十角館の殺人(3) (アフタヌーンKC)

  • 講談社
4.06
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065226612

作品紹介・あらすじ

「角島青屋敷 謎の四重殺人事件」で謎の死を遂げた建築家・中村青司が「島」に建てた十角形の奇妙な館を、大学のミステリー研に所属する七人――エラリイ、ルルウ、アガサ、カー、ヴァン、ポウ、オルツィが訪れる。到着した次の日、中央ホールのテーブルに「第一の被害者」「探偵」「殺人犯」……と書かれたプレートが置かれていた。誰かの悪戯だろうと目されていたが、「第一の被害者」「第二の被害者」が次々と現実のものとなり、「島」のメンバーは否応なく「犯人探し」をすることに――。
一方、「本土」では、死んだはずの「中村青司」から手紙をもらった江南と行動を共にする島田が、「謎の四重殺人事件」の真実に迫ろうとしていた。

第22回日本ミステリー文学大賞受賞の綾辻行人と、美しさの中に影がある絵でイラストレーターとしても活躍する清原紘がタッグを組んで贈る、本格ミステリの金字塔をもとにした「コミックリメイク」!

感想・レビュー・書評

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  • 漫画喫茶で読みました。
    漠然と、この巻で終わるのかと思っていた。

    紅次郎さんの独白と第3、第4の殺人事件発生。
    ドイルの部屋に入ったならパンツくらい探しなさいよ!
    あれだけ散らかってるなら1枚や2枚落ちてるだろうに。

    3人目の犠牲者はアガサ。
    死因は毒殺?
    口紅に毒が塗られていたのか?

    4人目の犠牲者はルルウ。
    死因は不明。
    実はコチラが第三の犠牲者。
    なんだけど、こういうのって順番通りに殺されているって思わせるためのフェイクだったりするので、どうだろう。
    また、劇中ではまだ死体は確認されておらず、扉に「第三の犠牲者」札が掛かってるだけ。
    (読者視点では死んでるっぽいシーンが見える。)

    残るメンバーは
     エラリィ
     ポゥ
     ヴァン
    の3人。
    残る札は
     探偵役
     犯人役
     第五の犠牲者
    の3枚。

    で、この時点での自分の予想:

    やっぱり中村千織は中村青司の実の娘だったのでは。
    「お前たちが殺した中村千織は私の娘だった」ということは、手紙を出したのは実父と考えられる。
    でも紅次郎は手紙を出していない。
    青司も本当は紅次郎の娘ではないかと疑っていたところに千織が死亡し、その処理の過程で自分が本当に父親だったことが発覚。
    同じく紅次郎の娘だと思っていた妻を殺害(不貞を働いた事実は変わらない)し、実娘を殺したサークルメンバーも殺そう、となった。

    メタ的に考えれば冒頭の語りが「何の疑いも抱かずに彼らはやってくる」なので、犯人は最初から島にいた人間と考えられる。
    よって、やはり中村青司・・・か、先に島に来ていたヴァンも怪しいか?

    ただ、ミステリーとしては内部犯の方が面白いんだろうなぁっていう視点からヴァンなのかな。
    手紙は上述の理由で中村青司がやったことに見せかけるためのフェイク。
    (流石に「やっぱ隠れて生きてた中村青司が犯人でした」は推理する意味がなくなる気がするし。)

    現時点での不明点:
    一巻:
    オルツィの指輪。
    吉川夫人の指輪にもフォーカスが当たってたけど何か関係があるのだろうか?

    二巻:
    カップの取っ手の向きが1つだけ逆を向いてるのは何か意図があるんだろうか?
    カーって左利きなんだっけ?
    それなら第二の犠牲者のターゲットがある程度しぼれる・・・けど、流石に博打が過ぎるか。

  • 島田と江南によって、中村青司の死の真相が掘り返される。焼け落ちた青屋敷に秘められた暗黒に光を当てた二人。その一方で、惨劇が続く十角館は闇の中へと沈み込んでいく。死の連鎖は食い止められるのか。

    原作既読ながら、中村青司絡みの謎が明かされるシーンはぞくぞくした。あの影を使った演出の迫力が素晴らしい。射すくめられた紅次郎の気持ちがわかる(笑) 島田、容赦なし!でも、あくまで謎に対して貪欲であって、紅次郎を責め立ててるわけじゃないところがいい。島田から投げかけられた罪の一言。彼はどう背負って生きていくのだろうか。紅次郎と青司の電話でのやり取り、青司にとっての千織の死の意味はシリーズを通して読んでいくと、胸が痺れるように突き刺さる現実になる。

    そして、島では疑心暗鬼が深まっていく。混乱の中で見せたアガサの涙。こういう表情の奥行きを知ることで、さらにドラマも深まっていく。回想シーンで海難事故の謎へも少しずつ迫っていく。カルネアデスの板ってことなのかな?それとももっとドロドロしているのか。単なる事故というわけではなさそう。過去を手繰り寄せ、さらに犯人への手がかりらしきものを目撃したルルウ。危険を知ってもなお見つけようとした光景とは何だったのか。いよいよ事件も佳境に差し掛かる!

  • 漫画にするのが難しい内容の小説なのに、面白く美しく描かれていて凄いなと思いました。
    相変わらず清原紘さんの出す雰囲気は素敵です

  • 清原紘さんの絵が綾辻行人さんの作風に見事に合っている。
    小説のコミカライズは増えてきたけれどこのシリーズが1番好きかもしれない
    ちょっと耽美的な絵がじわじわと進む展開により緊迫感をもたらしてくれていると思います。

  • 絵がついたことでかなり好きなキャラになったアガサが死んでしまってめちゃくちゃ悲しい。。

    犯人側の心の声を書きつつも、犯人だと解らないようにしている書き方が上手いなと感心しました。もっと人数が減らないと、初見の人は絶対犯人わからないだろうなぁ。

    初見で謎を味わうのもいいだろうけど、小説を読んで結末を知った上で読むのもこの作品は楽しめて良いですね。

  • 本筋とは全く関係ないけど、原作シリーズ既読してるので表紙のダリアが…

  • 清原紘さんの絵が綺麗

  • 草木の名前に疎い自分でも漫画だと島の様子がよくわかって読んで良かったと思った。

  •  3巻なので基本構造は割愛。
     原作小説は昔に読了済みではあるが、コミカライズの掲載誌は読んでおらず、コミックスのみで読んでいると内容は把握しにくい。
     特別全巻までのあらすじのようなページもないし。

     原作を知った視点で読んで、気になる描写がいくつか。
     大胆な改編もあるわけで、トリックそのもが漫画的にアレンジされている可能性も視野に入れて読むべきか。

     一つの大きな話の途中から始まって途中で終わっているわけで、なかなか感想も書きにくい物だが・・・。
     コミカライズだからとテンポを優先して内容を間引かれるよりいいけれど、前巻までのあらすじはほしい・・・と、ここで言っても仕方がないが。
     鬼が笑う話ではあるが、この構成で「館シリーズ」そのものが紡がれ続けるのかも気にはなる。

  • ♯14
    ♯15
    ♯16
    ♯17
    ♯18
    ♯19
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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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