中世都市 社会経済史的試論 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065131619

作品紹介・あらすじ

歴史的世界としてのヨーロッパの生成を自らの学問の中心テーマに据えた、二十世紀を代表するベルギー生まれの中世史家アンリ・ピレンヌ。本書では「中世都市」の来歴がみずみずしく語られる。
地中海を内に抱く古代ローマ世界の枠組みはゲルマン諸族の侵入でも維持されたかに見えたが、イスラーム勢力の地中海侵出により衰頽し、変容していく。そんな停滞のなかいつ「商人階層」が登場し、どのように都市と都市民が生まれてきたのか。遺された細かな史料にいたるまで渉猟し、一貫した問題意識から描かれた中世都市成立史の不朽の名著。

感想・レビュー・書評

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  • 前半では簡潔にピレンヌ・テーゼを勉強できて,後半では中世都市の成り立ちを勉強できる 一挙両得

  • 中世の歴史を大まかでも知っておくとより面白く読めたと思う。9世紀にイスラムの侵攻で商業が衰退していったけど、10世紀以降に徐々に復活していく中で、商業の発展に伴って都市が形成されていったというところか。あと、都市の絵みたいなものがあるといいなと思った。以下は気になったところのメモ。

    ・放浪する貧困者のなかから、なりあがって商人の卵的な人が出てきた。117-118ページ

    ・毛織物工業の発達とともに農民が都市に流入。競争のため低賃金。11世紀の記録が最古。154ページ

    ・「都市の空気は自由にする」というドイツの諺。192-193ページ

    ・平和を維持尊重する市民の責務 200-201ページ

    ・一部の都市が消費税を徴収していた。 207ページ

    ・中世都市の定義 211ページ

    ・12世紀には君候が市民から金を借りていた。228ページ

  • 原書名:Les villes du moyen âge

    第1章 八世紀末に至るまでの地中海商業
    第2章 九世紀の商業の衰頽
    第3章 シテとブール
    第4章 商業の復活
    第5章 商人
    第6章 都市の形成と市民
    第7章 都市の諸制度
    第8章 ヨーロッパ文明に対する都市の影響

    著者:アンリ・ピレンヌ(Pirenne, Henri, 1862-1935、ベルギー、西洋史)
    訳者:佐々木克巳(1931-2013、東京、西洋史)

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著者プロフィール

アンリ・ピレンヌ
1862年ベルギーのヴェルヴィエ生まれの歴史家。
1935年没。
リエージュ大学でヨーロッパ中世史を専攻。ライプチヒ大学、ベルリン大学に留学。1886年にベルギー・ガン大学教授となる。全ヨーロッパ的視野で、中世の都市および商工業のあり方に重点をおく社会経済史を中心に研究。著書に『ヨーロッパ世界の誕生』など。

「2018年 『中世都市 社会経済史的試論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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