幻想寝台車 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065142479

作品紹介・あらすじ

家を出て行った恋人へのあてつけに、睡眠薬を大量に飲んだ篠原多聞。死ぬつもりはなかったのに、目を覚ますとそこは……死神の村。しかし多聞がここに来たこと自体が手違いだと言われ、現世に戻るための旅がはじまった。<文庫書下ろし>

感想・レビュー・書評

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  • 幻想シリーズ第七作。こんなに長いシリーズになるとは。

    今回は、恋人に去られて自殺を図った多聞が、生きたまま死神の村に来てしまい、現世に戻る〈寝台特急ひとだま〉に乗ることに…。

    登天郵便局の青木や、元アルバイトのアズサが再登場。
    嬉しい再会と、最強死神のジョカという個性的なキャラクターが良かった。
    ファンタジーなのに描かれる世界は生々しかったりする。
    ジョカが現世でホストに入れ込んでいたり、寝台特急で出会う人魂や寓話の主人公に裏話があったり。

    しかし多聞と兄・一宇の話はちょっと引いた。
    裏表紙には『兄と弟の、感動物語』とあるが、全く感動しない。むしろ「それで良いのか?」という納得出来ない結末だった。
    だったら多聞が思うように自分が死んでいれば良かったのに。例えジョカが言うような運命だったとしても。

    何もかもが天の邪鬼の奸計だったのか。結局のところ兄は多聞をどう思っていたのか。
    途中までは良かっただけに結末が残念。

  • 恋人が出ていった部屋で自殺を図った多聞は、気がつくと死神たちの村にいつ。だが死神は多聞は実は死んでいないという。現世に戻るため「寝台特急ひとだま」に乗りある人を捜すよう言われるが…。一方、多聞の「死」の真相には、兄が関わっていた。二人きりで生きてきた兄と弟の、感動物語。

  • お気に入りの幻想シリーズ最新作。


    青木さんが出てくるとホッとする自分がいるのに気づいて笑ってしまいました。


    今回はまだ生きた状態なのに間違って死神の村に連れてこられた多聞くんのお話。
    ファンタジーなんだけど、それがすごく日常っぽく書かれてるのがとても好きです。

    今回は他のシリーズに比べると少しテイストが違う感じがしたが、良かった。
    ちょっと泣ける。

  • 自殺を図ったその先は、死神の村??
    なぜ、どうして?が少しずつ減っていく。そして最後には……兄弟は仲良くいよう。

  • 学生(らいすた)ミニコメント
    狂言自殺を図った主人公が誤って幽体離脱してしまった。ハラハラする展開で驚きの結末で最後まで読みやすい。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1323327

  • 幻想寝台列車というタイトルに手を引かれて手に取った1冊。

    面白かったけれど、兄弟の感動物語と言われると疑問に思うところがあった。弟があの状況でも兄を慕うことが出来るのかが納得できなかった。兄も弟のことをどう思っていたのか、、

  • [幻想寝台車]
     堀川 アサコ
    ファンタジー小説。
    彼女に振られ服薬自殺したつもりだった主人公・多聞は<あの世>のミスで死ぬ前に死神と出会い兄のためにも自分の身体を取り戻そうと<あの世>と<この世>を井上円了や柳田國男が乗ってる寝台列車で行ったり来たり。
    最後の50頁で全てが明らかに。
    ジョカのような死神に<あの世>に連れて行ってほしい。

  • 読み終わって、「せつないなぁ」とつぶやいた。
    このシリーズ、死後の世界や幽霊が思い切り明るいのだけど、人生の切なさや、仕方がないんだな、というあきらめや、悲しみが盛り込まれているから、いつもせつなくなってしまう。
    でも、このシリーズ好き。

    青木さん、どうしているかなぁ。

  • 霊界と現世を結ぶ幻想寝台車

    手違いで死神の村に来てしまった多聞。
    廃駅から幻想寝台車に乗り、連絡バスに乗って?
    兄弟の名前が一宇と多聞、名前が仏教的なところも死神に魅入られたせいか?

  • 2019/6/13(木曜日)

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著者プロフィール

1964年青森県生まれ。2006年『闇鏡』で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。『幻想郵便局』がベストセラーとなり、以降、「幻想」シリーズで人気を博す。他の著書に『ある晴れた日に、墓じまい』『うさぎ通り丸亀不動産 あの部屋、ワケアリ物件でした!』『オリンピックがやってきた 猫とカラーテレビと卵焼き』「おもてなし時空」シリーズ、「仕掛け絵本の少女」シリーズなどがある。

「2023年 『キッチン・テルちゃん なまけもの繁盛記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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