楊貴妃 大唐帝国の栄華と滅亡 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065161067

作品紹介・あらすじ

唐6代目皇帝、玄宗(712-756年)。名君と呼ばれ、100万人国家を築いた56歳のとき、22歳の楊玉環(のちの楊貴妃)と出会う――。唐王朝の権力闘争、玄宗による華麗なる「開元の治」、安史の乱、国家転覆までの100余年を、『旧唐書(くとうじょ)』『新唐書』『開元天宝遺事』『唐会要』といった文献や、白居易、杜甫の詩歌など豊富な原資料や図版から、詳細なエピソードを採取、検証。平安時代より清少納言、紫式部をも魅了した”世界三大美女”の生涯を、唐の歴史とともに読み解く!
*本書の原本は、一九九七年、中公新書より『楊貴妃 大唐帝国の栄華と暗転』の書名で刊行されました。

目次
はじめに
第一章 玄宗とその時代 
玄宗登場/花は舞う長安の春
第二章 玉環から楊太真へ 
鉄牛につながれた橋/女の闘いの渦/女道士楊太真となる
第三章 楊貴妃の栄華
 三千の寵愛一身にあり/楊氏六家の栄え/宮中の行楽
第四章 天下大乱 
安禄山反す/李林甫と楊国忠/滝関の攻防
第五章 玄宗蜀幸
 馬嵬事変/国破レテ山河アリ/安史の乱の背景
第六章 長恨歌の世界 
玄宗の晩年/比翼連理の誓い
第七章 余聞・遺事 
楊貴妃の最期/日本渡来伝説/宦官高力士/『梅妃伝』をめぐって/画題となった玄宗・楊貴妃
第八章 楊貴妃と文学 
楊貴妃と中国文学/楊貴妃と日本文学
玄宗・楊貴妃略年表




唐6代目皇帝、玄宗(712-756年)。名君と呼ばれ、100万人国家を築いた56歳のとき、22歳の楊玉環(のちの楊貴妃)と出会う――。唐王朝の権力闘争、玄宗による華麗なる「開元の治」、国家転覆までの100余年を『旧唐書(くとうじょ)』『新唐書』『開元天宝遺事』を始めとする文献や、白居易、杜甫の詩歌など豊富な資料や図版から検証。清少納言、紫式部をも魅了した、『世界三大美女』の生涯を読み解く!

感想・レビュー・書評

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  • 玄宗と楊貴妃の「物語」が文学作品のテーマに取り上げられてきたのは、傾国の美女や栄枯盛衰という題材の他に、彼らの身分の差を感じさせないフラットな恋愛関係という要素がある。散々な境遇に落ちてなお、楊貴妃の魂を呼び寄せようとする長恨歌のくだりなどは、数千の美女を意のままにできる立場の人間だったとは思えない男の執着が表れていて、史実かはさておき、その憐れさに詩の醍醐味を感じた。本書で特徴的なのは、かなりの割合で楊貴妃にまつわる詩篇を掲載してる点。中国史上の有能な「悪女」と異なり、最高権力者の皇帝を魅了し尽くしたに過ぎない楊貴妃という存在を表現するのに、適切な構成と思った。

  • 楊貴妃は悪女ではない。過ぎた贅沢を行わず、政治に口出しせず、皇帝の寵愛を争って他の妃を追い落とすようなことはしなかった。
    玄宗と楊貴妃の関係は「皇帝と寵姫」ではなく「とても仲の良いおしどり夫婦」だと、この本を読んで思った。
    孤独な中華皇帝である玄宗にとって楊貴妃は癒しだったのだろう。

  • 第1章 玄宗とその時代
    第2章 玉環から楊太真へ
    第3章 楊貴妃の栄華
    第4章 天下大乱
    第5章 玄宗蜀幸
    第6章 長恨歌の世界
    第7章 余聞・遺事
    第8章 楊貴妃と文学

    著者:村山吉廣(1929-、埼玉県、東洋史)

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著者プロフィール

1929年埼玉県生まれ。早稲田大学文学部卒、同大学院修了。文学部教授を経て、早稲田大学名誉教授。中国古典学(とくに詩経学)、江戸明治漢学専攻。現在、日本詩経学会会長、日本中国学会顧問。『中国の知嚢』上・下(中公文庫)、『論語のことば』(明徳出版社)、『詩経の鑑賞』『書を学ぶ人のための漢詩漢文入門』(二玄社)、『藩校-人を育てる伝統と風土』(明治書院)、『漢学者はいかに生きたか』(大修館書店)など著書多数。

「2019年 『楊貴妃 大唐帝国の栄華と滅亡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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