痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム (ブルーバックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065020074

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  • 痛覚には、熱いものに触れたとき、反射的に手を引っ込めるという単純なパターンの「感覚的な側面」と、不安、恐怖、過去の記憶などの影響を受ける「情動・感情的な側面」の二面性があります。痛覚の感覚的な側面は、生物がもつ基本的な警告反応の1つで、種の保存、生命の維持に不可欠な機能です。一方、痛覚の情動・感情的な側面は、さまざまなパターンがあります。

    私たちが受ける刺激は、皮膚の下の侵害受容器を活性化させ、感覚神経を通って脊髄に伝わり、大脳で痛みとして認識されます。誰もが日常生活のさまざまな場面で体験する「痛み」のメカニズムを解説していきます。

    第1章では、慢性痛を抱えるすべての読者に関係する「痛みを理解するうえでの基礎的知識と現状」をわかりやすく説明されてます。第2章では、「痛みがどのように生じ、脊髄に伝えられるのか」という感覚面について詳しく説明されています。第3章は「痛みの中枢はどこにあるのか」「痛みはなぜ主観的なのか」という痛みの根源的な問題である感情面に踏み込んでいます。最近着目されているデフォルトモードネットワークやマインドワンダリングと痛みの意識の関係についても言及されています。第4章は「痛みはなぜ増強し、持続するのだろうか」という問題について、脳の神経回路の可塑性と痛みの記憶という観点で説明されています。第5章では、痛みの治療の進歩と痛みとの付き合い方について述べられています。

    分子から行動にいたる脳科学そのものである痛覚のメカニズムを、わかりやすく解説しています。

  • 痛みを理解するために、最適の一冊。最新の痛みの仕組みが書かれいる。

  • 病気をして一番心配なのは痛みだ。痛みがなくなれば病気の怖さも半減する。

  • 請求記号 491.378/I 91/2007

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著者プロフィール

伊藤誠二(いとう・せいじ)。1976年京都大学医学部卒業、1981年京都大学大学院医学研究科修了。アメリカ国立衛生研究所(NCI、NIH)Fogartyフェロー、新技術開発事業団研究員・グループリーダー、大阪バイオサイエンス研究所副部長を経て、一九九四年関西医科大学医化学講座教授、2007年から同副学長。がん遺伝子産物、ホルモン受容体と情報伝達機構、末梢神経再生や痛みの研究に従事している。

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