薔薇のなかの蛇

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065230503

感想・レビュー・書評

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  • 「理瀬」シリーズ、17年ぶりの最新長編!
    シリーズ3部作完結編・・・のはずなんだけど
    ・・・なんか違う・・・

    ヨハンが出てきた時は、テンションあがったけど
    アーサー目線が多すぎて、理瀬が足りない!

    いいのか??
    なんか続きそうな気配なんだけど・・・
    すごく消化不良気味です(-。-;)

  • 久しぶりの理瀨シリーズ。
    楽しみにしていたので、期待が大きすぎたかもしれません。
    理瀨が出てくるものの、理瀨目線の話ではないので、どなたかが言っていた「理瀨不足」というのがとても分かります。
    私の期待はさておき、濃い霧が漂うような、かつて読んでいた理瀨の物語を思い起こさせる話でした。
    ただ、過去の話を知らなくてもしっかり楽しめます。
    ぞくっとするようなこわさもありつつ、後半に謎が解き明かされる時には霧の中から明かりが差すような感覚も味わえました。
    欲を言えば、理瀨やレミントン一族の過去の話等、もう少し深く解明していただきたい箇所がありましたが、それは読者の想像にお任せ・・・というところでしょうか。
    それまでの話が濃かっただけに、解決がアッサリという感じが少し物悲しかったです。
    それでも、「そうそう、私は恩田陸のこういう話が好きだったんだ!」と再認識しました。
    今回の長編は17年ぶりということですが、次回はもう少し期間を狭めていただけると嬉しいです。

  • 期待を裏切らない、ミステリー作品。続きを期待させるような思わせぶりなエンディングで、少し消化不良感も。麦の海に沈む果実が一番好きかな。次の理瀬作品も読みたいです。

  • もう前のシリーズ覚えてないんだけど、このシリーズ好きなんだよね。なんでだろ?これはまた次に続くのかな?
    リセとアーサーの物語に。

  • 表紙は勿論、北見隆氏の挿入画もたっぷりと楽しめる装幀になっているところが嬉しい。北アイルランド辺りのケルト文明遺跡が散見される地が舞台となる。その地に、「ブラックローズ・ハウス」と呼ばれる館の住人、その親戚の、そしてゲスト達が謎の事件に巻き込まれる。美しく若い日本人の女性も登場し、物語に深く関与する。恩田作品にしては珍しく2/3程はスイスイと読み進む事が出来た。暫く読み進むと、恩田節が炸裂してくるのだ。残りページ1/3辺りから緊張感と集中力を持ってして読み進まないと迷子になる。

  • 久々に理瀬に会えて嬉しかった。もうちょっとヨハンが出てきてくれてもよかったのに。

  • シリーズを読むのが久しぶりすぎて、背景情報をほぼ忘れてしまっている。舞台がイギリスになり、由緒ある貴族の館が舞台でもあり、ゴシックミステリーの雰囲気が強い。ただ武器密造の歴史や国の諜報員が登場し、魔術的な雰囲気は薄れている。ミステリーのようでありながら、本を閉じても何も解決していないような、不思議な読後感は相変わらず。続きがあるようなので、できれば早めに読みたい。

  • +++
    変貌する少女。呪われた館の謎。
    「理瀬」シリーズ、17年ぶりの最新長編!

    英国へ留学中のリセ・ミズノは、友人のアリスから「ブラックローズハウス」と呼ばれる薔薇をかたどった館のパーティに招かれる。そこには国家の経済や政治に大きな影響力を持つ貴族・レミントン一家が住んでいた。美貌の長兄・アーサーや、闊達な次兄・デイヴらアリスの家族と交流を深めるリセ。折しもその近くでは、首と胴体が切断された遺体が見つかり「祭壇殺人事件」と名付けられた謎めいた事件が起きていた。このパーティで屋敷の主、オズワルドが一族に伝わる秘宝を披露するのでは、とまことしやかに招待客が囁く中、悲劇が訪れる。屋敷の敷地内で、真っ二つに切られた人間の死体が見つかったのだ。さながら、あの凄惨な事件をなぞらえたかのごとく。

    可憐な「百合」から、妖美な「薔薇」へ。
    正統派ゴシック・ミステリの到達点!
    +++

    英国・ストラットフォードのブラックローズハウスが舞台だが、海外ものにありがちな不自然さは全くなく、ミステリアスな空気の中で物語は始まる。今回、主役は理瀬ではなく、ブラックローズハウスの主・レミントン一家なので、理瀬目線で描かれることは多くはないが、その存在感は見逃せない。事件は凄惨で、スプラッタ映画かと思わされるような目を覆いたくなる場面もあり、思い出したくはないが、それ以外は、起きていることとは裏腹に、いたって静かに時間が流れる。人間の裏側と、事実の陰に隠された真実の奥深さが、まだまだ解き明かされないことがありそうな疑心暗鬼に苛まれる。このままでは絶対に終わらない予感が立ちこめる一冊である。

  • 終盤の謎解きは難解であったが、雰囲気のある作品に仕上がっており、ミステリーとしてそれなりに楽しめた。

  • 謎の広がりから終章に至る速度感がとても恩田陸作品らしい。陰惨な事件と誰も信用できない不安感がくせになる。今作の登場人物にはまた会えそうなので今から楽しみ。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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