うちの旦那が甘ちゃんで (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065118306

作品紹介・あらすじ

はっきり言って月也は「ぼんくら」である。月也とは、北町奉行で風烈廻方同心を拝命している、沙耶の旦那のことだ。のほほんとした性格から、盗人を見つけても取り逃がすことが多く、付き人である小者たちは愛想を尽かして次々に辞めていった。小者は同心が私費で雇い、捕り物のときの補助や身の回りの世話をしてもらう。一心同体で捜査にあたり、小者がいなければ同心本来の能力の半分も発揮できないと言える。次の小物をどうやって手当てすればいいのか。考えあぐねていた沙耶が思いついたのは、なんと自分だった。「御用だ!」。

感想・レビュー・書評

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  • フォロワーさんお薦めの1冊です。
    新感覚時代小説。

    南町奉行所で風烈廻方同心を拝命している紅藤月也とその妻沙耶。
    月也は「のほほん」としている性格で、夫としてみると「じつに好もしい」のですが、はっきり言って月也は「ぼんくら」。夫としては最高、同心としては問題あり。

    第一話は、初夏の頃。
    一軒一軒「奉行所に届けを出したくない」程度に盗んでいく盗っ人が、何軒か入ります。
    月也に小者(付き人)がいませんが、沙耶が自分が小者になると申し出て…。
    沙耶の作る質素だけど薬味のきいた納豆や豆腐などの料理がとても美味しそうでした。
    紅藤家の朝食の基本は覚弥(かくや)で、拍子木に切った大根にたっぷりの葱、鰹節、醤油をかけて食べるのだそうです。

    第二話は、七夕近く、朝顔の季節。
    梅の花の砂糖漬け(口臭を消すための)買いたいけれど月也の前で恥ずかしくてなかなか買えない沙耶。
    二人は、鰻屋の店の中で盗賊に手籠めにされた娘が首を吊るところに出くわします。
    女を手籠めにして口を封じている盗賊。
    噂を広めないように犯人を捕まえなくてはいけない事件です。
    芸者の音吉に相談すると半玉のおりんとおたまが「唐がらし〈年端もいかない男の子)を使うのはどうでしょう」と提案します。
    沙耶は男装をして唐がらしの牡丹の客を装い犯人をおびきだそうとしますが、牡丹に告白されてしまうという、少々、色っぽいお話。
    梅の花が事件の鍵ですが、今で言えばガムのようなものでしょうか。
    女湯にウグイスの糞がぬか袋につめておいてあったり、風流なものがこの時代には色々あったのを知り、面白く読みました。

    • やまさん
      まことさん
      こんにちは。
      いいね!コメント!有難う御座います。
      字の大きさは、中です。
      やま
      まことさん
      こんにちは。
      いいね!コメント!有難う御座います。
      字の大きさは、中です。
      やま
      2019/12/06
    • やまさん
      まことさん
      こんばんは。
      いつも、いいね!有難う御座います。
      「うちの旦那が甘ちゃんで 」の字の大きさは、小でした。
      きょう、町へ出...
      まことさん
      こんばんは。
      いつも、いいね!有難う御座います。
      「うちの旦那が甘ちゃんで 」の字の大きさは、小でした。
      きょう、町へ出たので書店で確認しました。
      やま
      2019/12/25
  • うちの旦那が甘ちゃんでシリーズの1作目。
    2018.08発行。字の大きさは…小。

    タイトルが気になって少し読んでみて、これは新しい、面白いと飛びつきました。
    女性が中心の捕り物帖、始めて読みます。月也は、素直で優しく剣の腕は立つ。妻・沙耶は、夫を支えて情報収集に井戸端会議、女のネットワーク。男装姿も美しい。是非、会ってみたい(笑)。

    神楽坂淳さんの本を読むのは、初めてですが、次作が楽しみです。

    • まことさん
      やまさん♪おはようございます。

      やっと読みました。遅くなってしまってごめんなさい。
      江戸の街の風情が、食べ物や匂いや香りなどとても豊...
      やまさん♪おはようございます。

      やっと読みました。遅くなってしまってごめんなさい。
      江戸の街の風情が、食べ物や匂いや香りなどとても豊かで(特に食べ物が(*^^*))素敵な作品でした。
      ご紹介どうもありがとうございました!!
      2019/12/06
    • まことさん
      やまさん♪追伸です。
      「うちの旦那が甘ちゃんで」は字の大きさはどれにあたりますか?プロフィール欄に載っていなかったのですが、小くらいですか...
      やまさん♪追伸です。
      「うちの旦那が甘ちゃんで」は字の大きさはどれにあたりますか?プロフィール欄に載っていなかったのですが、小くらいですか?
      2019/12/06
    • まことさん
      やまさん♪おはようございます(*^^*)
      字の大きさは小ですね!
      わかりました。
      やまさんも、どうぞよいお年をお迎えくださいね!
      やまさん♪おはようございます(*^^*)
      字の大きさは小ですね!
      わかりました。
      やまさんも、どうぞよいお年をお迎えくださいね!
      2019/12/26
  • 気楽に楽しく読める時代物。江戸の暮らしがリアルに色濃く描かれていて(例えば「梅花」や岡っ引、遊女など)学ぶことも多かった。それだけに、事件の内容や月也と沙耶のキャラが今一つなのが勿体無く感じる。月也が甘ちゃんというのは面白いがあまりに阿呆すぎるというか、良い所がなさせすぎるし、沙耶も端々で夫を舐めているように感じられて少し苦手だった。次作を読むかは微妙なところ。

