- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065207765
作品紹介・あらすじ
死にたいほどつらくて苦しい時、人は何をするのが最も良いのか?
躁鬱病を患う著者が、「死にたい人」からの電話を10年受け続けてわかったこと。
【著者メッセージ】
090-8106-4666
これは僕の携帯電話の番号です。
僕は「いのっちの電話」という、死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービスをやっています。もちろん無償です。本家本元「いのちの電話」がほとんどかからないという現状を知り、2012年に一人で勝手にはじめました。1日に5人ほどかけてきます。なので、1年だと200人弱。もう10年近くやっています。
なんでこんなことをはじめたのか。
なぜなら、自殺者をゼロにしたいと思っているからです。
自殺者がいることが当たり前になってしまっている。そのこと自体が異常なのではないかと僕は思います。もちろん、それぞれの人生はそれぞれに決めることができるので、自ら死にたい人を止めようとするのはどうなのか、それも人間の自由ではないかと思われる方もいると思います。
僕も何度かそう言われたことがあります。そう言われれば、わからないことはありません。いや、どうかな……やっぱり納得できないところがたくさんあります。
なぜなら僕自身も死にたくなるからです。
あなただけではないんです!
もちろん、1年に何万人もの電話を受けることはできません。僕にできるのは1日に10人が限界だと思います。そこで、いつも電話で話していることをこの本に書いてみることで、電話だけで対応できない人々にも、死ななくてもいいんだと感じてもらえるのではないか。
そんな気持ちからこの本を書くことにしました。
【目次】
1章 反省禁止!
熱が出ている時と同じ/体からのメッセージ?
2章 24時間、悩める人
すべて僕自身の経験/悩むこと自体は悪くない
3章 不滅のジャイアン
気持ちいいかどうかを確認する/細かな願望に気づく
4章 とても、苦しい時に
10分、悩みまくる/朝ごはんだけ、つくってみる
5章 「いのっちの電話」から
明けない鬱はない/周囲に漏らしていい
6章 自殺者をゼロにする
ただの絶望ではない/警察署の刑事からの電話
7章 天下一の生真面目人間だから
暴力をうまく活用する/死にたい人はサボらない
8章 僕の毎日の過ごし方
どんな時も歌を歌う/迷わず仕事をやめていい
9章 苦しみ自体が力となる
企画書をつくる/毎日1時間でいい
終章 悩むのは、才能の一つ
積み重ねが自信につながる/続けることで変化する
感想・レビュー・書評
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「2030年までに自殺者をゼロにしたい」著書の願い。そのために著書は自分の電話番号を公表している。それがすごい。
「死にたい」と思ってしまう人も、その人を支えている人も、「自分だけがこんなに悩んでいる」と、孤独になると「死にたい」が湧いてくるので、「電話して。話そう」と、著書は語りかけてくれる。
「双極性障害」当事者の坂口さんの文章は正直で真摯。鬱状態の時のマイナス思考のエンドレスを止める方法は、具体的なので、役に立つ。
坂口さんの、
「行動だけは変えられる」
「死にたいときは産みの苦しみを味わっている」
「死ぬか生きるか、ではなく、死ぬか産み出すか、死ぬかつくるか、と考えると少し見え方が違ってきませんか?」
「悩むことが、死にたいと思うことが、なんだか血迷っている人、くよくよしている人みたいに世間から思われていそうで(実はみんな悩んでいますので、そんな世間はそもそもないのですが)なんだか恥ずかしいみたいに感じている人が、死にたいと感じ、そのまま死んでしまっているのではないか?」
「お互い話し合えるだけでいいんです。こんな簡単な解決法があるでしょうか?お金もかからないんです。僕は携帯電話だけで全然やれています。死にたいという経験さえあれば、その対話が実現します。」
「死にたい」という気持ちは誰にでもあるが、タブーみたいになっていて誰も話しません。
「110とか119のように、09081064666を使ってほしいなと思います。ぼくは、自分が自殺しないために、生きるために、つくるために、「いのっちの電話」をやっていると言ってもいいでしょう。最後のチャンスがあるのであれば、どうか、ぼくにそれをくれませんか。死にたいと感じることがいかに大事かを一緒に話したいなと思っています。もちろん日課も考えましょう」
という考え方に励まされました。鬱で、しんどい思いをしている方に光が届けられますように。
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著者の坂口恭平さんは、昭和53年生まれなので、現在は42歳位。
この著者がすごいと思うのは、個人の携帯番号を公開して、電話相談をされていること。
それも、10年近く続けているようだ。
使命感がなければ、とてもじゃないが出来ない。
その使命感は、産経書房(10月10日朝刊)によると、
「目的は自殺がなくなること。感情を吐き出すことができたら癒やされる。今は感情を吐き出せる場がないんです」とのこと。
著者は、双極性障害(躁鬱病)とのこと。
苦しい時期の過ごし方を提案されている。
・反省するのをやめる。
・頭を使わないで体が気持ちよくなる行動をする。
・10分休まずに悩んでみる。
など。
「考え方も思考も性格も変えられないけれど、行動だけは変えられる」
●2022年3月12日、追記。
本日の聖教新聞によると、著者は熊本県生まれ。
電話相談の名称は、「いのっちの電話」。
その「いのっちの電話」は、2012年に開設。
開設以来、2万人から電話を受けてきたという。 -
苦しいときは、まずはこの本。
死にたい気持ちがあったら、この本を読めば、何か生きる方法を思いつくはずです。
僕は少しだけ、視界が明るくなりました。-
イナゾーさんへ
はじめまして。
この本を読んで視界が明るくなったのですね!良かったです( ^ω^ )イナゾーさんへ
はじめまして。
この本を読んで視界が明るくなったのですね!良かったです( ^ω^ )2023/01/08 -
初めまして。コメントありがとうございます。
とても視界が明るくなりました!
