ただいまラボ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 70
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065153642

作品紹介・あらすじ

研究のために鹿の耳を刻み続ける!?実家が動物病院という学生が多い!?就活先はペット保険会社!?研究室でカビが生えたら大騒ぎ!?バイト先はもちろん動物病院!?……理系の青春はこんなに面白い!獣医学科で動物たちの生命と向き合う学生たちの笑いあり涙ありの日々を、瑞々しい文章でリアルに描いた青春小説。


「シカミミ!」獣医学科の分子生物学研究室に入った太一を待っていたのは、実験用の鹿の耳を切り刻み、彼女とすれ違い続ける毎日だった……

「ナツジツ!」夏休みに実家の動物病院に帰省した東は、十年ぶりに子連れで帰ってきた、元ヤンキーの姉の姿に驚愕するが……

「ネガコン!」就活中の新倉は、インターン先のペット保険会社で呑気すぎる学生たちとの共同作業に苛立ちが募るばかり……

「コンフル!」何でも器用にこなしてきた透は、余裕のはずの卒業論文で追加実験を命じられ、合コンで出会った子とも上手くいかず……

「ブンセイ!」5年生になったミカは、大学の実験と動物病院でのバイトで、続けて初めて動物の安楽死の現場に立ち会って……

理系の青春はこんなに面白い!
獣医学科で動物の生命と向き合う学生たちの笑いあり涙ありの日々を、獣医師の著者が大学院時代に瑞々しい文章でリアルに描いた青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 獣医学部の学生たちの青春小説。
    物語自体は楽しく読めた。しかし、理系なので卒業論文や卒業研究があって忙しく大変なのはわかるのだが、そこはかとなく漂う「文系は楽でいいよね」みたいな、文系を下に見る雰囲気が苦手な1冊だった。あとネガコン!の話は主人公の性格に読んでいて苛々した。DNAやRNA、PCRの説明は興味深かったし勉強になった。

  • 獣医学科で動物たちの生命と向き合う学生たち5編の短編集。5人の視点で展開されます。

    「分子生物学」DNA やRNA 、分子標的薬など聞き慣れない言葉の数々が興味深かったです。
    動物の死に立ち会い、無力感に苛まれ自分の選択が本当にこれで良かったのか悩む学生。実験の失敗、文系彼女とのすれ違いなど悩みはさまざま。
    仕事の将来性と自分の本当にやりたいことで悩む気持ちわかるなぁ。
    動物病院や保険のこと。そういえば…と思うものから心に響くことも色々ありました。

    『たとえば分子生物学みたいな基礎的な学問がなければ、今日治せない病気は明日になっても治せないだろ。でもね、今日治せる病気を外科や内科で治してもらわない限りは、その動物に明日はこないんよね。』

  • 法学部の私にとって獣医学部は未知の領域。けれどそこで学び、成長していく学生の思いや悩みは共通のもの。
    悩み傷つきながらも日々を生きて真っ直ぐ進んでいく姿は眩しいほどだった。

  • 獣医学部分子生物学室のお話。
    リアルな感じがとっても。
    片川さんがモデルな人はこの中にいないの?
    2019/05/29読了。

  • 動物たちの生命と向き合う獣医学科学生の日々をリアルに描いた、爽快な理系青春小説。

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著者プロフィール

作家、獣医師。15歳の時に書いた『佐藤さん』で、第44回講談社児童文学新人賞佳作を受賞し、作家デビュー。一方で、麻布大学大学院獣医学研究科で博士号を取得し、現在は獣医師兼作家として活動している。著書『ぼくとニケ』は青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選出された。他に『ただいまラボ』(以上講談社)などがある。

「2023年 『おはなしサイエンス 未来の医学 これからも、リッキーといっしょ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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