爆弾

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065273470

感想・レビュー・書評

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  • 言葉と翻弄。嘘と形。焦燥と冷静。
    私はこの物語にどんな落とし所をつけるべきか。

  • '22年11月12日、Amazon audibleで、聴き終えました。呉勝浩さんの作品、初体験です。

    今月、先に読了した「方舟」もそうでしたが…これまた、凄い衝撃を受けました。作家、呉さんとの、幸せな出合い…。

    今迄全く知らない作家さんでしたが…聴き始めてすぐに、一気に物語に引き込まれてしまいました。心理戦の、身体に悪い位の、凄い緊迫感!心臓がバクバクして、ヤバかったです。

    ただ、犯行は…爆弾テロですが、グロいシーンは無かったかな…あくまでも、取り調べでの、タゴサクと刑事たちとの心理戦、そして外の調査をする刑事たちの活躍、刑事たち各々の、自己との戦いが描かれていました。僕的には、とても楽しめました。大満足!

    そして、audibleならではですが…男女二人のナレーターも、大変だったろうな…感謝!

    呉勝浩さん、他の作品もチャレンジしてみたいです!

  • ❇︎
    警察と爆弾犯の頭脳戦と緊迫した捜査活動が
    刑事たちのそれぞれの視点を通して緻密に
    描かれます。

    真意を探る駆け引きの中、無邪気とも言える
    犯人の異様な毒気に当てられて暗い思考に
    溶かされそうになる刑事たち。

    無差別テロに見え隠れする、犯人の屈折して
    身勝手な思考。

    異常と正常の紙一重の狭間を揺れる
    刑事と爆弾犯の心理戦に引き込まれます。

    読み返したくなる一進一退の攻防です。

    ーーーーー
    傷害で取調べを受ける男の口から出た犯罪予告。

    のらりくらりと取り調べを受け流す被疑者
    (スズキタゴサク)。

    いよいよ爆弾犯の疑いが色濃くなった時、
    精鋭揃いの特殊な人員が送り込まれるが
    事件は思わぬ流れに進んでしまう。

  • 私の読解力が鈍いのか登場人物が多いので誰がどういう関係性にあるのか最後まで理解できずに読み終えた
    特に等々力と井筒の会話はどちらが今喋ってるのかも理解するのが難しく何度も読み返して時間がかかったわりに、それ程重要じゃなく疲労したのが悲しい
    ミステリーの賞を色々とってて前評判が良かったので期待しすぎたかも
    映画化されたらスズキタゴサクは誰が演じるのだろう

  • 面白かった。
    以前読んだ『おれたちの歌をうたえ』よりもはるかに良かった。

    無邪気は良識の手に余る。
    「爆発したって、べつによくないですか?」
    スズキはもちろん、類家のキャラは最高だった。
    等々力もなかなか。

    でっち上げだろうが、欺瞞だろうが、世の中を円滑にまわしていくためには良識が必要。でも良識に囚われていると、自分の欲望や本音が露見した時に、それを醜悪だと思ってしまうのだろう。

    世界の残酷さや綺麗事から逃げずにいることは難しいかもしれないが、目をそらさないでいたい。

  • 基本的に最後まで取調室での心理戦。というか、なぞなぞ?私は共感できる事があまりなく、タゴサクは感じ悪くて(これは作者の作戦通りだと思う)動機も薄い気がした。仲間じゃなくて知らない人は死んじゃってもいいの?
    話題作だったので読んでみたが私の好みとは合わなかったな。

  • うーん
    なんとなくしっくり来ないまま読了。

    取調室での犯人と警察のやり取りの応酬から
    次第にその状況が明らかになって行くストーリー。
    スズキタゴサクと名乗る犯人を筆頭に、
    登場人物の誰にも好感が持てず、
    鬱々としながらページをめくった。
    後半畳み掛けるように犯人を追い詰めていくものの、
    本人があまりにも達観しすぎていて
    焦りも不安も感じられない。
    もうちょっと慌ててほしかったなぁ。

    興味深かったのは、
    人間どんな人でも(それが警察官であれ)
    正義と悪意、本音ときれいごとが同居してるんだ、という点。
    そう考えると、罪を犯すことは
    ほんの一瞬の気の迷い、判断ミスで起こりうるのかも。

  • 面白かった。読む手が止まらず一気読み。
    スズキタゴサクが胡散臭くて嫌だが、よくにまあこれだけ口が回るものだ。振り回される警察側。解決するのは天才肌の捜査官。掛け合いが面白かった。真相がこんなだったとは脱帽。とにかく寝落ちするほど一気読み。眠たいです

  • 【2023年このミステリーがすごい!国内編1位作】
    軽い事件で逮捕された酔っ払いのおっさんが、突然爆弾事件を予言し的中。
    その後の爆弾の所在を探りたい警察とおっさんとの取調室での心理戦と現場の捜査の大きく2場面で物語は進行します。

    このおっさんがかなりの曲者で、得体の知れない圧倒的不気味さが、この物語のミステリー性を極限まで引き出しています。

    おっさんに至っては、取調室でずっと警察と会話してるだけなのですが、その言葉回しが非常に秀逸で惹き込まれます。
    こんなやりとり普通書ける?
    筆者はキャラクターの深層心理を描くのに長けてるのだろうなと、その力量に感服です。

  • 今年のミステリーランキング上位勢はすげぇな!と思わされる。
    伏線やトリックも楽しいが、それよりも登場人物たちがスズキの思想や問いかけに揺さぶられ、自分の持っていた弱さを暴かれ、取り込まれそうになりながら、それに屈さずに正義を行おうとする人達の行動に感動する。
    等々力が最後にスズキに向かって言う言葉も素晴らしい。

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著者プロフィール

1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。現在、大阪府大阪市在住。2015年、『道徳の時間』で、第61回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。18年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞、同年『ライオン・ブルー』で第31回山本周五郎賞候補、19年『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』で第72回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、20年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞受賞、同作は第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)も受賞し、第162回直木賞候補ともなった。21年『おれたちの歌をうたえ』で第165回直木賞候補。他に『ロスト』『蜃気楼の犬』『マトリョーシカ・ブラッド』などがある。

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