たぶんみんなは知らないこと

著者 :
  • 講談社
4.21
  • (22)
  • (11)
  • (8)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 156
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065270431

作品紹介・あらすじ

ねえねえ。なに話してるの?
そんなふうにいえればいいんだけど、わたしはおしゃべりができないから。
おしゃべりしようって思っても、頭のずっとおくのほうでなにかがちかちかってするだけ。お口もじょうずにうごかせないし、もうしかたないなぁって思ってる。本文より。

重度の知的障がいのある小五の女の子、すずと、お兄ちゃん、同級生、先生、保護者たちなど周りの人をめぐる優しい物語。

『ふたり』が青少年読書感想文全国コンクール課題図書に、『香菜とななつの秘密』が厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選ばれるなど、特別支援学校で長く現役教師をつとめながら児童文学作家としても活躍する、福田隆浩氏最新作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ねえねえ。なに話してるの?
    そんなふうにいえればいいんだけど、わたしはおしゃべりができないから。
    おしゃべりしようって思っても、頭のずっとおくのほうでなにかがちかちかってするだけ。お口もじょうずにうごかせないし、もうしかたないなぁって思ってる。

    《重度の知的障がいのある小5の女の子、すずと、お兄ちゃん、同級生、先生たちの優しい物語。》──帯の紹介文

    著者は長崎県の特別支援学校に勤務しながら児童書を書き続ける児童文学作家

    すずに寄り添い、すずと語り、すずのことばに耳を傾けて、“みんなは知らないこと”をすずの一人称で描き出した傑作、2022年5月刊

    すず の内面の語りと、母と担任の連絡帳、兄のブログ、学級通信など他者視点の描写とを組み合わせる手法で、すずとまわりの人たちとの交流とすれ違いを表現する

    『じゅんくんの学校』(あすなろ書房、2022年6月刊)とあわせて子どもたちにぜひすすめたい

  • 重度の知的障がいの子を主人公にした本はいくつかあるけど、この本では、当事者「すず」の一人称で物語が展開されていて、そこに、母親と教師の連絡帳の記述、兄のブログの記述、加えて、学級通信の内容もからめ、物語に奥行きを生み出している。いかにもこの作家さんらしい構成だなあと感心した。障がい者物によくある暗さがなく、明るく希望へとつながる物語となっている。

  • いいお話でした。お兄さんのブログに泣かされました。タイトルの意味がわかりました。

  • お兄ちゃんの率直な思いが沁みる。この先のことも読みたい。

  • めちゃくちゃ泣いてしまった。
    支援学校の話。あるあるすぎてもう。
    これに近い育児をしているので、ここのお母さんやお兄ちゃんに同調が強くて、ヘトヘトになった。読むのが大変だった。

    連絡帳もリアル(私はこんなにきちんと書けていませんすみません)、同級生の様子もリアル、先生たちも、お母さんたちの距離感も、学級通信も。
    何よりこの界隈の離婚率の高さたるや…。ブルブル。

    バスで出会った老女、交流の普通小学校の子どもたち、こんな和解が現実にもあったらいいなと思う。
    しかし、まあこれはフィクション。そこは期待しない。

    こんな世界がありますように、といつもいつも願うし、すずちゃんの新生活が素晴らしいものになるようにと思った。
    ティッシュ箱抱えて読みました。ふうー。

  • 難しいテーマなのに真っ向からそして誠実に書かれた物語だった。みんな知らないことじゃいけないよねと思った。とても読みやすかった。kindleで読んだけどこちらにも。

  • 「「いってきまーす!みんなには聞こえないけど、私は大きな声を上げた」知的障害のある小5のすずと兄、周りの人たちの優しい物語。」

  • 特別支援学校、小5、すず

  • 日頃、養護学校で子どもたちに接している福田さんだから書けたのかもしれない。

    私は子ども相手でも幼児語で話すのが好きではないので、すずの語り方が幼いことには違和感を感じました。

  • 重度の知的障害で話すことができない主人公の視点で綴られる物語。施設と母の連絡帳、兄側からの気持ちなども盛り込まれている。

全17件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

長崎県の特別支援学校勤務。『この素晴らしき世界に生まれて』(小峰書店)で、日本児童文学者協会長編児童文学新人賞受賞。
『熱風』で、第48回講談社児童文学新人賞佳作受賞。
『ひみつ』(講談社)が第50回野間児童文芸賞最終候補作に、
『ふたり』(講談社)が2014年青少年読書感想文全国コンクール課題図書に、
『幽霊魚』(講談社)が2016年読書感想画中央コンクール指定図書に、
『香菜とななつの秘密』が厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選ばれる。
『たぶんみんなは知らないこと』で第60回野間児童文芸賞を受賞。
その他、『おなべの妖精一家シリーズ1.2』『おはなしSDGs 人や不平等をなくそう 明日香さんは負けない』(講談社)など





「2022年 『たぶんみんなは知らないこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

福田隆浩の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×