ファーウェイと米中5G戦争 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065169162

作品紹介・あらすじ

なぜトランプ政権は、中国・ファーウェイを執拗に叩くのか?
そこには5G時代のハイテク技術覇権を米中どちらが握るかという戦いがある。

目前に迫った5G時代。いままでの4Gよりも圧倒的な超高速、大容量、低遅延、多接続を実現する5Gの出現は、社会の姿を大きく変える。
その5Gで現在トップを走っている企業が、中国・ファーウェイ。
このままでは現在優位に立っている技術覇権の座を中国に奪われることに強い危機感を覚えたトランプ政権内の「軍事強硬派」が仕掛けたのが、ファーウェイ叩きの真相だ。

日本も無関係ではいられない
今後の世界経済の趨勢を握る米中ハイテク戦争の行方とは。

ファーウェイ本社への直撃取材、
米中の間で揺れる欧州の動向、世界半導体製造の命運を握る台湾の動向を含め、
問題の核心を徹底検証する。

感想・レビュー・書評

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  • 新聞とかで良く読むけど、問題の全容が知りたくて読んでみた。現実は甘くねえな、綺麗事ではすまないなと思ったわ。いかに自分が社会に無知かわかったわ。アップル製品飽きたし、ファーウェイのスマホ試してみたい。

  • アメリカは、5Gの先陣を切るファーウェイを潰すことに懸命である。5Gは「社会を変える」。きたる第四次産業革命は、5Gの技術がIoTや自動運転、VR、ARに応用される。中国がこの産業革命の先頭に立つことをアメリカは非常に恐れている。なぜなら、それは第二次世界大戦以来アメリカが築き上げてきたグローバルスタンダードの終焉を示唆するからだ。中国はファーウェイの製品に欠かせない半導体を抑えるためにも、台湾統一を早めたい。それに対して、アメリカは何としてでも時間稼ぎをしたいというのが現状である。

  • 今まで中国の問題企業にアメリカがイチャモンをつけている程度の認識しかなかったか、冒頭のファーウェイ本社、立ち並ぶ高層マンションが5万人の社員の社宅 、全ての食堂を合わせると5万人が一度にランチを取れる と、とにかく圧倒的に充実した環境 を読んで驚いた。全然勉強不足だった。
     今まで米国が担ってきた4Gの世界から5Gの世界が中国が先行していくことについて米国は許せないのだろう。
     そして、今後日本企業は中国企業の下請けとして生きていくのか、米国の隷属を続けていくのか?ちっゃくてもいい存在感のある技術大国を目指してほしい!

  • なぜそれほどまでに米国がファーウエイを恐れるのかがよく分かる。技術力の高さとそれを支える技術者達を引きつける待遇の良さのレポートは参考になった。

  • 記録

  • 米中の貿易戦争とファーウェイという企業の真価を解く内容。
    なぜ、トランプ政権は中国をあれほどまでに恐れるのか。貿易戦争の裏にあるテクノロジー分野でのアメリカの相対的な低下がトランプ政権を揺さぶり、焦りをもたらしている背景などを詳しく解説している。
    ファーウェイという企業の技術の高さ、会社の内容(極めて水準が高い)の詳細も分かる内容。
    5Gがもたらす明日の世界の覇権争いの勝者への予感も興味深い。

  • 出来るだけ中立の立場から、アメリカ、中国のそれぞれの思惑を紐解いた良書。
    とは言っても作者の本音も、最後の方で表現が偏って来るので、透けて見えてくる。

    ひとまず2020/1の台湾総統選で、一つの方向性がはっきりするのだろうが、この先も同じことが繰り返されるのであろう。

    中でも、中国模式とAIの親和性が極めて高い、、、の一文が最後まで頭を離れなかった。
    皆さんも一度は読んでおいてほしい。


    最近、中国の小学校で頭に脳波をチェックする機械をつけられた子供達が、授業を受けるニュースを見た。学校はそれで子供を勉強に対する集中力を把握するらしい。集中してなかったりするとすかさず先生からご指導がくる。親もそのプライバシー?に関する部分はなんとも思わないと言っていた。すごい技術だ。

    どこが通信情報戦の覇権を握るのか。今、圧倒的に有利なのは中国だ。

  • おもいっきり中国寄り。中国の立場の説明に終始。

  • ●1987年に、元人民解放軍の技師だった任正非CEOが5人の仲間と創業したファーウェイは、今や世界170カ国に広がり、従業員が約20万人の巨大な龍となった。
    ●深圳は2018年、ついにGDPで香港に行き、北京と上海に次ぐ中国第3の経済都市としての地位を固めた。40年前はわずか人口3万人の漁村であった。
    ●2019年1月のインタビューで「ファーウェイの株は全て社員が保有している。社員でない人間が保有しているものは1株をたりともない。私個人が保有している株式の割合が1番多く、1.14%だ。スティーブ・ジョブズは0.58%だったそうなので、私の持ち株比率はさらに下げても良いと思う」
    ●定年が45歳
    ●AI時代と社会主義国家との親和性が極めて良い。個人のプライバシーが無くなる世界
    ● 5月15日にアメリカは「ハイテクのカーテン」を発表した。しかしこの日からしばらくトランプ大統領はTwitterで何のコメントもなかった。つまり大統領自身は「ファーウェイ叩き」に関心がないことを意味した。
    ●アセアン諸国の国は、中国が最大の貿易相手国であり、中国を取るかアメリカを取るかと迫られれば、絶対に中国を取る。アメリカがなくても生きていけるか、中国がいないと生きていけないからだ。そもそもアセアン各国の経済を握っているのは、それぞれの国の華僑であり、中国は彼らとがっちり結びついている。
    ●ファーウェイ帝国の2倍にあたる10万人の社員を要する「ホンハイ帝国」
    米中貿易戦争による最大の被害者。そこでトランプ政権との習近平政権とも親しい自分が台湾総裁になって、米中対立の緩和に一肌脱ごうと思い立った。

  • 中国ウォッチャー歴30年の著者が、今や中国で最も重要な企業となったファーウェイの話題を中心としながら米中貿易戦争の舞台裏を紐解いていく内容。テクノロジーというよりも政治の話がメインであり、やや中国寄りのスタンスでの語り口ではあるが、米中関係のこれまでの軋轢から今後の展望までを時系列に沿って俯瞰的に把握するには丁度いい内容だと思った。国家間の覇権争いという観点に加え、GAFA対BATHという米中メガテックの対比という点においても本書は有用な情報源である。5Gの持つ意味合いと重要性を強く感じさせてくれた一冊。

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著者プロフィール

1965年生まれ。埼玉県出身。東京大学卒業。国際情報学修士。講談社入社後、中国、朝鮮半島を中心とする東アジア取材をライフワークとする。講談社(北京)文化有限公司副社長を経て、現在、『週刊現代』編集次長(特別編集委員)。Webメディア『現代ビジネス』コラムニスト。『現代ビジネス』に連載中の「北京のランダム・ウォーカー」は日本で最も読まれる中国関連ニュースとして知られる。2008年より明治大学講師(東アジア論)も兼任。2019年に『ファーウェイと米中5G戦争』(講談社+α新書)で岡倉天心記念賞を受賞。他に『アジア燃ゆ』(MdN新書)『パックス・チャイナ 中華帝国の野望』『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』(以上、講談社現代新書)など著書多数。

「2023年 『日本人が知らない!中国・ロシアの秘めた野望』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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