万国お菓子物語 世界をめぐる101話 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065265710

作品紹介・あらすじ

たかがお菓子というなかれ。甘さのかげに歴史あり。愛とロマン、政治に宗教、文化の結晶としての世界のスイーツ101の誕生秘話!

すっかり日本でもおなじみとなったマカロン。原形は数あるお菓子の中でも大変古典的な部類に数えられます。
宗教の時代ともいわれる中世ヨーロッパ、その流れを引いた近世で政略結婚を含めた各国の交流が進んだ背景のもと、マカロンの旅も始まりました。まずイタリアのフィレンツェの名家メディチ家のカトリーヌ姫が嫁ぐ時に帯同した製菓職人の手によってフランスにもたらされました。それを機にフランス各地で作られるようになり、それぞれの地で銘菓として評価されていきます。17世紀~18世紀には各地の修道院でつくられるマカロンが有名となり、それを求めて時の皇太子ご夫妻が修道院を訪れたこともありました。――政略結婚によって他国へ伝わったマカロン、参拝記念として配られたレープクーヘン、名称をめぐって裁判にまで発展したザッハートルテ、また大航海時代、ポルトガルによってはるばる日本までやってきたカステーラ……。南蛮菓子からヨーロッパ・アメリカへ渡り、またアジアへ戻るお菓子にまつわる物語。ヨーロッパとアジアをつなぐトルコのロクムやちょっと切ない誕生経緯のハワイアン・バター餅など新たに9話を追加しました。製菓業界の第一人者がお届けする世界をめぐるお菓子101話。
(原本・吉田菊次郎『万国お菓子物語』、晶文社、1998年。文庫化にあたって新たに9話追加しました。)


本書で取り上げるお菓子
南蛮菓子
カステーラ
ボーロ
コンペイトウ
ビスカウト

世界のお菓子
マカロン
チョコレート
シュトレン
ザッハートルテ
ポルボロン
プディング
スペキュラース
悪魔のお菓子と天使のお菓子
月餅

日本のお菓子
ショートケーキ
饅頭
お汁粉
どら焼き
外郎
ちんすうこう

ほか

感想・レビュー・書評

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  • 日本洋菓子界の第一人者が読み解く世界のお菓子誕生秘話。
    南蛮菓子  フランス  スイス  ドイツ  オーストリア
    イタリア  スペイン  ポルトガル  イギリス
    他のヨーロッパの国々  アメリカ  太平洋の国々
    アジアの国々  日本の洋菓子  和菓子  日本各地
    カラー口絵4ページ。本文にはモノクロ画像。
    コラム、参考・引用文献、主な著書有り。
    世界の国や地域の代表するお菓子には、どんなルーツがあるのか。
    様々な資料や文献を調べ、実際に現地で確かめ、考察しています。
    江戸時代等の古書や古文書に登場する、南蛮菓子の正体とは?
    世界の国や地域の様々なお菓子のルーツと姿は?
    日本の洋菓子や和菓子、郷土菓子、日本最古のお菓子についても。
    地域に根差すお菓子や他地域との交流、伝統や宗教の影響。
    豊富な蘊蓄は、お菓子の雑学と豆知識となる興味深い内容。
    遥か古代より綿々と繋がるモノもあれば、
    変化により名物となるモノ、新しく生み出されるモノ、有り。
    まことに人間の知恵は果てしがないと思うと言うのも、納得。
    特に日本人の創意工夫には、感服してしまう。
    スイート・ポテトやショートケーキは、
    そんな逸品だと、つくづく思う。美味しいし~。

  • お菓子の成り立ちや歴史などが書かれていて、ちょっと雑学知識が得られる。和菓子や日本の洋菓子が特に面白かったが、これまであまり馴染みのなかったポーランドやポルトガルのお菓子が興味深い。特にポルトガルは鎖国時代の日本にさまざまな影響を与えた国でもあるし、別の観点からも探ってみたくなった。

  • お菓子にはそれぞれの国の文化がある。美味しさがゆえ、いろいろな国に伝わり、それぞれの国で独自のアレンジがあり、文化の繋がりを感じました。

  • 本文より
    菓名ひとつからも文化やその拠って立つ背景がしのばれる。

  • 一つ一つの話が短くて、少し時間が空いた時にパパッと読めた。各お菓子に写真(もしくはイラスト)が付いていたのでイメージしやすく、とても読みやすかった。特に、まだその実態が明らかになっていないお菓子を筆者が様々に考察して想像しようとしている所が素敵で、そこがこの本の読みどころのひとつかも!!

  • 来歴の調査や推測はそれなりに楽しい。
    経験の無い菓子は???だが…。
    日本人のアレンジは最早、病いのレベルかも。

  • お菓子の様々な由来を知れた。
    まだまだ謎に包まれたお菓子もあるけど、
    昔の人が初めて食べた時の感動と驚きってどんな風だったんだろう。
    写真があればより嬉しかったなぁ。

    久しぶりに無性にカステラが食べたくなって読み終えてから買いに行きました。

  • お菓子好きだし割と詳しい方だし!という軽い気持ちで手に取ったけど、想像していた以上に奥の深い一冊だった。どんな見た目のお菓子か、ということなら目にするけれど、そのお菓子にどんな歴史があったのか、という点になれば、まったく知らない話ばかり。お菓子の呼び名一つ取っても驚きと感心の連続だった。また、世界各国のものを集めたからこそ初めて見るお菓子もあって、国内ではこんなに食への興味が深く積極的なのに、それでも未だ日本で盛んにならない、その国特有のお菓子もあるのかと、本当にびっくりして面白かった。

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著者プロフィール

1944年、東京生まれ。俳号・南舟子。明治大学商学部卒業後、フランス、スイスで製菓修行。第一回菓子世界大会銅賞ほか数々の国際賞を受賞。帰国後「ブールミッシュ」を開業。現在同社会長のほか、製菓フード業界の要職を兼ねる。フランス共和国より農事功労章シュヴァリエ勲章受章。2005年、天皇皇后両陛下より秋の園遊会のお招きにあずかる。2022年秋、「黄綬褒章」受章。現在、大手前大学客員教授。
主な著書に、『あめ細工』、『チョコレート菓子』、『万国お菓子物語』(講談社学術文庫)ほか多数。

「2023年 『日本人の愛したお菓子たち 明治から現代へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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