民事裁判入門 裁判官は何を見ているのか (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065167243

作品紹介・あらすじ

この一冊で裁判の奥義と核心がわかる!
学生、ビジネスパースン、実務家、訴訟当事者・関係者必携の一冊!

多くの日本人にとって、訴訟は「何だかよくわからない、あまり関係したくないもの」である。しかし、インターネットの書き込み一つで民事訴訟を提起されたり、企業でも海外取引を行えば渉外紛争に巻き込まれたりするのが現代社会である。
あなたが民事訴訟に関わるとする。弁護士がその時々で何をやっているのか、当事者の供述や証人の証言を聞くときに、あなたの発言はどのような意味を持っているのか。提示された和解案にしたがうべきなのか。訴訟の流れ、各場面で何が行われているかといった知識が不足しているために、思ったような結果を得られず、後になって不満を抱く人は少なくない。
本書は、元裁判官である著者が、33年におよぶ裁判官経験がなければ得られなかったリアルな司法の実態を踏まえ、訴えの提起から判決まで裁判はどのように進んでゆくのか、裁判官、弁護士が行っていることについての理解を助けようとする画期的な入門書である。

信頼できる弁護士の選び方とは? 裁判官はどのように争点を整理しているのか?
効果的な主張のポイントとは? 反対尋問のコツは? 
新しい判例はどのように作られるか? 和解の弊害は?
高裁、最高裁は機能しているか?……
裁判の基礎知識から訴訟の高等戦術まで、元裁判官の城山三郎賞受賞作家が
民事訴訟のノウハウを伝授する。
衝撃の話題作『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』につづく強力第3弾!

感想・レビュー・書評

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  • プロローグ あなたの法的リテラシーを高めるために
    第1章  民事訴訟手続の流れーー日本人は裁判嫌いなのか?
    第2章  法的紛争が起こったらーー弁護士の選び方、訴訟についての決断、本人訴訟の是非
    第3章  訴えの提起ーー訴状、答弁書
    第4章  民事訴訟事件進行のパターン
    第5章  争点整理の実際ーー裁判官の訴訟指揮の重要性
    第6章  事件を「読む」--事案の的確な把握
    第7章  効果的な主張・準備書面とはーー説得力のある主張にするために
    第8章  証拠調べーー真実の相対性
    1 書証/2 人証ーー証人尋問と当事者尋問/3 鑑定/4 検証/5 証拠裁判主義とその現状
    第9章  事実認定と裁判官の心証形成
    第10章 「判例」はいかに作られてゆくのか?--法的な立論と判断
    第11章 和解のあり方とその技術
    第12章 判決はどのように書かれるのか?
    第13章 上訴ーー控訴と上告
    第14章 日本の民事訴訟制度をよくしてゆくためには?
    エピローグ あなたのリーガルマインドのさらなる向上を

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1252745

  • 著者の考えが全面に出ています(それは良いことでもありますが)。自分が求めていた内容とは少し違うかなと感じたので、少し辛口の評価ですが、内容は悪くないです。

  • 著者は元裁判官。
    裁判をする側、の視点からどういう視点で裁判を進めていくか、どんなふうに書類をまとめる必要があるのか、現在の裁判の問題点を含めて解説した本。

    三つの視点で物事を捉え直してみることや、主観的確信の客観的検証についてや、和解が適切でない場合など興味深かった。

    第三者を説得するための文書作成の大きなヒントになった。
    レトリックとかも研究してみたい。

  • 著者の狙いどおり、一般向けに噛み砕かれているが、
    だからといって法曹資格者が読んでも、
    おそらくは有意義な内容になっていると思われる。

    裁判官がどういうロジックで裁判に臨むのか、
    原理原則もそうだが、テクニカルな部分についても、
    しっかり言及がなされていて、とても興味深かった。

  • 裁判官から民事訴訟法・法社会学の研究者に転身した著者が、民事訴訟実務を、実務と理論の両面から、さらに必要に応じて法社会学的な考察もまじえながら解説。
    民事訴訟とその手続の全体像をつかむことができ、また、民事訴訟に当たっての裁判官の視点を理解することができる。
    ただ、本書の全体を通して、著者の自負心が強く出すぎているきらいがあり、ちょっと鼻につくところはあった。

  • 民事裁判について書かれた本書。

    日本人は、裁判に対してどこか上滑りの感じがある。

    それについて、西洋との比較も交えながら論じている。

    馴染むのにはまだまだ時間がかかりそうである。

  • これで民事裁判の入門………というのはムリかと。全体の雰囲気が書かれてるようでいて、対象読者のレベルをどこに設定してるんだろうかと。難儀なのは「別の本に書いてる」が頻発。この一冊は、著者の味見という感じだった。

  • 裁判官視点での民事裁判とはなんぞや?が書かれている本。
    これを読むことで民事裁判の一般的な流れや、手続き方法がわかります。また裁判の中でどういったことを材料にして裁判官が判断していくのかの過程がのっているため、主張する際にどういう筋道を立てて説明していけばよいかのヒントにもなる。ただ読めば読むほど裁判は良いか悪いかを判断する場所ではない。原告側の主張がいかに理論だって説明されており、裁判官が納得させられるかの場所であることがよくわかった。

  • 327.2||Se

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。東京大学法学部卒業。1979年から裁判官。2012年明治大学教授に転身、専門は民事訴訟法・法社会学。在米研究2回。著書に、『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(第2回城山三郎賞受賞)『民事裁判入門』(いずれも講談社現代新書)、『檻の中の裁判官』(角川新書)、『リベラルアーツの学び方』『究極の独学術』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『教養としての現代漫画』(日本文芸社)、『裁判官・学者の哲学と意見』(現代書館)、小説『黒い巨塔 最高裁判所』(講談社文庫)、また、専門書として、『民事訴訟法』『民事保全法』『民事訴訟の本質と諸相』『民事訴訟実務・制度要論』『ケース演習 民事訴訟実務と法的思考』(いずれも日本評論社)、『民事裁判実務と理論の架橋』(判例タイムズ社)等がある。

「2023年 『我が身を守る法律知識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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