令和元年のゲーム・キッズ (星海社FICTIONS)

著者 :
  • 星海社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065169322

作品紹介・あらすじ

寿命が「50歳」と定められた日本が舞台!? 令和初日からYouTubeでライブ執筆した渡辺浩弐の最新作は『ゲーム・キッズ』!

感想・レビュー・書評

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  • 寿命が50歳に制限される“定寿法”によって引き起こされる、様々なドラマを描いたSFショートショート集。

    2019年5月1日、令和の始まりと同時に開始された【執筆生配信】ノベライブ。小説執筆の一部始終をライブ配信で公開し、なんと5月31日まで毎晩1作品ずつ完成させていくというキチガイじみた試みによって出来上がった全31話。本書には各話ごとに執筆動画のQRコードが付属し、今でもYouTube上で視聴できる。当時、配信を見ていたけれど、渡辺浩弐さんの語りが楽しい上に、出来上がった作品のクオリティも高く、毎日が驚きの1ヶ月だったことを覚えている。いやぁ、こんな偉業は後世誰もマネできないんじゃないでしょうか。

    本作の土台にある設定は“定寿法”。50歳までと寿命が定められ、50歳で死ななければならないが、逆に50歳までは生きることが確実に保障されるという世界観。これによって社会のあり方や価値観が大きく変わり、これまでにない人間ドラマが発生することになる。本作ではその「もし……」のシミュレーションとイマジネーションを駆使した、<ゲーム・キッズ>おなじみのあざやかなオチをどっぷり堪能できる。さらに、このテーマは考えさせられるところも多く、これまで以上に含蓄に富む、実りある一冊となっている……のは、読んでいる自分自身が50歳に近づいてきたせいだろうか。

    <ゲーム・キッズ>シリーズは全作読んでいるが、配信も含めて最も思い入れのあるタイトル。お気に入りは〈猫の小判〉。

  • 藤子・F・不二雄の定年退食と似たような世界における人々の生き様を描いたショートショート

    メイド・イン・ヘブンのその先の世界は幸せなのかどうか垣間見ることができる気がした

  • SFショートショート。
    うーん、この作者はもう読まなくてイイかな

  • 50歳を寿命とする一人っ子政策とは異なる人口統制が制度化された世界における社会風景を描いた作品。
    寿命が制度化されたことにより、どう人生を生きるかを考え、生き続けるために必死であり続ける人々の姿は、無限に生き続けることができるようにも思える現代の高齢化社会を風刺しているように感じた。大抵の人々は人生の生き方を考えたり、今を生きることに必死になったりせずに、ただぼんやりと過ごしている。
    この本を読むことで、もし自分が50年しか生きれないのならばどう生きるのだろうか。今のような生き方をするのだろうか。自分の人生を考えさせられる作品だった。

  • 何かのTV番組で古市憲寿さんが紹介していた。
    寿命が50歳までと法律で決められた近未来を描くショートショート。結構ブラックな話が多くてちょっと苦手だった。

  • 政府によって寿命を50歳にされてしまった国を舞台にした、ショートショート集。面白かった。

    ショートショートは1話がとても短いから、1話読み終えると集中力が落ちがちになるのだけど、本書はそれが無くて、ずっと読み続けられた。

    また、SFって小難しくてとっつきにくいイメージがあったけど、この中で出てくる内容はVRやAIなどの身近な科学が多かったから分かりやすかった。

    各話のタイトルの下にQRコードがあって、読み取ると執筆の様子をYouTubeで見られるというのも画期的。その話がどのような過程で出来上がったのか、見ることができる。

  • エロ(←今回は控えめ)グロナンセンスな表現が多々有り。苦手な人は回れ右。令和元年、つまり5月1日から1ヶ月間、インターネット(YouTubeとニコ生)にて執筆の様子と読者(閲覧者)で「定寿法」をベースに、近未来で起こりうるSF的事象を書き上げた全31話。彼のプライベッターでも読めますが、私はアーカイブ動画を見つつ本書を読むのを薦めたい。「ゲーム・キッズ」シリーズは、何年か後にまた読むのが醍醐味。
    私も参加者の一人である(自慢)

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著者プロフィール

小説家・ライター。1962年、福岡県生まれ。1980年代から、映像・ゲーム業界でライターとしてのキャリアを出発させる。『週刊ファミ通』での連載を経て1994年に刊行された『1999年のゲーム・キッズ』で、本格的に小説家としても活動を開始。以後も、デジタルテクノロジーを題材に未来の姿をシミュレートするSF小説集として〈ゲーム・キッズ〉シリーズを手がけ続けている。本書での取材をもとにした〈ゲーム・キッズ〉シリーズ最新作も2023年内に刊行予定。著書に『2020年のゲーム・キッズ →その先の未来』、『世にも醜いクラスメートの話 渡辺浩弐ホラーストーリーズ』(ともに星海社FICTIONS)など。

「2023年 『7つの明るい未来技術 2030年のゲーム・チェンジャー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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