかの血煙アウトロー劇場、堂々第3弾、話題騒然大出撃です!!

感想・レビュー・書評

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  • ハッキリ言える、この『スモーキング』、確実に『職業 殺し屋』(西川秀明)の肩を掴んだ、と。次巻では、振り向かせるだけの力を見せてくれそうで楽しみだ
    決して、『職業 殺し屋』の質が劣っている訳じゃない。毒で毒を制す、ダークヒーロー系の作品に限って言えば、間違いなく、トップ3に入るだろう
    そんな作品に追いつける可能性が出るほど、『スモーキング』もとい岩城先生の実力がメキメキと上がっているんだろう
    岩城先生の努力も当然ながらある。しかし、担当編集さんのサポートもあってこそだな、と私は感じた
    正直な感想を言えば、この『スモーキング』は、週刊ヤングマガジンに掲載されているからこそ面白さが高まっている、と言える。ヤングサンデーとヤングチャンピオンはリアルタイムで読んでいないから何とも言えないが、少なくとも、週刊ヤングジャンプでは、間違いなく、他の作品に競り負けていただろう
    週刊ヤングマガジンを、戦いの場に選んだ岩城先生の判断は正しかった。同時に、岩城先生をこの雑誌で育てる覚悟を持った担当さんにも賞賛の拍手を贈りたい
    この(3)は、どちらかと言うと、チームと言うよりも、個々に焦点が当てられている話が多い
    個の才を活かし、仕(死)事を成功に導く展開もイイが、悪人すら怖れを抱く闇の所業に身を委ねながらも、心までは外道と染まらず、むしろ、人間らしいままでいる彼らの強さを、肌身に感じる事ができる話だった
    守りたい人間が出来ると、処刑人は弱くなる。だが、その弱さを抱えてこそ、人は成長できるのではないか。八丁さんも、ゴロさんも、女の為なら、いくらでも無茶が出来る。やりすぎの感があるってのは否定できないにしろ、保身を優先して、女を見捨てるクズよりはマシだ
    スモーキングの言動は心温まる、とも言えないが、生きる世界が表でも裏でも、自分の中に頑として曲げない芯が一本、しっかり通っている人間ってのは、理屈抜きで怖さを伴ったカッコ良さを宿すようになるんだろう
    どの話も、この手のアウトロー漫画にグッとくる人間としてはお勧めしたいが、あえて、一般向きじゃないものを選ぶなら、ダントツで第16話「哀れな毒蛇」だ。大将の器じゃない男の下に就いちゃうと、ロクな目に遭わないって訓戒がある。また、欲に振り回され、他人を好き勝手に支配し続ければ、ふとしたタイミングで、自分自身が支配される側に回されるって現実も、人は知っておくべきなんだろう
    この台詞を引用に選んだのは、年の功と言っちゃ失礼だが、円熟した渋味の滲んだ、アダルトな男の格好良さが、これでもかってくらい出ているので。色恋の意味でなく、同じ男として惚れざるを得ない色気が、佐辺さんにはある。この人に比べたら、私なんぞ、まだまだ若造どころか小僧もいいところ。努力と発想力、そんで、胆力を磨いて、せめて、佐辺さんの影が見えてくる位置まで登ろう

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