理化学研究所 100年目の巨大研究機関 (ブルーバックス)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065020098

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  • ■加速器研究センターRIBF
     遺伝子を切るはさみ。
     接ぎ木に重イオンビームを当てる。
     種より10倍突然異変が起こる。

     スプリングエイト、放射光顕微鏡
     タイヤのゴム中の炭素微粒子の摩擦を減らす。
     シミュレーションに「京」を使用。
     住友ダンロップ エナセーブ。
     京の稼働率は93.5%。

    ■世界最大級のバイオリソースセンター
     マウス一匹12400円。
     ヒトiPS細胞28800円。
     営利団体にはその2倍で販売。

    ■核磁気共鳴NMR棟
     血液から体内時計の時間を調べる。

    ■創発物性科学CEMS
     個々の現象が集まると
     全体としてもう一段高いヒエラルキーの現象が成立。 (イワシの群れ)
     相対論的な話を固体に展開する量子情報エレクトロニクス
     新しい産業革命
     原子力でも力学から電気への電磁誘導変換は変わっていない。創発物性科学は個体電子を用いた光熱発電や省エネルギー技術。

  • 113番元素ニホニウムだけじゃない、スパコンからバイオ、脳科学、再生医療まで、幅広い研究で基礎科学を支える日本最大の研究所「理研」。1917年(大正6年)に設立され、高峰譲吉、鈴木梅太郎、長岡半太郎、寺田寅彦、湯川秀樹、朝永振一郎など、日本の科学史を彩る研究者たちが参集した。100年目を迎える2017年には450の研究室、3000人の研究者を擁し、世界有数の研究所として全国に研究施設を持つ。ノンフィクション作家・山根一眞がその研究現場をつぶさに訪ね歩き、今いったいどんな研究が行われ、研究者たちは何を目指しているのか、その全貌を明らかにします。

    〈目次〉
    第1章 113番元素が誕生した日
    アジアから初の命名となった113番元素ニホニウム。新元素合成までの苦難の道のりは、科学研究のひとつのあり方を象徴していた。

    第2章 ガラス板の史跡
    日本の科学史を彩る研究者たちが参集した理研100年の歩み。

    第3章 加速器バザール
    世界一の能力を誇るRIビームファクトリー。世界中から研究者が集まり、原子核物理から植物の品種改良まで幅広い研究が行われている。

    第4章 超光の標的
    ナノサイズの世界を見る顕微鏡、放射光施設。スプリングエイト、そして原子構造まで見えるSACLAとは。

    第5章 100京回の瞬き
    物質を透過し、見えないものを見る光、テラヘルツ光。世界最高精度の時計を生み出し、時空の歪みまで検知した「光」の可能性をさぐる。

    第6章 スパコンありきの明日
    「第3の科学」と呼ばれる計算科学。世界最速として登場し、1秒間に1京回の計算をこなすスパコン「京」は何を可能にしたのか。

    第7章 生き物たちの宝物殿
    iPS細胞をはじめ何百万種類もの生物資源を保存するバイオリソースセンター。今や日本のみならず世界の生命科学研究を支えている。

    その他、
    第8章 入れ歯とハゲのイノベーション
    第9章 遺伝子バトルの戦士
    第10章 透明マントの作り方
    第11 章 空想を超える「物」

  • 全ての研究内容が網羅されている訳ではないが,その成り立ち,歴史,そして現在のキーとなる研究を取り上げる.惜しむらくは,各研究がではなく,研究機関としての将来ビジョンが抜け落ちていること.

  • 請求記号 407.6/Y 36

  • 日本を代表する巨大研究機関、理化学研究所。113番元素の発見を認められニホニウムとの命名が認められたことや、IPS細胞を使用した眼科治療が始まった事、スパコンの「京」など、様々な分野で最先端の研究が進んでいます。
    一体この巨大研究機関ではどのような研究が現在進んでいるのかを研究者へのインタビューをもとに簡潔にまとめた本。
    新元素発見に貢献した東京タワー2基分の重量がある巨大加速器、光合成の反応を分子レベルで観測できる超高速シャッタースピード(100京分の1秒!)の顕微鏡、標高の違いによる重力の差を相対性理論に基づいて検出してしまう超高精度の時計(138億年で1秒の誤差!)、そしてそれら様々なデータの解析に活躍してきたスパコン「京」とその100倍の性能を目指す後継機の開発などなど、もはやSFの世界の様相。
    本書で取り上げられている複数の研究分野が、2009年当時の民主党政権における事業仕分けで予算削減の危機に瀕し、研究者を中心とした抗議運動で研究を継続できたとの研究者自身の証言を本書で目にすると、連綿と研究を継続して蓄積してきた貴重な財産を、あの時に手放すことにならず本当に良かったと思ってしまいます。

  • 理化学研究所には憧れる。それに見合うだけの仕事をしているから。まあいろんな研究しているからいろんな人もいるということもあるけれど、基本的にこの自由さがいいね。がんばれ理化研!

  • 2017/3/20 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2017/3/22〜3/28

    日本が誇る科学研究所である理科学研究所を、メタルカラーの時代でお馴染みの山根一眞氏が研究者へのインタビューを通して紹介。仕事柄、ある程度は知っていたが、ここまで多種多様とは。高校生くらいの人に是非読んでもらいたい。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。1947年東京都生まれ。獨協大学経済学部特任教授、宇宙航空研究開発機構(JAXA)嘱託、理化学研究所相談役、福井県文化顧問、月探査に関する懇談会委員(内閣府)、生物多様性戦略検討会委員(農林水産省)、日本生態系協会理事、NPO子ども・宇宙・未来の会(KU-MA)理事などを務める。日本の科学者・技術者を取材した20冊を超える『メタルカラーの時代』シリーズ(小学館)、『環業革命』(講談社)など著書多数。山根一眞オフィシャルホームページ http://www.yamane-office.co.jp/

「2017年 『理化学研究所 100年目の巨大研究機関』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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