本が紡いだ五つの奇跡

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2213
感想 : 219
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065245613

感想・レビュー・書評

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  • 森沢さんらしい、優しさの詰まった作品。

    ある一冊の本を巡って描かれる、連作五章の構成となっております。

    まず、物語の内容ではないのですが、本書の紙質と美麗な印字(活版印刷を思わせるような)が凄く好みでテンション上がりました。
    今は電子書籍やオーディオブック等、多様な媒体がありますが、この本のような“いい質感”の本を手にすると、“やっぱ、紙の本が好きだなぁ・・”としみじみと思っちゃいますね~。
    そんな“本”がつくられて読者の手に届く・・という流れに関わった人達の奇跡の繋がりが描かれています。
    編集者・津山奈緒、小説家・涼元マサミ、ブックデザイナー・青山哲也、書店員・白川心美、そして、読者・唐田一成。
    彼らを繋ぐのは、『さよならドグマ』という一冊の本。
    この本に込められた思いが、感動と思わぬ広がりや繋がりを見せてくれます。
    そして、それぞれ問題や悩みを抱えていたり、過去の痛みに苦しんでいたり、寂寥感を感じている登場人物達が、『さよならドグマ』に関わる事によって前向きになっていく展開で、ここまで人の心を揺さぶる内容と渾身の装丁の『さよならドグマ』とはどんな本なのよ?と、断片しか情報がない私としては、気になるばかりでございます。(森沢さん、描いてくれないかな・・・まぁここまで作中でハードルを上げちゃっていると実際難しいですかね?)
    個人的には、第五章の唐田父子の関係性が心地よくて、話の内容も好きでした。第一章とのまさに円が繋がるようなリンクもナイスです。お父さんにも春が来ると良いですね。
    森沢さんは風景描写がポエムちっくで(例えば“パイナップル色の空”など)、読んでいて何だかこっ恥ずかしくなってしまう私なのですが、敢えて本書をポエミーに表現すると、“心に優しい潮風が吹き抜けるような”読後感の物語と言わせて頂きます~ (〃ノдノ)テ。

    因みに、著者別作品『虹の岬の喫茶店』とのユルいリンクがあるのもちょっとしたお楽しみです。
    (〈虹の岬の喫茶店〉は森沢作品に、ちょいちょい出てきますよね)

  • デビュー作以来売れなくなった作家。
    彼の人生をかけた渾身の一作が関わった人たちの人生を変えていく連作短編。

    今まで森沢作品に登場したあれやこれやも出て来ますから、これまたおっ!ってなる喜び(*´꒳`*)

    背中をそっと支えてくれるそんな一冊に出会える事を夢見て大好きな読書を楽しみたいなぁ…
    やっぱり本って最高だなぁと思う作品でした♪

    • Manideさん
      みんみんさん、こんばんは♪

      (´ー`*)ウンウン
      いい作品ですよね♪♪
      本はいいですね。
      みんみんさん、こんばんは♪

      (´ー`*)ウンウン
      いい作品ですよね♪♪
      本はいいですね。
      2022/09/17
    • みんみんさん
      Manideさんこんばんは〜♪
      森沢さんは癒されますよね(^^)
      繋がり見つけるのも楽しみ!
      Manideさんこんばんは〜♪
      森沢さんは癒されますよね(^^)
      繋がり見つけるのも楽しみ!
      2022/09/17
    • Manideさん
      みんみんさん、こんばんは☆

      コメントありがとうございます。
      森沢さん、いいですよね〜

      森沢さんが好きな人が周りに多いので、
      うれしくなっ...
      みんみんさん、こんばんは☆

      コメントありがとうございます。
      森沢さん、いいですよね〜

      森沢さんが好きな人が周りに多いので、
      うれしくなっちゃいます。
      繋がりもいいですよね。

      また、森沢さん作品のレビューを楽しみにしてますね ^_^
      2022/09/20
  • 物語りに登場する父と息子のような親子関係を築くことができたなら、最高だろうなと思いました。

