虚構推理(13) (講談社コミックス月刊マガジン)

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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065200919

作品紹介・あらすじ

『絶園のテンペスト』城平京 原作! 怪異達の知恵の神になった少女と、怪異にさえ恐れられる男が、怪異に挑む[恋愛×伝奇×ミステリ]!!  “怪異”の知恵の神になった少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、“怪異”にさえ恐れられる男だった!?  2人に振りかかる奇想天外な事件と、その恋の行方は――!?

【こちらの3シリーズを収録!】
元妻殺しの容疑をかけられた男の無実の罪を晴らすため、雪女は琴子に相談する。しかし、琴子の語る仮説は想像を絶するものだった――… 圧倒的人気を博した「雪女のジレンマ」堂々完結!

九郎が主役?の短編「よく考えると怖くないでもない話」、
琴子と六花が過去にタッグを組んだ新章「見たのは何か」も収録!!

感想・レビュー・書評

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  • 12巻から引き続きの『雪女のジレンマ』の解決編。アリバイがあったのにその証人が雪女だったため、警察にそれを主張できない昌幸をめぐる殺人事件の話。琴子が二人の仲を確かめ、昌幸の再起を促すために虚構の推理を披露するというのがこの作品らしい。

    「知恵の神として雪女の頼みをかなえないわけにはいきません 単に事件を解決するだけでは あなたを助けたことにはならないでしょう」という言葉がよかった。昌幸と雪女の仲睦まじさは和むね。昌幸の凍てついた心を融かしたのは、雪女のあたたかくて一途な想いだったというのがなんともロマンチック。

    短編の『よく考えると怖くないでもない話』は、いわくつき物件の荷物整理を請け負った業者の話。そこで九郎がバイトしていると、これはもう大丈夫だなって思っちゃうのが面白い。怪異は人間を怖れ、人間は怪異も人間も怖れ、本当は何が怖いんだろうと混乱してくる(笑)
    この話は九郎の「切ろうと思って切れる縁は縁じゃないよ」ってなにげない一言が好き。

    新章『見たのは何か』は、過去に琴子と六花がタッグを組んで謎解きをした話。パーキングで起こった殺人。通行人に見せつけるようにナイフを何度も突き刺していた犯人と、それを歩道橋から目撃したにもかかわらず、通報せずに歩き去った男・駒木の謎。琴子と六花というくせ者タッグがいかに事件を解決するのか楽しみ。

  • 虚構推理(13)
    著作者:片瀬茶柴
    発行者:講談社
    コミックス月刊マガジン
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  • 異種族、異形が人間と関わるお話を書いていく上で避けては通れない異種族恋愛譚。「雪女のジレンマ」ではミステリー要素に上手くその要素を絡めることで綺麗に異種族恋愛譚を成立させているね

    異種族と人間が恋をする上で障害となることが多いのは価値観のズレであったり、寿命差であったりするのだけど、本作ではここにアリバイ証明が必要な殺人事件を交えることで独特の視点から異種族恋愛の危険性を語っているね
    雪女では時間の感じ方が人間と異なる、また自分が妖であるために警察に証明を行うことができない。12巻を読んだ時点ではこの辺りがアリバイ証明の問題点になってくるのだろうと想像していたのだけど、妖達の調停者である琴子としては事件の解決よりも先に妖が人間と関わる上での危険性を見出すとは思わなかったな
    琴子が最初に語った推理は結局脅しとして機能したわけだけど、時と場合と人が異なれば絶対にありえないと言い切れるわけでもない。
    だから昌幸人間不信を解決するための手段としてこの事件を利用した
    琴子が語った虚構、語らなかった真実。この場において琴子は事件の真実よりも雪女の幸福を優先したというわけだね