  • 江戸の生活の描写が好きだった。食べ物も美味しそう。そういえば毎食暖かいご飯食べれるのは贅沢だったのかと改めて思った。

  • 「神楽坂淳」の長篇時代小説『うちの旦那が甘ちゃんで』を読みました。

    「池波正太郎」、「木村忠啓」、「月村了衛」の作品に続き時代小説です。

    -----story-------------
    はっきり言って「月也」は「ぼんくら」である。
    「月也」とは、南町奉行で風烈廻方同心を拝命している、「沙耶」の旦那のことだ。
    のほほんとした性格から、盗人を見つけても取り逃がすことが多く、付き人である小者たちは愛想を尽かして次々に辞めていった。
    小者は同心が私費で雇い、捕り物のときの補助や身の回りの世話をしてもらう。
    一心同体で捜査にあたり、小者がいなければ同心本来の能力の半分も発揮できないと言える。
    次の小物をどうやって手当てすればいいのか。
    考えあぐねていた「沙耶」が思いついたのは、なんと自分だった。「御用だ!」。
    ―新感覚時代小説。
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    2018年(平成30年)に刊行された「うちの旦那が甘ちゃんで」シリーズの第1作… 現在では、7作目まで刊行されているようですね、、、

    軟派なタイトルに、軟弱な主人公… どうかなー と思ったのですが、これが意外と面白かったですね。


    主人公の「紅藤月也」は南町奉行所の風烈廻方同心で、武芸の腕は一人前だが、おぼっちゃま育ちの、のほほんとした性格… 手柄をたてる同心の下で働きたい岡っ引き等の小物は、「月也」を見限って逃げてしまう、、、

    そこで、同心の娘でしっかり者で頭も冴えている妻「沙耶」が、「月也」の小物役となり、夫婦二人三脚の夫婦同心として事件を解決していく展開が愉しめました。


    第一話は、商家に押し入り、被害にあった商家が奉行所に被害を出さない程度の少額だけを奪う盗賊を捉える物語、、、

    「沙耶」は、角寿司のおかみ「喜久」や夜鷹蕎麦の「お清」、高利貸しの「お種」、銭湯のおかみ「お良」たちの協力を得て、盗賊の誇りを傷つけるような罠を仕掛け、見事に誘い出すことに成功する。

    第二話は、首を吊ろうとしていた鰻屋の娘「前(さき)」を救うべく、「沙耶」が囮になって犯人を捕まえる物語、、、

    「沙耶」は、芸者の「音吉」の協力を得て、強姦魔を誘き寄せるための水茶屋を開店し、自らも男装して客に成りすまし、強姦魔を見事に誘い出すことに成功する。


    「月也」と「沙耶」の夫婦同心の活躍… もっと読んでみたいですね。

  • 豆腐と大根おろしが食べたくなる。

  • 読み終わってみれば、軽さがいい時代小説でした。

    最前まで佐伯泰英さんの居眠り磐音シリーズを読んでいたため、最初の数ページは違和感を禁じ得ませんでしたが、ぼんくらと呼ばれてしまう器の大きな月也と、それを支える沙耶の有能さがいい案配で、夢中になって読み終わりました。

    続刊が出ていますね。
    続きも読みます!

  • とにかく旦那が可愛い!これにつきます笑
    優しい旦那としっかり者の奥様で、
    夫婦で今で言う警察みたいなお仕事を頑張る物語。

  • 相思相愛というか、いい感じの夫婦の話でした。こういう夫はいいなと思ってみたり、わたしだったらいつも気をもんでキーキー言って疲れちゃいそうとか思ってみたり。設定が江戸時代だからよかったかな。全然手の込んだものではないのですが、食事の場面が美味しそうでした。

  • 読みやすく良かった!
    ちょっと沙耶が出来すぎな気もするけど、わかりやすく、知らない事を話の流れを消す事なく、小出しにしてるのが良い。
    今までの時代小説とはちょっと違っていて良い。

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著者プロフィール

1966年広島県生まれ。作家であり漫画原作者。多くの文献に当たって時代考証を重ね、豊富な情報を盛り込んだ作風を持ち味にしている。小説には『大正野球娘。』『三国志』『金四郎の妻ですが』『捕り物に姉が口を出してきます』『うちの宿六が十手持ちですみません』『帰蝶さまがヤバい』『ありんす国の料理人』『あやかし長屋 嫁は猫又』『恋文屋さんのごほうび酒』『七代目銭形平次の嫁なんです』などがある。

「2023年 『うちの旦那が甘ちゃんで 飴どろぼう編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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