本能寺の変 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
3.69
  • (1)
  • (9)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 77
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065162774

作品紹介・あらすじ

なぜ、明智光秀は、あのとき、織田信長を討ったのか――古来より数えきれぬほど繰り返し問われてきたこの問いに、本流の歴史学的思考が真っ向から取り組んだ画期的論考が、最新の研究を反映する大幅増補をくわえて文庫化。
信長は何と戦い、何に負けたのか。この日本史上最大の政変の核心を衝く試みは、"戦国時代とは/室町幕府とは/日本の中世・近世とは/何か"という根本的な問いへと至る。
本格的歴史学研究でありながら、歴史小説・大河ドラマファンも楽しめる、驚きと発見に満ちた知的挑戦!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 途中からまたちょっと迷子になってしまった。
    この手の歴史解説本は苦手かもしれない。

    明智が謀反を起こさなかったら、今の世の中はどうなっていたのだろうか、、、
    とか考えるのは少し楽しい。

    足利義昭が裏で糸をひいていたはなんとなく信憑性が高そう。

    本能寺の変は実は信長と義昭の戦いだったのかもしれない。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/742031

  • たまたま書店で見つけ、話題性のあるテーマでもあるので買って読んでみた。

    著者は日本近世史の研究者で、特に近世国家の成立を専門としているようだ。

    著者は本能寺の変について、足利義昭が黒幕であるという立場を取っている。だがそう単純なものではなく、義昭復権に長宗我部元親が絡み、さらには朝廷(すなわち正親町天皇、「麒麟がくる」では玉三郎丈が演じていますね)も関係している。すなわち複数の有力者が関係し、しかもそれぞれの思惑が絡み合うという、複合的な要因により、本能寺の変が起こったと筆者は考えているようである。

    もちろん、これは一つの説で、本能寺の変の原因にはいろいろな説があり、はっきりしていないが、これはこれで楽しめた。

  • 学術文庫だがもとが現代新書なのでさくっと読める。要点を押さえていて面白い。著者は四国(長宗我部)と、義昭に注目している。巻末に最近の研究史をまとめてくれていてありがたい。

  • 足利義昭の精力的な信長運動はよく知られているが、それが遂に成就したのが本能寺の変だという見方を、本書では史料を駆使して提示している。光秀が元々幕府に仕えていたという経緯や、信長の侵攻を目前に控えた中四国の領主と、義昭と光秀の関係の深さ等を交えた論考には、一般の陰謀論とは異なる説得力があった。とはいえ個人的には、本能寺の変に関わる論争は、光秀の謀反(の動機)と、信長殺害の成功とは、別問題に思える。前者は諸要因が絡んでのもので、様々な推測が成り立ち得るが、後者は信長の油断が無ければ成立し得なかった。例えば謀反に失敗した荒木村重の動機を云々する事が、学問的にそれほど意味があるだろうか。本能寺の変も成功したからこそネタになるのであって、関連事項を突き詰めて議論するのは一種愉しみの範囲に入る。その過程で史実の一側面を知るり、歴史の見方が広がったのなら、それはそれで良いことには違いない。

  • 小説含め、本能寺の変の謎解きをした本は数多あるが、本書は最も明解に説明しているのではないか。

    将軍義昭の関与、信長政権内での秀吉他との確執等、よく筋が通っている。

  • 藤田達生先生は独眼竜政宗に採用された豊臣平和令を否定、真田丸の新説秀次事件とは対立、大河ドラマ好みの学説とは縁があまり無い。
    読み物として純粋におもしろく楽しめた。信長や本能寺の変はあまり詳しくないのだが、この説はなかなか恐ろしい。やはり戦国時代は謀略の時代か。
    私も織田信長はただの中世人では無いと思う。

  • 新書の新版でその後の補講として柴田勝家の動向や岡山林原美術館の新出資料などに触れられている。著者は本能寺の変について光秀単独ではなく、足利義昭の関与と四国政策の変更を要因とされている。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

1958年愛媛県生まれ
神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了
学術博士
三重大学教育学部・大学院地域イノベーション学研究科教授

「2023年 『近世武家政権成立史の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤田達生の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×