銀河のカーテンコール(1) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 51
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065242247

作品紹介・あらすじ

2歳年上の婚約者と別れたばかりの図書館司書・眞は、引退したばかりの庭師・誠二郎とたまたま出会い、“終わった者同士”で意気投合し、会話を重ねていく。携帯電話も持たない誠二郎は、頑固一徹ジジイのように見えて、実は植物に対して溢れるくらいの愛を持つ、心優しい男性だった。彼の愚直な物言いに、心を惹かれる眞だったが、二人の間には40もの年の差が。そんな二人には、実はある因縁があった…。終わった経験を持つからこそ、この想いは大切に育みたい──。『あさめしまえ』『火色の文楽』の北駒生が描き出す、大人のための年の差ラブストーリー。

感想・レビュー・書評

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  •  婚約解消した図書館司書・合歓木眞と、現役引退した庭師・松浪誠二郎。
     30歳の女性と、70歳の男性が居酒屋で隣の席になったことから始まる、端正に描かれた物語の第一巻である。

     偶然すれ違った二人の運命が交差し、新章が開幕する。
     そんな、序幕が描かれたこの1巻は、率直に言って衝撃的だった。
     これは漫画の文法というより、小説の文法に近い。
     それを漫画に移植して、絵の力を加えて見事に描き切っている。

     おそらく、現代的な手法とは言えないだろう。
     もっと断言していいし、もっと説明していい。現代的な表現法はそうしたものだ。
     だが、この作品は決して言葉少なではないのに、多弁ではない。
     言葉を大事にして、何より絵を大事にしている。
     そして物語を大事にしている作品である。
     好みの女性作者さんの小説に出会えた時の、静かな興奮が読書の折にはあった。


     おそらく好き嫌いはあるだろうと思う。
     派手な展開はない、恋愛物語とも言えない淡い物語である。

     ただ、私にとってはこの作品は1巻だけですら名作と言っていいほどに刺さった。
     ただただ素晴らしかった。星十個ぐらいは送りたい、そんな良い作品だった。

     ひょんなことから出会えた作品だったが、こういう出会いができるのだから、やはり読書は素晴らしい。
     出会いのきっかけを作ってくれたどむぞうくんにもお礼を申し上げたい。
     ありがとう、ありがとう。

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著者プロフィール

■北駒生・・・・・・朝ごはんをテーマとした料理漫画、『あさめしまえ』(講談社全⑥巻)で初連載。現在、月刊コミックゼノンにて、人形浄瑠璃・文楽を扱った『火色の文楽』を連載中。

「2018年 『火色の文楽 ③』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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