    第34話は……箸休めなのか、随分と穏やかなエピソードになっているね。ノリとしては第14話「よく行く店」が思い出される
    この話はどちらかというと登場人物ではなく、読者を騙す目的で描かれているのかな?見事に騙されてしまったよ
    いわくつきの物件、妖が避けて通る九郎の存在。こういった要素が揃えば、そこは確かに怨霊に取り憑かれているんじゃないかと当然のように思い込んでしまう。それがまさかあのような俗な動機が隠されているとは思わなんだ
    ただ、このエピソードで一番驚かされたのは琴子の存在だったように思うよ!あの表情は卑怯すぎるわ(笑)


    今となっては相容れない天敵となった六花と琴子が協力して事件解決に当たった過去が描かれる第35話
    事件概要は少し語られるけれど、概要が語られる前後の性欲やら激辛担々麺の印象が強すぎるね…

    意図的に殺人行為を目撃させたと思わしき犯人、殺人を見ながら何も言わないままの目撃者
    それぞれの思惑が読みきれないこの事件にどうやって虚構が絡むのか、そして六花はこの事件を通して琴子の性質をどのように観察することになるのか、結果が興味深いね

  • 「雪女のジレンマ」は完結
    経緯はハッピーではありませんでしたが、最終的に
    納得のいく形に収まりました
    二人は 妖怪と人間、これから先 結婚することも出来ないだろうし、昌幸の方が先に死ぬことになるでしょう
    二人がこの先 どうなるかわからないけれど、二人が結ばれて ひとまず よかったです
    ただ 主人公の琴子が恋人関係が上手くいっていないのに その周りが上手くいっているのは皮肉なものですね
    (学と小鳥、昌幸と雪女)
    琴子と九郎の縁も上手くいきますように

    「よく考えると怖くないでもない話」は今回 バイト先での九郎の話でした
    九郎がバイト先の人に琴子のことをストーカーのように言って 少し うなりかけましたが
    「縁を切った方がいい」というバイト先の人に
    笑って「切ろうと思って切れる縁は縁じゃないよ」って言ったので全て 持ってかれました
    八割方 この人が原因なんですがね
    この人も 大概 人を振り回すタイプですね
    散々 悪く言っても 最後にこれだからなぁ〜(ニヤニヤ)

    結局 琴子が 九郎に取り憑く悪霊と思われたみたいですが・・・
    まぁ 九郎からしてみれば 似たようなものかもしれませんね

    「見たのはなにか」 九郎と琴子の遊園地デートから始まり、六花さんがまだ琴子宅に居て、鋼人七瀬事件をおこす前の回想編
    琴子と六花さんのタッグ
    なんとも危なそうな女二人が事件に挑みます
    将来的に二人は敵対する訳ですが、協力すれば
    これ以上ないくらいの最凶にして最強のタッグですね
    (犯人の方は大丈夫だろうか)

    おまけ漫画は私としては 琴子と九郎の絡みを見たかったので 残念です

    今回は全部の話において面白かったのですが、 九郎と琴子の二人が主役の話ではなかったので 少し残念です

  • 雪女編決着。虚構推理はほんとーにミステリとしてきちんとしていて、かつ漫画としての面白さ・絵の綺麗さも水準以上で素晴らしい。次巻も期待。

  • 雪女のジレンマ編完結というところで、解決の仕方はちょっと引っかかるけど、雪女が可愛くて仕方ないのですべてが収まる。あと、最後の方の律子さんと謎を解き明かしに行く話が、律子さんに少し人間味を感じられてよかった。

  • いや、前巻予告で何か不穏な描写が有ったんでどうなるかと気を揉んでいたんだが・・・。
    この作品人が死ぬときには簡単に死ねし、一番怖いのは人間だともなっているしで、簡単なハッピーエンドにはならないので。
    何気に個人的には最後の話が一番怖かった。
    まだ終わってないけど。

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著者プロフィール

【片瀬茶柴(かたせ・ちゃしば)】
本作にてデビュー。

「2021年 『虚構推理(15)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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