日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社
4.58
  • (12)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 92
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065148280

作品紹介・あらすじ

なぜ米軍基地はなくならないのか? なぜ羽田空港から西へは離着陸できないのか? なぜ米軍機が墜落しても日本警察は出だしをできないのか? なぜ事故後も原発を続けようとするのか? 戦後70年を超えてもアメリカの「占領状態」が続く日本のおかしさを白日のもとに曝し、大反響を呼んだベストセラー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか。非常に心を掴むタイトルであります。

    ここ数年、沖縄に関する書籍をいくつか読みました。そこで浮かび上がってきたのは、今まではとは異なる沖縄の顔。

    では原発はどうでしょうか。福島で起こった原発事故について、自分はあまり多くのことを知らない。そんな自分にとって、本書はとても興味を引くものでした。

    果たして内容は、事前の想定よりも1段深い。基地と原発を別個の現象と捉えるのではなく、通底する問題について論じられます。

    その問題とは、戦後に作られた統治構造。GHQによって与えられた憲法と、昭和天皇がサジェストした沖縄リース計画。戦後70年に渡って、この構造が続いてきたことが解説されます。

    なるほど。日本という国の在り方、および国際社会での立ち位置について、再認識をさせられるような1冊。

    (書評ブログもよろしくお願いします)
    https://www.everyday-book-reviews.com/entry/2021/03/15/%E3%80%90%E5%BC%95%E7%94%A8%E3%83%BB%E6%8A%9C%E7%B2%8B%E3%80%91%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%81%E3%80%8C%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E5%8E%9F%E7%99%BA

  • 『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』の後に読んでしまい、原発以外ほぼネタバレだったのでナナメ読み。前例に学び、未来を変えるために今日から何ができるか考え、行動できるように...。「真似る」は「学び」なのだから...。インテグリティのある人になりたい。

  • 大学時代に起きた原発事故。
    今も流れ続ける汚染水。

    なぜあれほどの事故を起こした原発をまだ動かし続けるのか純粋な疑問を抱き、この本を手に取りました。


    自分はこんな国に住んでいたのか
    なぜ誰も教えてくれなかったんだ

    そんな気持ちが湧いてきました。
    はっきり言って、目の前のお金に目が眩んだ大人達が作ったものです。

    日本国憲法の成り立ちについても初めて知る事が多く、勉強になりました。

    この本を読むにあたって、ある程度の覚悟は必要かもしれませんが、知った方がいいと思います。

  • 安倍元総理(合掌)が唱えていた『戦後レジームからの脱却』。
    その戦後レジームの根源をまとめて説明した書籍です。
    いまだに敗戦国扱いの日本。
    ここから早く脱却すべき・・・もう遅いか。

  • 異常、いびつ、二枚舌、首のすげ替え、張りぼて……

    憲法は変えるか<変えないかの議論ではなく、どう良く変えるかが一番重要なこと

    国連憲章にある敵国条項への対応しかり、著者による打開案が提示されているが、本当に実行できる政治家がいるのか? と昨今の政治家たちを見ていると「絶望感」しかない

    日米の関係は想像以上に屈辱に満ちている

    本書で一番衝撃的だったのは、やや恣意的な解釈を含むが、
    日本中に原発を置くように仕向けているのは、いつでも原発を攻撃してダメージを与えることができるから。実際にそうした訓練を駐留米軍「が」行っていること

  • 今まで知らなかった衝撃の事実。
    日本国憲法の上位概念=日米の密約法体系。
    今の体制のみ、基地や原発をいくら批判しても、法的に壁があることがわかる。
    最後に日本への処方箋が示されており、少し救われる。

  • 今までに読んだことがない情報量が詰まった本だった!

    僕が生活をしているあたりは、アメリカ軍とは無縁。今までアメリカ軍の駐留について気にしたことがなかった。
    本書を読んでみて、度肝を抜かれた気分だ。なぜなら、今までニュースや新聞を読んでいたのに、初めて知ることばかり。
    普段、このレビューには印象的な点を3つ記述しているが、今回は7つ挙げたい。

    1つめ、自民党がCIAから資金援助を受けていたこと
    2つめ、今までに沖縄には最大で1,300発の核ミサイルが置かれていたこと
    3つめ、日本国憲法9条の目的は「平和な国づくり」ではなかったこと
    4つめ、日米原子力協定の恐ろしさ
    5つめ、昭和天皇は対米従属路線を進め、日本政府は米軍が日本に駐留することを望んでいること
    6つめ、フィリピンは憲法改正で米軍を撤退させた
    7つめ、条項により日本人の人権が尊重されず、権利を脅かされていること

    戦後、日本が辿ってきた発展は、素晴らしいと教わってきたが、裏側を知ることはなかった。本書を読み進めるとどんどん恐怖感を味わうが、それと同時に怒りも湧いてくる。

    あまりにも、衝撃的な情報が多いため、多くの人に読むことは進めようとは思わないが、知る必要は十分にあると思わされた1冊でした。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

(やべ こうじ)1960年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。株式会社博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。著書に『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(以上、集英社インターナショナル)、『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること――沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)、共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。企画編集に「〈知の再発見〉双書」シリーズ、J・M・ロバーツ著「図説 世界の歴史」(全10巻)、「〈戦後再発見〉双書」シリーズ(以上、創元社)がある。

「2019年 『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

矢部宏治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×