- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065160169
作品紹介・あらすじ
【医療安全管理】病院の中で人知れず発生するトラブル。ペルソナでその調整と解決を一手に担うのは、医療安全管理者・磯野エイキチだった。妊婦と病院、どちらにも肩入れせずに対話を促す彼の仕事はとても繊細で重要。彼のもとには、今日も新たなトラブルの報告が舞い込んでくる。
感想・レビュー・書評
-
「医療安全管理室」の特に後半、
泣かずに読めなかった。
ベストを尽くしても
助けられない命がある、原因が分からないこともある
やり切れない遺族がいる、何かのせいにしなければ
保てないことも
医者はそれでも次の患者は来る
遺族にも明日は来る詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
テレビドラマ化もされた人気シリーズの第27巻。
モーニング本誌での連載は2020年5月で終了しました。コミックスもこのレビューを書いている時点で31巻まで既刊で、最終32巻は来月9月に発売予定だそうです。
残念ですが、8年近い歴史を積み重ねて、キリをつけるのにはいい時期だったかもしれません。
「ペルソナ総合医療センター」の産科を中心に、妊娠出産、赤ちゃんとお母さんを巡る悲喜劇と、主人公サクラ先生を中心とした群像劇が、綿密な取材に基づく圧倒的なリアリティと現場感を伴って語られます。
これまでも多くのキャラクターが成長の末、自らの未来を拓くべくペルソナを去って行きましたが、第22巻でとうとう四宮先生までが実家の病院に帰ってしまいました。爾来、自分は四宮ロスに悩まされています。
この巻は1冊丸々「医療安全管理 前編」が掲載されています。
冒頭で「大野病院事件」を例に挙げて医療、特に周産期医療を巡る医療訴訟の原状が話題にされます。
そして、訴訟リスクをあまり自分事とは考えていなかったゴロー先生が、クレームに巻き込まれたところに医療安全管理者の磯野エイキチという新しい医療職と新キャラクターが登場。舞台が整って、いよいよサクラ先生がこれまでにないトラブルに巻き込まれます…。
切迫早産で入院していた小野田さんは、無事35週になっていったん退院します。てんかん合併妊娠というリスクはあるものの、本人がきちんと服薬管理できており、ストレスの少ない自宅で陣痛を待つはずでした。
しかし退院して2日後、小野田さんが心肺停止の状態で病院に搬送されます。
サクラ先生にはもちろんミスはありません。
加瀬先生が「突然人が死んじまうなんて…ちゃんとした理由があると思ってんだろうな…人間の体なんて全部わかる訳ないのにな…医者なら原因がわかるはずだって思い込んでんだろ…」って語るとおり、今の医療でも人間の体についてわかっていないことは多く、医者が何とかできることは限られている、というのが客観的な事実でしょう。
だけど、さっきまで元気だった人、それももうすぐ母になろうとしていたその人が、突然亡くなって原因がわからない、という事実を小野田さんの旦那さん、シンイチさんは受け入れることができません…。
(そんなシンイチさんを責めることなんて誰にもできないでしょう)
そして、病院のミスを示唆する外野の声が方向を決めてしまいました。
「地獄への道は善意で舗装されている」。大野病院事件の後、「産科をなくした施設も増えたし…産科医をやめる医師も少なくなかった」のと同じ方向に事態は転がり始めます。
突然死が受け入れられず悲嘆に暮れていたシンイチさんの視線が、サクラ先生を向いてしまいました。
その視線を向けられたサクラ先生もまた、自らに手落ちがないことを誰よりも知りつつ、シンイチさんの視線を受け止めきれません。
誰かが悪いわけではないのに地獄へ向かって走り出した2人を止めるにはどうしたらよいのでしょうか…。
せっかくの新キャラ、磯野エイキチさんはカリカリ梅食べてウロウロしてるだけで、今のところ事態の解決に役に立って無さそうなのが気掛かりです。
余談になりますが、磯野エイキチさんは元看護師です。これまでこの漫画に助産師さんは沢山登場しましたが、看護師さんは初めてかもです。 -
心が穏やかになる作品、困難に悩みでも負けない姿が月並みだが良い、周りのスタッフに恵まれ過ぎ
-
毎度泣いてしまう。
-
【推薦者】
体育学部 健康学科教員 三瓶 舞紀子
【学生へのメッセージ】
COVID-19流行下では、「10代の妊娠」「望まない妊娠」「貧困」の問題がよりクローズアップされました。産婦人科医&謎のピアニストでもある主人公が、様々な妊婦のお産に向き合います。この漫画に登場する様々な生命から、子どもたちを育てる社会の責任とは何か、全ての学生と特に教員を目指す学生にお薦めします。
▼配架・貸出状況
https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00539355 -
読んだ