仕事と人生 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065218419

作品紹介・あらすじ

「仕事ができる人」とは?「部下がついてくる人」とは?
「剛腕」「鬼上司」「不良債権と寝た男」…悪評を物ともせず、時代の先を見通し、
今何をすべきか腹の底から理解していた男は、人の真価を見抜く天才でもあった。
2020年9月に世を去った「ラストバンカー」西川善文の遺言。
厳しさと優しさが同居する珠玉の言葉の数々。
いつの時代も変わらぬ本物の仕事術がここにある!

仕事ができる人は、頭の中がきちんと整理整頓できている
どんな問題でも、それほどたくさんの急所があるわけではない
仕事の出来は70点で手を打つ
何もかも自分で引き受けず、他人の力を借りる
ひとりの人間として人間関係を作る
一つ上の立場で考えるかどうかで差がつく
部下を育てると同時に自分も成長する
序列や役職で相手を見てはダメ
机上でわからないことが現場にある
やるべきことを断行する勇気を持つ
特別な人脈より有効な人脈を持つ
人の目が届かない仕事で甘えてはいけない
お客に一方的にしゃべってはいけない
相手は何が得意かを知っておく
状況が悪いと逃げ出す人間は下の下
ピンチをチャンスにすれば大きな変化を作り出せる
「瞬間」だけ見ていたら気づけない
見たくない現実こそ直視する
「一緒に頑張る」はかえって危険
自分でやるしかないと心に決める

<目次>
第一章 評価される人
第二章 成長する人
第三章 部下がついてくる人
第四章 仕事ができる人
第五章 成果を出す人
第六章 危機に強い人

感想・レビュー・書評

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  • 「仕事ができる人」経験者が語るこの書は、「雇われ社長」と「創業者・独立社長」とは違った観点も多い。これはどちらかというと前者の立場での見方、考え方、捉え方が多く、両方に共通することは次の3つ。1、何事も簡略明瞭 2、決断と勇気 3、行動と執念(情熱)ではないだろうか。

  • ジジイの回顧録と読むか、日本生粋の銀行マンのありがたい言葉と読むか、それで評価は真っ二つに分かれるだろうと思うが、概ね、良い本だった。
    いわゆる団塊世代より上の戦前生まれで、バブル期のころに最も高い役職にいた世代。つまり崩壊後の不良債権や合併など、銀行の地位は地に落ち、あらゆる株価がさがり、不良債権の連続のなかで、銀行としてどう生き抜いてこられたかというところが話の筋だが、
    本の趣旨としては、仕事のできるやつの器の広さを、自分の経験から語っている感じ。
    自慢話に近いが、日本に生きるひとのなかでも屈指の偉い人の話なので、特別なものを感じる。

  • えらい肩書きのバンカーさんのインタビューを元に構成された本だとか。その為か難しい用語が少なく簡潔明瞭な仕事論に感じた。これは悪い意味ではなく、6割をスピードを持って処理するとか、8割情報集めたら判断するとか仕事の原則に沿っているのではなかろうか。ただ、この方の場合粉飾決算を見抜くスキルという必殺技みたいなのも功を奏したと思える。
    偉大なる先輩を奉るだけでなく実力ある後輩にも賞賛の弁を述べているし、恩人であっても断を下す辺りにこの人の公平性が美点に見える。

  • 印象に残った箇所については、以下のとおり。

    【P10】では、シンプルに考えるにはどうしたらいいか。まず、頭の中を整理整頓する。次に「本質」をつかみ、そらを基点にして絞り込む。そうするとポイントは一つか、二つ、多くても三つまでだろう。四つ、五つになると、焦点がぼやけているから考え直すべきである。

    【P21】人の力を借りるということは、自分が人に力を貸す存在であることが基本である。いつも助けを求めてばかりだと、いずれは相手にされなくなる。ビジネス社会の人間関係はギブ・アンド・テイクで成り立つからだ。

    【P29】得意分野を持つと言っても、その内側に特化するのではなく、得意分野を軸として仕事を広げていくことが大事なのではないかと思う。

    【P39】人間には「心の壁」というものがあるように思う。心のどこかで「できないのではないか」と感じている間は難しくても、「なんだ、できるじゃないか」となったら難しくなくなる。

    【P62】「難しい問題に直面したとき、厳しい状況下に置かれているときは、上に立つ者が火の粉をかぶってでもやらなければ、危機を打開できない」
    これが私の信条である。

    【P113】「ここぞ」というときに勇気を発揮できるかどうか。それは組織の命運を左右する岐路となる。

    【P133】お客さまの信頼を培うポイントは、第一に「この人は本当に自分たちの会社のことをよくわかっている」と思われることだ。では、何をもって「わかってくれている」と思うのか。自分の会社のこと、あるいは自分たちが属している業界のことについて「よく勉強している」と感じれば、多くの人は信頼感を持つものである。

  • 一般的な事しか書いてない。
    銀行員にしか分からない話もあり一般受けはしないのではないか。

  • 2020年に亡くなった、三井住友銀行や日本郵政の社長をされて西川善文さんの回顧録。

    眼光鋭く、愛想笑いをしない西川さんは、人気がないという人もいましたが、トップである以上、決断が下請けや取引先を含めて何万人、何百万人という人に影響すると考えれば、その重責は如何ほどのものてしょうか。
    逆に最近の政治家の様に、ヘラヘラ笑っているトップの方が信用できません。

    物事をシンプルに考える。
    スピード感を持つこと
    など、今では当たり前の考え方もありますが、

    過去の成功に学ぶのではなくて過去の苦労に学ぶ

    これが、自分の中でストンと落ちる言葉でした。
    人は成功体験を忘れられないですから。
    勝って兜の緒を締めよですかね。

  • 下手なhow to本よりもよほど仕事への考え方がよく分かる。実際に出来るかどうかは別として目指すべき一つの考え方であると思う。

  • バンカー西川氏の会社人生が振り返られる。
    仕事のできる人の特徴や良い上司との巡り合い、大きな難問への対処と責任の取り方がよくわかる。

  • 元頭取の西川善文による啓蒙書。

    成功した人の説教を聞いてる感じで、自分のこころには響かなかった。

  • 元三井住友銀行頭取にして元日本郵政社長の氏。
    新書ではあるが、読み応えは十分だった。
    まず、住銀そして戦後の日本経済を語る上で必ず出てくる歴史的なエピソードとの大きな関わり。例えば平和相銀・イトマン事件、住銀磯田会長へのクーデター事件、安宅産業破綻と伊藤忠への合併等だ。
    そして、僕的には数々の名言があり、心動かされた描写は山ほどあったかな。例えば、氏が駆け出しの頃の現場主義の描写、誰が言ったかではなく何を言ったかという人の評価の仕方、仕事が出来ることの意味とその男の例として登場するSMBC元常務でラグビー日本代表監督だった宿澤氏の話、ごますり部下の排除の仕方、スピードは最高の仕事の付加価値・・・等々だ。
    新書というコンパクトの本なのに得られた示唆は多大、素晴らしい本だったね。

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著者プロフィール

三井住友銀行元頭取、日本郵政元社長。1938年奈良県生まれ。1961年大阪大学法学部卒業後、住友銀行に入行。大正区支店、本店調査部、融資第三部長、取締役企画部長、常務企画部長、専務等を経て、1997年に58歳で頭取に就任し8年間務める。2006年1月に民営化された日本郵政の社長に就任するも、政権交代で郵政民営化が後退したため2009年に退任。著書に『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』(講談社文庫)などがある。2020年に死去、享年82。

「2021年 『仕事と人生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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