- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065189894
感想・レビュー・書評
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本書はさまざま形で散骨をされた遺族の方のルポ。
ご本人が望んで…というケースが多いけれど、全体通して残された方の気持ちの整理という意味合いが強いと感じた。
身内を亡くした時、深い悲しみって消えないんだなと気付いた。
日々の暮らしの中で、薄れたと思ってもちょっと奥に移動していただけで突然生々しい感じで襲ってくることがある。
遺骨はお墓に納めて土に還すのがよいとお坊さんは言っていたけど、ちょっぴりいただいているのでいつか私も天気の良い日に故人の好きだった場所にサッと撒いてみたい。
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『目の見えない白鳥さん〜』『パリでメシを食う。』に続き3作めの川内作品。
愛する人を散骨という形で送ることにした人たちのお話。
川内さんの書くさっぱりした文章が好きです。
パリの話を読んだときからすごい人だなと思ってたけれど、
今作の描き下ろしのお父さんの話を読んですこし納得しました。
悲しみのない世界は愛や喜びのない世界と同じ、て言葉がすーっと胸に入ってきました。
いつか自分の周りの大切な人を見送ることになったときに、またこの本を手に取りたいと思います。 -
川内有緒さんの文章って、自然体で、優しくて、どこか包み込むような印象を与えてくれる気がします。
重い題だなと思いながら手には取ったものの、良い意味で先入観を打ち砕いてくれました。
死者との向き合い方のあるべき論でも、ただ悲しみを書き連ねるでもなく、5組の家族の愛する人の死との向き合い方や、故人の生き様が優しい文章で綴れていました。
別れは、避けては通れない道。
頭では分かっていても、いざ対面するまで向き合い方を考えるのって難しいと思うんです。でも、この5組は、突然愛する人の死が差し迫った時、誰に聞くでも相談するでもなく、自然とそれぞれのやり方でベストを尽くして、それぞれの方法で弔っていました。
死との向き合い方に正解はないし、十人十色で良いんだなと思え、勇気をもらえました。
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文庫(文学以外) -
"「もしかしたら、あいつは俺にうんざりしてたんじゃないのかなあ。俺もあいつのことは、表面的にしか分からないのかもしれない。あいつはどんな女だったのか。幸せだったのか、うんざりしてたのか。すべては推測にすぎないんだ。夫婦なんて他人だよねえ、結局」"(p.104)