現象学の理念 (まんが学術文庫)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065189498

作品紹介・あらすじ

「へい、おまち!
 現象学的還元ラーメン一丁!」

ラーメンを食べたとき、あなたは何を思いますか? 「出汁はなんだろう?」「この値段でこれなら合格!」とか? いえいえ、まずは「うまい!」あるいは「まずい!」と思いますよね? ーー20世紀哲学の源流となった、フッサールの「現象学の理念」をラーメン屋のラーメン作りを通してわかりやすく解説。面白く、まんがにしました。難解な”現象学”が美味しく学べます! 読んで賢くなれる。本当に「うまい!」一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • Amazonでおすすめに出てきてつい気になってしまい、読んでしまいました。

    内容は興味深かった。現象学とは何か、何も知らない状態でしたが、ざっくり且つ限定的ではあるが理解できたし、終盤の科学と現象学が合流する流れは歴史も感じられ、連綿と続いてきた叡智の営みに思いを馳せることもでき、面白いです。

    本来であれば星4か5なのですが、漫画としての完成度を見た時に、絵柄と構成面で何とも言えなくなったので、その内在を加味しました。

  • 漫画で読んだら現象学の一端がわかるかと思ったが、よく分からなかった。一つ一つ言っていることは頷けるが、通してみるとよく分からない。せっかく漫画にしてくれているのになあ。

  • 哲学ガイドって好きです。たくさん読むと実用に足りる。世界観を広げたり修正できる。それで、もう20世紀にははっきりしていたけど、人類の知恵の暴走問題。大筋、倫理観と目線の二つの問題がある気がする。それで目線。人間目線だよね、ていう。それだと環境さんに不都合かもとかって色々出てくる。モノの目線が必要かもと。そうすると生産だけでなく発生も利用する割合が増えるかもで、仕組む仕事で地球負荷を下げられるかも?大袈裟かもだけど。現象学はそういう視線を身につける学びの一つだと思う。

  • ●何も考えず、素直に美味いと感じた…フッサールと言う哲学者が自分の哲学の基礎に置いた「現象学的還元」と言う手法を実行して純粋直感による「快」を直接観取したのだ。
    難しいことを全くしなかった、ということ。
    今まで持っていた既成概念の全てを一旦消してしまい、素で「うまい」という「快」に接してほしいのだ。
    ●酸化鉄や酸化銅を還元して、純鉄や純銅にするみたいな作業だから「還元」
    ●フッサールは自分の現象学を展開するにあたって、その基礎中の基礎にデカルトの「方法的懐疑」と言う手法を導入した。
    ●デカルトは、世界の実在を証明するためにまずは世界の全てを疑った。実在だと単に思い込んでいるだけかもしれないものは、一旦全部捨ててしまわないと、証明など不可能だからだ。
    ●デカルトの神の証明。完全な存在としての神がいるから、私の頭に「完全」の概念が浮かび、だから私は自分が何もかも疑ってばかりの不完全な存在だと知ることができる。
    ●デカルトの「世界の実在」の証明。神は完全だから誰かを騙す必要がない。だから我々に幻を見せるわけがない。したがって我々が見ている世界は実在する。
    ●われわれは「実在」とかいちいち考えるまでもなく、見たり触ったり匂いをかいだりして実在を受け入れている。だが我々が受け取っているのは「現象」ではないか?フッサールは実在ではなく現象を研究した。
    ●形而下は人間が感じたり経験したりする事で形作られている現実世界の事。形而上はさらにその奥にある"目に見えない形のない何か"
    「形而上学」はその"何か"をとことん探っていって、形のある世界の奥に潜む根本原理を見つけ出そうという学問だ。
    ●フッサールは、主観・客観の図式を止めて、内在・超越の図式に変えることを提唱した。
    ●従来の「主観・客観」図式を止め、「内在・超越」図式に変えたのは、とにかく内在だけで作業したいからなのだ。科学は、客観的実在世界があることが大前提。

  •  内在と超越、現象への確信…そんな講釈を垂れるラーメン屋、というなぜそこに辿り着いたかわからない設定で解説されるフッサールの現象学。
     現象学と関連・対立する哲学についても簡単に解説され、また今なぜフッサールなのか、という点があくまで戯画的に描かれる。
     その筋の人には自明だったり、反駁したい箇所があるかもしれないが門外漢には非常にわかりやすく、かつ興味をもちやすい内容だった。

  • 構成は面白かった。

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