- Amazon.co.jp ・マンガ (162ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065226612
作品紹介・あらすじ
「角島青屋敷 謎の四重殺人事件」で謎の死を遂げた建築家・中村青司が「島」に建てた十角形の奇妙な館を、大学のミステリー研に所属する七人――エラリイ、ルルウ、アガサ、カー、ヴァン、ポウ、オルツィが訪れる。到着した次の日、中央ホールのテーブルに「第一の被害者」「探偵」「殺人犯」……と書かれたプレートが置かれていた。誰かの悪戯だろうと目されていたが、「第一の被害者」「第二の被害者」が次々と現実のものとなり、「島」のメンバーは否応なく「犯人探し」をすることに――。
一方、「本土」では、死んだはずの「中村青司」から手紙をもらった江南と行動を共にする島田が、「謎の四重殺人事件」の真実に迫ろうとしていた。
第22回日本ミステリー文学大賞受賞の綾辻行人と、美しさの中に影がある絵でイラストレーターとしても活躍する清原紘がタッグを組んで贈る、本格ミステリの金字塔をもとにした「コミックリメイク」!
感想・レビュー・書評
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島田と江南によって、中村青司の死の真相が掘り返される。焼け落ちた青屋敷に秘められた暗黒に光を当てた二人。その一方で、惨劇が続く十角館は闇の中へと沈み込んでいく。死の連鎖は食い止められるのか。
原作既読ながら、中村青司絡みの謎が明かされるシーンはぞくぞくした。あの影を使った演出の迫力が素晴らしい。射すくめられた紅次郎の気持ちがわかる(笑) 島田、容赦なし!でも、あくまで謎に対して貪欲であって、紅次郎を責め立ててるわけじゃないところがいい。島田から投げかけられた罪の一言。彼はどう背負って生きていくのだろうか。紅次郎と青司の電話でのやり取り、青司にとっての千織の死の意味はシリーズを通して読んでいくと、胸が痺れるように突き刺さる現実になる。
そして、島では疑心暗鬼が深まっていく。混乱の中で見せたアガサの涙。こういう表情の奥行きを知ることで、さらにドラマも深まっていく。回想シーンで海難事故の謎へも少しずつ迫っていく。カルネアデスの板ってことなのかな?それとももっとドロドロしているのか。単なる事故というわけではなさそう。過去を手繰り寄せ、さらに犯人への手がかりらしきものを目撃したルルウ。危険を知ってもなお見つけようとした光景とは何だったのか。いよいよ事件も佳境に差し掛かる! -
漫画にするのが難しい内容の小説なのに、面白く美しく描かれていて凄いなと思いました。
相変わらず清原紘さんの出す雰囲気は素敵です -
清原紘さんの絵が綾辻行人さんの作風に見事に合っている。
小説のコミカライズは増えてきたけれどこのシリーズが1番好きかもしれない
ちょっと耽美的な絵がじわじわと進む展開により緊迫感をもたらしてくれていると思います。
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清原紘さんの絵が綺麗
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草木の名前に疎い自分でも漫画だと島の様子がよくわかって読んで良かったと思った。
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3巻なので基本構造は割愛。
原作小説は昔に読了済みではあるが、コミカライズの掲載誌は読んでおらず、コミックスのみで読んでいると内容は把握しにくい。
特別全巻までのあらすじのようなページもないし。
原作を知った視点で読んで、気になる描写がいくつか。
大胆な改編もあるわけで、トリックそのもが漫画的にアレンジされている可能性も視野に入れて読むべきか。
一つの大きな話の途中から始まって途中で終わっているわけで、なかなか感想も書きにくい物だが・・・。
コミカライズだからとテンポを優先して内容を間引かれるよりいいけれど、前巻までのあらすじはほしい・・・と、ここで言っても仕方がないが。
鬼が笑う話ではあるが、この構成で「館シリーズ」そのものが紡がれ続けるのかも気にはなる。