オススメの一冊です!初めまして。コメントありがとうございます。
とても視界が明るくなりました!
オススメの一冊です!2023/01/08
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本当に死にたいって思ってる人に寄り添ってるなと。同じような本は沢山あるんだけど、この人の言葉でしっかり書いてるから入ってきやすい。私と同じ考えの人がいるんだなって思えるだけで楽になる。
人間、死にたくなる程の仕事や辛いことに真摯に向き合わなくても、食べていけるぐらいのお金を少し稼いで楽しく生きていけばいいんだなって。頑張ることも大切だけど、頑張らないとと自分はまじめで厳しく生きてきたから生きづらいんだもんね。少しぐらい自分を甘やかしてあげてもいいやって気持ちで生きていこう。
にしても著者について気になってyoutubeで拝見したけど、思ってたのと違ってびっくりした笑
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内容、文章共に、読ませる本でした。
人生のピンチの時、この本に出会える人はラッキーですが、なかなか難しい。
一人でも多くの人に、この人の事を伝えていきたいと思えた。 -
苦しい時は電話して
◦ はじめに
死にたいと思うのは人間誰だってある、だからこそ対処できるのではないか
鬱状態は脳の誤作動
他人の力を借りる
◦ 1章
死にたいと思う→身体からの休息のメッセージ、なんとしてでも休ませるために何もできないように身体自身がしている→熱が出てる時と同じ
死にたいって思うときはなんでも反省してるとき
反省禁止!
◦ 2章
過去にフォーカスしてなんでも反省してる
死にたい人は24時間悩み続けている
悩むことはダメなことではない
反省をやめられないのは身体がそうしようとしているから
◦ 3章
死にたいと思う時の過ごし方
身体が気持ちいい、心地よいと感じることをする
死にたいのなかにある細やかな願望を見つける
悩むのが苦しいそれから解放されたいから死ぬ
死ぬことが気持ちいいと思いこんでいる
◦ 4章
3章続き
いつも通りのふりをしてとりあえず行動してみる
死にたい=妄想 しかし、死にたいと感じたきっかけ自体は妄想ではない
◦ 5章
実際の電話での会話
死にたいと思っている人=固まった思考回路にいるだけ、本当に死にたいと思っている人は少ない
読書=他人と会わずに他人と会える
◦ 6章
実際の電話から→悩んでいる人は混乱している
政府のいのちの電話→実際につながったのは6%
死にたいと思うことは誰にでも起こりうることで、普通のこと
◦ 7章
やりたいことはとことんやる、禁止しない
死にたいと思うことで、本当に死ぬことを回避している→気持ちを落ち着かせている
死にたいと思う人は真面目な人
他の思考回路をつくる
死にたい=今に満足していない=向上心、何かしたい
◦ 8章
筆者の過ごし方、筆者自身の死にたくなったときの対処法
自分の心情や状態を素直に伝える
やりたいことだけをやる
筆者の今のタイムスケジュール
死にたくなるけど死なない
◦ 9章
死にたいと思う人は何かつくることに向いている
創造する=苦痛や死にたいと思う力が原動力になる、生きたいと思うきっかけになる
◦ 終章
悩むを考えるに置き換える→想像的な時と同じ状況
アウトプット
時間を過ごせないのは時間を決めてないから
悩むことは創ること→悩んでる時は身体の中から言葉が湧いている状態→それを文字に起こしてみる→考える力、才能、
◦ 終わりに
今までのまとめ
人生に意味はない -
終わったことはしょうがない。反省はしない。そうすると楽になる。なんであんなことしたんだーって思わないと楽だよな、たしかに。
かっこいいな、坂口さん。本気で自殺しようとしてる人のことを考えてるのが伝わってくる。
体が気持ちいいと感じることをする。人生に意味なんてないんだから。死ぬまで生きる、それだけ。
ずっと悩み続けることができる。それってすごい。なんとか今の状況を変えたい、何かやりたい、という向上心があるということ。それを別のエネルギーに変えられれば。
だから悩んでるってことは向上心があることの裏返しなんだよな。
不安になってる時は、悩んで言葉が勝手に湧き上がってきてる。ひたすらアウトプットしてる時。それをつくるってことに変えるのか。エネルギーはありあまってるんだよな。 -
躁鬱病を患う著者が、自殺者をゼロにしたいという思いから始めた”いのっちの電話”
死にたくなった人から話を聞き、アドバイスまでしてしまう。
“明けない鬱はない”と語る著書なりの考えが書かれた本。
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電話番号何回載せるねん!って感じだけど、ほんとに苦しい時は電話してほしいです。誰かと話して気づけることもたくさんありますから。やっぱりアウトプットは大事ですね。