    「過去を大切にすることも大事だけれど、いまと未来を大切にしないと、いつかその過去まで否定することになるよ」

    最近の読書スランプを抜け出すきっかけにふさわしい一冊でした。そして、登場人物たちを変えるきっかけとなった、『さよならドグマ』を、ぜひ読んでみたくなりました。
    2021,10/3-7

  • タイトルの通り、編集者の情熱が著者を動かし、良い作品が本屋さんや読者に届いてその人の人生とシンクロする。それぞれに影響を与えて奇跡を起こす。
    あっという間に終わってしまった。このまま続きをずーと読み続けたくなるお話でした。

    あれっ、どこかで会ったようなって感じで他の作品とちょくちょくリンクするのも懐かしく感じた。

  • 一冊の本を中心に紡がれる五人の男女の物語。
    それぞれに悩みや迷いや挫折を味わってきた人たちが、一冊の本と関わることで、新しい一歩を踏み出して生きていく。読後感は爽やかで、勇気を与えてくれるような物語だった。
    登場人物に誰一人悪い人がいないという。そこがあまりにも出来すぎ君だったので星は4つでw

  • 森沢明夫さんらしい、心温かくなる物語でした。以前の作品に出て来た主人公がまた登場するところも嬉しいサプライズです。

  • 主軸は良い人ばかりだが、薄〜く名も無き嫌な人間も登場している点が悪くないと思う。

    第三章ブックデザイナー青山哲也が親友2人に打ち明けようと決めたところで、私は一番グッときた。

  • タイトルの通り、1冊の本をめぐる5話の短編連作。特に最終話の舞台が森沢明夫さんの別の著書『エミリの小さな包丁』と同じ海辺の街だったのが嬉しかった。同作と同じ空気感で、共通の登場人物もおり、とても懐かしい気持ちになった。森沢さんのエッセイ、そしてその他の小説に通じる温かさを本作にも感じた。中には悲しく切ない話も含まれていたが、家族や友人とのつながりに改めて感謝し、残りの人生の時間を大切にする登場人物の姿勢に触れ、当たり前の日常はやはりとても尊く幸せなものだなということを再確認できた。読後感は最高にほっこり。

  • 編集者、小説家、ブックデザイナー、書店員、読者。
    視点人物を変えながらつながっていく、ある本にかかわった人たちの物語。

    悩んだり、心の奥に引っかかっていた過去があったり。
    そんな人たちが、だんだんと前を向いていく、心あたたまる物語。

    作中作『さよならドグマ』を、読んでみたくなる。


  • はぁ〜なんて心地いい読後感(*´˘`*)♡
    連作短編集なのだけど、もうこれは長編小説と言っていいんじゃないかと思うくらい繋がりが絶妙でした!

    編集者さんがいて、作家さんがいて、物語を彩る人達がいて、そして読者がいる。
    普段何気なく選んで読書してるけど、1つ1つの作品には色んな思いが詰まってるんだなぁと改めて感じました。

    私にも心に残る作品やフレーズがあったりするけど、この作品を読んでるとほんと本の持つ力ってすごいなと思う。場合によってはその人の人生を変えてしまうくらいの影響力を持つ本と出会う事もあったり、、

    いつもはこの話が好きだったとかあるけど、これは5篇どれも凄く良かったな〜
    そしてリンクもあってさらに楽しめました!
    ちょうどエミリを読んだとこだったので、エミリとのリンクが多くてテンション上がったなぁ〜♬
    虹の岬〜とのリンクにも気づきました♡
    もしかして他にもあるのかな??

    そしてこの本のキーワードだった"さよならドグマ"
    読んでみたいな♡
    いつか森沢さんが描いてくれるかな〜\♡/"

    • Manideさん
      mihiroさん

      これはいい作品ですよね。(* ˘꒳˘)⁾⁾ウンウン
      去年の感想なんですね…

      最近、私も2冊続けて森沢明夫さん作品読んだ...
      mihiroさん

      これはいい作品ですよね。(* ˘꒳˘)⁾⁾ウンウン
      去年の感想なんですね…

      最近、私も2冊続けて森沢明夫さん作品読んだんですが、いいですよね。

      ぜひ、今度、森沢明夫さん月間やる時は、一緒に読みましょうwww
      2022/08/29
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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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